用語集

・アルトネ1用語

伝説でんせつ聖女せいじょ
Legendary Maiden

第二紀の終焉、塔からあふれ出てくるウイルスによって人類が滅亡の危機にさらされた時に現れ、そして人々を救ったとされるレーヴァテイル。伝説の聖女はヒュムネクリスタルというアイテムを用い、そのクリスタルの秘めたる力「詩の力」を得ることによってウイルスを封印したと言われている。

ウイルス
Virus

正式名称は「導力情報ウイルス体」。塔内で生成され、導力線というネット回線を伝い、塔内を自由に移動できる。また、高度なウイルスになると、フリップフロップ変換という技術によって現実世界に具現化し、人々に物理的危害を加えるものも出現する。ライナー達エレミアの騎士が出動するのは、主にこの具現化したウイルスが発生したとき。ウイルスは「使途の祭壇」と呼ばれる場所から湧き出てくることが多い。ウイルスは人を襲うようにプログラムされているため、具現化する場合もしない場合も人に危害を与えるのが常。具現化しない場合は、塔のガーディアンを侵食し、それを支配し、人々に襲いかかる。

レーヴァテイル
Revateil

「詩の力」を使うことが出来る、謳うだけで大地を揺らし、火を飛ばし、人を癒すことが出来る種族。詩を謳ったときに火の玉が出たり、その詩によって人々を回復できるのは、レーヴァテイルのみである。そんな超常的な力を持つレーヴァテイルだが、唯一の致命的な弱点として、短命であることが挙げられる。通常、何もしない場合、長くて20年程度しか生きられない。人間と同じくらい長生きをするためには「延命剤」というものを定期的に投与する必要がある。現在その延命剤を作る技術があるのは「天覇」という企業と「エル・エレミア教会」のみである。この二つの組織のいずれかに属していれば無償で延命剤がもらえるため、レーヴァテイルはどちらかに属することが多い。また、それ故に弱みを握られ、人々にいいように扱われることもしばしばある。また、レーヴァテイルにはインストールポイントという部分が存在し、そこからグラスノ結晶を取り込むこと(インストール)が可能だ。それによって詩魔法の効果が急激に増大する。しかし、結構な苦痛を強いることになるため、本来は本当に信頼できる相手でなければインストールは行わないのが常識である。現在ではレーヴァテイルと人間との間でパワーバランスが崩れているため、レーヴァテイルがなし崩し的に人間に利用されている。

アンビエンスフィールド
Ambience Field

レーヴァテイルと共に戦う詩魔法戦で、レーヴァテイルの詩の力を強くするための理論。簡単に言ってしまえば、パートナーが頑張っている姿を見ることで、レーヴァテイル自身のやる気、士気が上がるという単純なもの。アンビエンスとは「周囲、環境」という意味で、要するに「その場全体が盛り上がり、前衛もレーヴァテイルも戦闘力がアップする」という意味がある。

ヒュムネクリスタル
Hymmne Crystal

レーヴァテイルが塔をコントロールする為に謳う詩「ヒュムノス」が記憶されているクリスタル。現実的な表現をするのであれば、メモリーカードと言えば解りやすいだろう。この中に詩の「想い」が記憶されており、レーヴァテイルだけがその「想い」を正確にくみ取ることができる。ヒュムネクリスタルは、使用するレーヴァテイルによって全く違う詩を紡ぎ出すが、これはレーヴァテイル個々によって感性が違うことの表れである。しかし使用時の効果には変化はない。

ヒュムノス
Hymmnos

ヒュムネクリスタルに記録されている、塔をコントロールするための詩。実際にヒュムノスが開発されていた第一紀には数百種ものヒュムノスが存在していたといわれている。ヒュムノスと、通常の戦闘などで謳っている詩魔法との違いは、塔自体を制御する詩なのか、それとも塔からその力をもらっている詩なのか、という違いである。ヒュムノスはいわば、塔の管理者権限としての力である。電気で例えるなら、詩魔法はご家庭にある炊飯釜やエアコンなどであり、ヒュムノスとは発電所の出力の上げ下げ、炉心棒のコントロールのようなものなのだ。

エレミアの使途
エレミアのしと/Apostle of Elemia

第二紀終焉の時、伝説の聖女らと共にウイルス達と戦い、人々の滅亡を阻止した人達のことをエレミアの使途という。その人々がウイルス頻出地点である「使途の祭壇」を監視するために作った街がプラティナ。今プラティナに住む人々はそれらの人達の末裔であり、今でもウイルスからこの地を護るという使命を護り継いでいる。

エレミアの騎士
エレミアのきし/Knight of Elemia

エレミアの使途の中でも、特に前線に出て戦う実働部隊。その数は少ないが、一人一人がウイルスと戦うための特殊な訓練を受け、たとえ一人でもウイルスを倒せるよう訓練されている。シュレリアと共に行動することが多くなる。

使途の祭壇
しとのさいだん/Altar of Apostles

プラティナとほぼ同じ高度にある、ウイルスの多発ポイント。使途の祭壇は、正式名称「導力プラグ」といい、塔が健在だった頃は、塔の情報大動脈の末端部分、いわゆるコネクタだった。その為、情報伝達量が大きく、また現実世界とバイナリ野との結合点である使途の祭壇は、ウイルスが顕在するのに好条件が揃っているのである。

ELMA-DS
エルマ-ディーエス

物語の始まりに出てくるウイルスの名前。ELMA-DS最大の特徴は、フリップフロップ変換を自由に行えることである。フリップフロップ変換とは、バイナリ野と実世界とで、身体の特性を変える技術のこと。要するに、物体をデータ化したり、データを物体化したりすることが出来る。その為ELMA-DSは、危なくなったら物理攻撃が効かないバイナリ野へ逃げ込み、攻撃するときは現実に物質化するという行動をとる。この特殊能力を阻止する効果があるのが「パージャ」と言われるヒュムノス。ライナーはこれを見つけるために、ホルスの翼へ降り立った。

ヒュムノスワード
Hymmnos Word

ヒュムノス語と言われている、塔と意思疎通するための言語。「想音」と言われる、現在の自分の感情や気分を表す言葉から始まり、動詞、目的語、装飾語と続く構文を持つ。詩が「想い」を伝えることを大切にしていることの現れなのである。ヒュムノスワードは独自の文字列を持つ。 ヒュムノスを始めとして、詩魔法は全部、このヒュムノスワードで塔とコンタクトを取り、力を享受しているのである。

バイナリ野
バイナリや/Binary Field

塔内に張り巡らされた導力ラインと呼ばれる情報伝達網、 それを総べるSPUといわれる中央処理施設によって維持されている、情報世界のこと。要するに、実体がないデータの世界(01の世界)であり、簡単に言ってしまえば「プログラム」の世界である。現実に置き換えて言うなら、このゲームのキャラ達、またネットゲームのプレイヤーキャラなどは全員、バイナリ野の住人ということになる。

パージャ
Paja

ヒュムネクリスタルの一つ。塔とリンクしているプログラムを切断するブレイクコマンド。これを使用すると、プログラムはその行動を中断する。実体化している場合は、塔との交信ができなくなるため、情報体に戻ることができなくなる。

エル・エレミア教会
エル・エレミアきょうかい/El Elemia Church

太古の昔に実在したと言われている「エレミア三謳神」を祀る教会。謳うだけで人々を癒し、この世界を豊かにしたと語り伝える「エル・エレミア伝承」を教義としている団体。エレミア三謳神復活の為のミッションをこなす一方、地域の人達の安全を確保したりといった、公共福祉的な役割も行っている。

聖女
せいじょ/Holy Maiden (Candidate)

教会でのレーヴァテイルの呼び方。厳密には、神を降ろすことが出来るヒュムネクリスタル「リンカ」を手に入れたレーヴァテイルを「聖女」と呼び、現状教会に所属するレーヴァテイルは全員「聖女候補」でしかない。

詩魔法
うたまほう/Song Magic

レーヴァテイルだけが使える魔法形態。別名「妄想魔法」と言われており、レーヴァテイルが現実化を強く念じた想像物が現実に現れるという魔法である。紡ぎ出すのはレーヴァテイルだが、その具現化に必要な力は塔から享受する。レーヴァテイルは詩魔法を唱えているとき、塔と繋がっているのだ。

天覇
てんぱ/Tenpa

この世界のありとあらゆるモノを開発し、そしてこの世界を技術的に潤す大企業。 その分野は多岐にわたり、生活必需品から軍隊まで、様々。天覇は様々な分野でレーヴァテイルの力を使っている。特に軍隊の中には戦闘用のレーヴァテイルが多数在籍している。天覇は、人が入ることを許されていない塔の中枢に入り込み、その古代期の文明を持ちだして自分たちの技術にするという事を行っている。

グラスメルク
Grathmerk

この世界の標準的な技術体系の一つ。「グラスノ結晶」を用いて複数アイテムを合成することで、特別な力を持ったアイテムを作り出す技術。

グラスノ結晶
グラスノけっしょう/Grathnode Crystal

大昔からそこかしこに落ちている、特殊な力を秘めた結晶。アイテムとかけ合わせれば特殊な効果が付いたアイテムを作ることが出来、レーヴァテイルにインストールすれば、そのレーヴァテイルの詩魔法が強くなるという優れもの。現代の文明がここまで発展したのは、グラスノ結晶のお陰と言っても過言ではない。その能力は、グラスノ結晶ごとに全く違う。

レシピカード
Recipe Card

世界中に散らばっている、誰が作ったのかもわからない、グラスメルクの合成方法が記されたカード。このカードをゲットすることで、新たな組み合わせで新たなアイテムを作り出すことが出来るようになる。

アルトレカ
Ar ToneliCard

レシピカードを含めた、この世界に散らばっているカード群の総称。アルトレカには、レシピカード、人物カード、敵カード、ひみつカードの四種類のカード体系が存在する。それぞれに通し番号も付いているため、コンプリートしないと気が済まない人達が続出し、ちょっとした社会問題にまで発展している。

テル族
テルぞく/Teru Tribe

塔の中腹、シルヴァホルンの近くに住んでいる種族。ドラゴンとのハーフのような人達で、頭に角があり、尻尾を生やしているのが特徴。第二紀の終焉の時に、エレミアの使徒達と一緒にウイルスからこの地を護った一族でもある。人々が何度もこの世界を崩壊に追いやるのは持て余すほどの文明の力が原因であるとし、人々が塔の探索をするのを阻止する。

A.B.R.
オートブロッカーアンドローテーター/Auto Blocker and Rotator

第一紀の頃、塔の守護をするために開発された特殊戦闘用ガーディアン。全部で三種類有り、それぞれが別々に行動可能。またドッキングすることで更なる強さを得る。本当の名前は「Auto Blocker and Rotator」。変形型自動防護機構。

ハーモニクス
Harmonics

エレミアの使途のみが使えると言われている特殊技能。レーヴァテイルの詩と自らの武器をシンクロさせることによって、共鳴効果のような増幅を起こす。ハーモニクスが発生すると、武器は詩魔法の効果によって、詩魔法はその共鳴力によって、それぞれが飛躍的にパワーアップする。

クラス
Class

ホルスの民がレーヴァテイルの持つ力を認識する時に使う指標。A~Dまでが存在し、中でもAが最も強いとされるレーヴァテイルである。生まれて間もない頃に行われる六角板試験によって判定される。(六角形のグラスノ結晶を肌に当て、めり込めば陽性。そのめり込み具合によってクラスが決定される)クラスという概念自体は単なるレーヴァテイル能力の指標でしかないが、これがもらたす影響は多大である。なぜなら、この判定がAとDでは、生活の保障度合が全然変わってくるからである。

エレミア三謳神
エレミアさんおうしん/Trio of Elemia

エル・エレミア教会のご神体であり、過去に実在したと言われている神様。その名前を「ティリア」「エオリア」「フレリア」と言う。エル・エレミア伝承によれば、彼女たちは謳うだけで世界全体を癒すことが出来たという。全てに於いて、真偽は明らかになっていない。

ダイブ
Dive

レーヴァテイルの心の中の世界「コスモスフィア」に入り込むこと。主な目的は、レーヴァテイルに新しい詩を紡いでもらうため。ダイブをしてコスモスフィアで事件が起こると、その鮮烈な感情は詩を紡ぎ出す。レーヴァテイルは現実世界で一人で詩を紡ぐこともできるが、ダイブを行った方が、その数十倍~数百倍のスピードで習得が可能なのである。

コスモスフィア
Cosmosphere

レーヴァテイルの精神世界の正式名称。

トランキリティ
Tranquillity

「弱延命剤」といわれるもので、詩を謳うことで一時的に失われてしまった生命力を回復させることが出来るアイテム。これの対でダイキリティ(重延命剤)というものもある。こちらが俗に「延命剤」と呼ばれるもので、レーヴァテイル第三世代が、三ヶ月に一度投与されないと生きていけないもの。

猫飴
ねこあめ/Kitty Candy

ほたる横丁の名物。猫飴売りのスピカの専売品。この飴をなめると猫と話が出来るようになる…という噂だが、話が出来るようになったという証言は聞いたことはない。由来は、ほたる横丁の核動力部付近にノラネコが沢山住み着いていて、猫自体がほたる横丁の名物であることからだと言われている。

ほたる横丁
ほたるよこちょう/Firefly Alley

企業天覇による「雲海調査のための学術都市構想」によって生まれた、完全人工浮遊島。最初は研究者が多く住んでいたが、その後様々な人が移住し、現在では空港都市ネモに次ぐ活気有る街と言っても過言ではない。現在は、開発当初の市街である内側の市街地と、現在最も栄えている外側の市街に分かれている。また、一定の大きさで区切りながら都市を拡張していく形式のため、ほたる横丁内の各ブロックは簡単に行き来できない。大抵の場合は、市電(といってもトロッコのようなもの)を使って移動することになる。それぞれの駅を中心に、一つのブロックが有るような形になっている。当初、学術研究都市として作られただけのことはあり、現在でもそれは色濃く出ている。様々な所に様々な研究施設や工場などがあり、ネモとは全く違う雰囲気で活気のある街なのである。

FFTスペクトラム認証
Fast Fourier Transform Authentication

人やレーヴァテイルが発する生体エネルギーを、その波動性分別に分波すると全ての生命は完全に違う周波数成分を持つ。その成分マップを認証鍵として認証するのがFFTスペクトラム認証である。ただ立つだけで認識されるため何の面倒もなく、それゆえ文明の絶頂期には標準的に使われていた認証方法である。身近なところでは家の鍵から重要隔壁に至るまで、この方法が採用されていた。

隔壁ゲート
かくへきゲート/Division Gate

塔は、一番中心から三つの区画に分かれている。そして一番中心の区画と中間区画を隔てているゲートを「A隔壁」といい、中間区画と塔の外壁を隔てているゲートを「B隔壁」という。A隔壁はA1~A9までの九つの隔壁がある。B隔壁も同様だが、一つの数字を持つ隔壁が複数存在するのが常である。ただし、塔がロストテクノロジーとなった今、外壁は徐々に朽ち、B隔壁の殆どは無くなってしまった。

ドッコイ定食
ドッコイていしょく/Dokkoi Set

ほたる横丁の定食屋では有名な定食。とにかくボリュームが大きく、大抵の人は食べられる量ではない。また、内容もバラエティに富んでおり、非常にお得な定食である。ドッコイ定食のドッコイは「どっ濃い(超濃い)」から来ているという噂があるが、定かではない。

ティリア神
ティリアしん/Goddess Tilia

エレミア三謳神の一柱。

ブラストライン
Blastline

プラティナの上空、200ストン程にあるプラズマの海。大昔、大参事「グラスノインフェリア」によって大量の導力が放出され、あまりのエネルギーの大きさにそれがプラズマ化してしまった。生身の人間が中に入れば死は免れない。

ストン
Ston

距離の単位。1ストンは約3mである。これは塔を形成する巨大な石のサイズを1単位としたもの。

グラスノインフェリア
Grathnode Inferior

まだ塔が生きていた頃の世界、第一紀終焉のきっかけとなった大惨事の呼び名。塔から一度に大量の導力があふれだし、それにより大気中にプラズマの海を形成。大地は砕かれ、その巻き上がる噴煙は死の雲海を形成した。

ユーテリア
Yuteria

塔が大惨事で崩壊した直後の時代、第二紀とよばれる文明期に作られた素材。主に建設用材として作られたもので、軽金属である。成分としてグラスノ結晶を大量に含む。第三紀でもこれに近い素材は作られているが、ここまでの純度のものはまだ作られていない。

導力
どうりょく/Symphonic Power

導力エネルギーという。塔を動かすための命の源であり、更には情報伝達能力をも持つ。導力は大気中に非常に低い密度で存在しており、それを吸収する石「唄石」によって濃縮されて力として具現化する。その単純な原理を、無限のパワーまで持ち上げたものが、塔アルトネリコなのである。

唄石
しょうせき/Song Stone

この世界の魔法の源「導力」を吸収し、濃縮する力を持つ、導力充電池のような石。この石を精錬すると、グラスノ結晶とパラメノ結晶が生成される。

フェーナ門
フェーナもん/Pheyna Gate

テル族が「エレミア誓約書」に基づいて創りあげた巨大な門。その目的はホルスの民(下層人間)をクレセントクロニクル、彩音回廊など重要施設のひしめくインプレートより上へ行けないようにするため。

星詠
ほしよみ/Star Singer

この世界の脅威である「ウイルス」の母体、ミュールを封印する役目を負ったレーヴァテイルのこと。星詠はミュールを封印するために、祭壇クレセントクロニクルで一生謳い続けなければならない。彌紗はその31代目。星詠は世界の命運を背負うことになるため人間では力不足であり、故にβ純血種によって行われている。

クロニクルキー
Chronicle Key

「ウイルス」の母体、ミュールを封印するために紡がれた詩。ミュールの魂を眠りに就かせる子守唄のような詩である。現時点で最も新しいヒュムノスであり、第三紀に紡がれた唯一のヒュムノスでもある。彌紗しか謳うことが出来ない。

サーキュラの洗礼
サーキュラのせんれい/Circular Baptism

テル族的に言えば「一度死を迎え、魂となりて塔と繋がる儀式」。その科学的なロジックはウイルスELMA-DSが行っているのと同じ、フリップフロップ変換による、物質化<>情報化を行っているに過ぎない。もっとわかりやすく言えば、テレポートである。

石木
せきぼく/Stonetree

テル族の町イム・フェーナを形成する、成長する石。石自体が自我を持っていて、強い想いに反応して、その想いを形作る。ただし、成長速度がかなり遅いため、相当長い間かけて同じ想いを紡がなければ、ちゃんとした形にはならない。それ故、人間に石木を思い通りに成長させることは難しい。イム・フェーナの建物は全部石木で造られている。そしてその家の一軒一軒は全て、その家の主人の思い描いた家の形になっているのだ。

エレミア誓約書
エレミアせいやくしょ/Elemia Oath

第一紀、第二紀崩壊のきっかけとなった、持てあますほどの塔の力の乱用を防ぐために出来た、いくつかの規則と使命を綴った書物。第二紀終焉時に人類の滅亡を防いだエレミアの使途たちと、それに協力したテル族との間で交わされ、それぞれ使命を持ちプラティナとイム・フェーナに住んでいる。テル族が人間を塔に近づけさせないのもフェーナ門を築いたのも、すべてこの書物に従っているのである。

ヒュムネコード
Hymmne Code

レーヴァテイルについている識別子であり、いわゆるパスワードでもある。例えば、塔をコントロールする時、ヒュムネクリスタルをダウンロードする時など、塔や詩魔法に関係することを行うためには、大抵これが必要となる。そのため、レーヴァテイルは自分自身でもヒュムネコードを知らず、それを知るためにはコスモスフィアに入り、探し出すしかない。ゆえに、ヒュムネコードを知るためには、そのレーヴァテイルから一定以上の信頼を得ないとならない。

ダウンロード
Download

ヒュムネクリスタルの持つ詩の「想い」を、レーヴァテイルの心の中に落とし込むこと。手続きにはヒュムノスワードによる呪文を唱える必要があり、その中にダウンロード先のレーヴァテイルのヒュムネコードも必要。これによって得るものは、詩のメロディなどの具体的なものではなく、色も形もないその詩の「想い」である。その鮮烈な想いを心の中に落とし込むことで、ダウンロードされたレーヴァテイルは、自らで詩を紡ぎ出すのだ。ゆえに、同じヒュムネクリスタルをダウンロードしても、違うレーヴァテイルなら全然違う詩になるのである。

ホルスの翼
ホルスのつばさ/Wings of Horus

第三紀と呼ばれる現在において、唯一土の大地を残した浮遊大陸。その大きさは北海道くらいであり、翼を広げた鳥のような形をしていることから、ホルスの翼と呼ばれるようになった。現在、ホルスの翼には空港都市ネモを中心に、数万人の人が住んでいる。最も辺境に位置する村がカルル村で、それよりも遠いところは現在開拓されていない。

クレセントクロニクル
Crescent Chronicle

ウイルスの母であるミュールを封印しておくための祭壇。クレセントクロニクル自体は単なる祭壇であるため、これだけでは封印効果としては弱い。これに彌紗の謳うクロニクルキーが載った時、初めて強力な封印となって、ミュールは眠りの淵に落ちるのである。クレセントクロニクルはパイプオルガンのような形をしているが、これは彌紗の謳うクロニクルキーを集音し、その詩でこの祭壇を取り囲むように共鳴させるためである。

β純血種
ベータじゅんけつしゅ/Pureblooded β-Type

混じりけのない、100%レーヴァテイルといえばβ純血種である。完全にクローンとして遺伝子から組まれ生まれる。その能力は安定して強く、人間とレーヴァテイルとの混血である第三世代とは比較にならない。ただし、必ずしも第三世代より全部が強いわけでもない。第三世代の場合、偏って極端に強い力を発揮する分野が出来たりするのだが、この突飛な力には敵わないことが多い。現在、β純血種は彌紗を含めて非常に稀にしか存在しない。

第三世代
だいさんせだい/Third Generation

レーヴァテイルと人間との混血で、更にレーヴァテイルとしての能力が顕在化した人のことを第三世代という。第三世代は寿命が極端に短く、普通に生活していれば20歳を迎える前に死んでしまう。延命すれば普通の人間と同じ年を生きられるが、そのためにはダイキリティといわれる延命剤を定期的に取り込まなければならない。

核動力部
かくどうりょくぶ/Central Power Generator

ほたる横丁を浮かせている機関のこと。フリッパーと呼ばれるディスクオルゴール盤のようなグラスノの板が回転することで、この島全体の浮力を得ている。これが落とされてしまうと、ほたる横丁は数十分と持たない。

パワーシリンダー
Power Cylinder

天覇が開発した大規模導力起動用グロースタータ。これをソケットに挿し込むと、その瞬間強烈な充導が起こり、瞬間的にもの凄い強烈な導力を発することが出来る。それによって導力エネルギーを使うメカの起動をスムーズに行える。ただし、使用中はパワーシリンダー自体が動力のメインルートになる上、着脱可能であるため、セキュリティ的にはあまりよろしくないといわれている。

延命剤
えんめいざい/Life Extending Agent

延命剤にはトランキリティ(瞬間延命剤)とダイキリティ(重延命剤)が存在するが、一言「延命剤」と言われる時、それの指すものは「ダイキリティ」と呼ばれる重延命剤である。トランキリティは、詩を謳って一時的に失われた生命力を回復させるもの、ダイキリティは恒久的に減っていく生命力を持ち上げるものである。ゆえに、延命剤(ダイキリティ)の投与がされていないレーヴァテイルにトランキリティだけを投与しても回復はしない。

モンダカバブー
Mondakababu

オリカだけが知っていた謎の食材。スクワート地方に生息する植物であることは分かっているが、現在スクワート村の生き残りは殆どいないため、この植物自体の存在が謎に包まれつつある。

ババンゴ
Babango

世界一凶悪な食材と言われているもので、強烈な毒を持つ。しかし毒さえしっかり抜いてしまえば最強に美味しい野菜で、畑のティラミスと呼ばれている。形は玉ねぎのような球根野菜だが、その味は似ても似つかない。

インストールポイント
Install Point

レーヴァテイルなら必ず体のどこかにある、紋章のようなタトゥ。発生位置はレーヴァテイルによって異なるが、全てのレーヴァテイルはこのインストールポイントからグラスノ結晶や延命剤を取り込むことが可能である。このタトゥの形から大体のレーヴァテイルの派生がわかり、近い模様をしているレーヴァテイル同士は子孫が近いということになる。

「謳姫と守護者」の像

うたひめとしゅごしゃのぞう/Statue of "Singer and Protector"

エル・エレミア伝承と共に語り継がれている像。

「遥かなるときより謳姫その謳う声在らば、そこに護りし者在り。
西から風吹けば西に、東より雨降れば東に。その身朽ちても姫護らん。
謳姫されど委ね信頼の絆ありて、初め世界を癒し潤す風…導けり」

という伝承詩と共にあり、その詩の通り、レーヴァテイルの能力を発揮するためにパートナーである騎士の力が必要であることを説いている。エル・エレミア伝承を信奉する教会のみならず、この世界の絶対的なシンボルとも言えるものである

ナビテ・カプ
Nabite Cap

テル族に伝わるロスト・テクノロジーの一つ。導力エネルギーを大量に蓄えることができる。グラスメルクで作れるパワーソーサーやボルタポルタも同じような役割を持つが、その蓄導力は1000倍では済まない程に強い。テル族の掟に従い、フラウトは今まで封印してきていたが、世界全体が一つになるという想いを受け、ナビテ・カプの封印を解き作ることを決意した。

FFTディバイダ
Fast Fourier Transform Divider

一つの素体に二つの異なる意識が入り込んでいる場合(分かりやすく言えば憑依されている場合)、その意識を分離させることができるアイテム。FFTとは、人間やレーヴァテイルが持つ固有の波動「FFTスペクトラム」を指す。そのスペクトラムを分解し、身体の遺伝子と合わない方を排除するという役割を持つ。

オリジン
Origin

レーヴァテイル・オリジンと言われている、レーヴァテイルの中でも最も強力な種。全世界に三体しかいないと言われている。そしてその一体がシュレリアである。オリジンは無限の生命力がある。その源は塔、アルトネリコである。もともとレーヴァテイルという種は、塔と同調し、塔そのものとなるべく作られた、人間型の塔インターフェイスなのである。それゆえ、オリジンは自分の魂である塔が沈黙しない限り、朽ちることはないのだ。基本性能は他のレーヴァテイルとは比較にならないほど強い。塔とのコンタクトがとれるため、いつでも塔の力を引き出すことが出来る。ゆえに、ガーディアンを呼び出したり、情報プログラムを具現化させることも容易い。また、全てのレーヴァテイルに遺伝子を分け与えている、クローンマスターでもある。オリカやミシャは、シュレリアの血を受け継いでいる。

アーデルベルグ緩衝帯
アーデルベルグかんしょうたい/Ardelberg Buffer Band

純度100%のアーデル結晶という素材で作られた、正八面体のクリスタル。その役割は強力な導力の逆流を防ぐことである。半導体と同じで、導力を片方向にしか流さないのだ。太古の昔、塔がまだ生きていた頃、魔法の力は塔の上側、現在のブラストラインにあった四枚のグラスノ盤から放出されていた。その導力はあまりに強大で、万一それが逆流し下に戻ってしまうと大変な被害となる。そのため、導力の流れが一方通行となるアーデル結晶を用い、逆流を防いでいたのだ。何かを生み出しているわけではないが、この塔の命綱として最高に大切な施設である。

導力プラグ
どうりょくプラグ/Symphonic Power Plug

第三紀で「使途の祭壇」と呼ばれている場所の正式名称。本来は塔の大動脈であり、地上からグラスノ盤へ駆け抜けるメイン導力ラインの終着点。要するに導力プラグという場所はLANケーブルのコネクタであり、そこは塔の超高速回線がむき出しになっている場所なのである。ウイルスが決まってここから出てくるのは、膨大なデータ量となるウイルスの具現化情報を高速に転送して、フリップフロップ変換をさせることが可能なためである。

MULEプロジェクト
ミュールプロジェクト/Mule Project

天覇に在籍していたボルドが進めていた計画。レーヴァテイルから自由意志を剥奪し、邪念を無くすことで詩魔法の精度を上げる、そして従順な兵士とするための計画。最初にこれを行ったのは第二紀の末期である。ボルドは塔の中を探索している最中に、偶然これに関する資料を見つけてしまったのだ。

飛空艇「グングニル」
ひくうていグングニル/Airship "Gungnir"

エレミアの使途、ホルスの民、テル族、レーヴァテイル。全ての種族の技術力や力を集結させて完成した飛空艇。その性能たるや、今までの何よりも優れており、不可能だったブラストライン越えも難なくこなせる。天覇社長、亜耶乃はこの飛空艇を「世界の宝」と言った。

プラズマベル
Plasma Bell

重力場不安定装置。ホルスの翼が浮いているのは、これのおかげである。ベルから半径3万ストンくらいを守備範囲とし、その範囲の重力場を制御する。昔は二つ存在したが、第二紀に片方が割れ、ホルスの翼は半分になった。プラズマベルは、この世界の人々の命を支える重要な施設である。ゆえに、ここには特殊なガーディアンがいる。それがメイメイの亜種である「カナデ」と「マイ」である。彼女たちは戦巫女の姿をしていて、この世界有数の超強力戦闘兵器として存在している。

神の咆哮
かみのほうこう/Roar of the Gods

「導力エネルギー」のこと。テル族は導力とは言わず、神の咆哮と言う。

ELMA
エルマ

シュレリアのガーディアンとして存在しているメカ動物。フリップフロップ変換を自在に行えるため、シュレリアが呼べばどこでも具現化出来る。実は甘えん坊。

・アルトネ2用語

I.P.D.
Infel Phira Dependency

レーヴァテイルに感染する感染症として恐れられている。発症すると、詩魔法などを暴発し、周囲を巻き添えにしながら自分自身も身を滅ぼす。性質としては「陽性」と「陰性」の2種類がある。「陽性」は、とにかく詩魔法を暴発し、周囲を火の海し、自分もその炎の巻き添えになり死亡する。「陰性」は、その場で高熱を出して倒れ、動かなくなる。しかし陰性の場合この瞬間半径数十ストン(1ストン=約3m)に及ぶ範囲でレーヴァテイルにI.P.D.を伝染するという厄介な状態になる。新たなI.P.D.を作り出すという点で、陰性の方がよりたちが悪いと言えよう。I.P.D.感染は、陰性発祥の巻き添えを除けば、その殆どがレーヴァテイル質の開花と共に発症する。これはI.P.D.の自然発症と言われる症状で、遥か昔から存在する先天性の物である。I.P.D.の症状が発症した場合、大鐘堂の騎士団に引き渡し、保護してもらう事が義務付けられている。これは、町の治安を護るためとして、仕方なくではあれ、国民全員が納得している事である。

メタファリカ伝説
メタファリカでんせつ/Metafalica Legends

遥か昔、第一紀と呼ばれていた頃から存在する理想郷伝説。謳うことで、桃源郷のような大地をこの世界に呼び出すことが出来、それによってメタ・ファルスの民が何に困ることなく平和に過ごせるようになる、という伝説である。それを実現する為に生み出されたのが、ヒュムノス「メタファリカ」なのである。このメタ・ファルスという地域ではもう何百年もそのメタファリカを夢見て頑張ってきている。この痩せた人工の大地しかない場所に住んでいるからこそ、その想いもまたひとしおなのだろう。

メタ・ファルス
Meta Falss

メタ・ファルス地域。この呼び名は700年以上昔に栄えていた第一紀と言われる文明の時代から呼ばれている、世界の一地域名である。当時、メタ・ファルスには、世界に名だたる先進的な理想国家があったと言われている。この地域の人達は、その事を今でも伝承のように語り継ぎ、そしてささやかな誇りとして生きている。今では土の大地すら存在しない、人工的な大地の上に存在する地域の名称でしかない。

レーヴァテイル
Revateil

謳うことによって、様々な超常的な力を発することが出来る種族。基本的に女性しか存在しない。見た目は人間と何も変わらないが、必ず身体のどこかにインストールポイントというタトゥが存在する。レーヴァテイルは、レーヴァテイルとして生まれてくるのではなく、人間として生まれてきた後にレーヴァテイルとして発症するという形になる。発症するか否かは本人が持つレーヴァテイル質の濃さや、偶然性など色々な要素があるが、基本的に先天的にレーヴァテイル質を持っていることが必須条件となる。レーヴァテイル質が発症すると、レーヴァテイル質が人間としての生命力を喰らい始めるため、何も処置無しでは三ヶ月程度しか生きられない。そこで、レーヴァテイルは三ヶ月に一度、延命剤というクリスタルをインストールポイントから入れてあげる必要がある。メタ・ファルスでは、レーヴァテイルという存在は比較的敬われている為(その理由は、メタファリカ伝説にはレーヴァテイルの存在が必須で、御子もレーヴァテイルである為)ダイキリティと言われる延命剤が、政府機関から支給される。 こうして、レーヴァテイルになると生きていくことが困難になる代わりに、もの凄い力を行使する詩魔法を使えるようになるのである。蛇足ではあるが、ごくごく一部の、原初の創られしレーヴァテイルに限って言えば、延命剤なしで100年以上生きられるという。

大鐘堂
だいしょうどう/Grand Bell Hall

この地メタ・ファルスを治める政府機関。歴史は700年余りであり、教皇と御子という二つの顔をトップに置く組織である。教皇は主に政治を、そして御子は神の声を聞く役割として、その最高の権力を有している。 大鐘堂はこの地を安定させるために政治を行う事が役割ではあるが、民衆の総意としてメタファリカプロジェクトを推進する機関でもある。メタファリカを謳うためには神の力が必要である、という事が常識となっており、代々御子は神の声を聞きながら、メタファリカ実現の時を待ち続けてきていた。しかし、20年前にクーデターによってアルフマン政権が発足すると、すぐに体制を180度転換し、神との戦闘を掲げるようになる。アルフマン政権は、神こそがメタファリカの実現を妨げる最大の原因とし、自らの手によってメタファリカを紡ぐことを宣言したのだ。数百年何の変化もなく、半ば諦めていた民衆にとって、この事件はセンセーショナルであった。それ故に、その政権の勃発が是か非かよりも、このだれきった世の中に投入された大きな刺激自体を、民衆は喜んで受け入れる結果となったのである。

パスタリア
Pastalia

この地に人が住み着いたとき、一番最初に出来た街がこのパスタリア。塔を取り巻くように創られているため、人が増えるたびに縦に伸びることしか出来ず、縦に長い都市となっている。この自然のない世界でも、比較的水と緑に恵まれているのは、下にある鐘部に溜まっている雨水を常時揚水歯車によっててっぺんまで汲み上げているからである。この都市は、こうした人工的な水の循環によって、人が住める場所を構築している。それ以外にもパスタリアには、スパイラルと言われる市電やエアバスという飛空艇、また、余り使われないが、パスタリア縦貫昇降機といった、縦方向に強い様々な公共交通機関によって支えられている。

テレモ
Telemo

メタ・ファルスの音科学が作り出したフォログラフ付きの電話のようなもの。テレモには、個人で使える双方向テレモと、街の広場に設置されている単方向の公衆テレモの二種類が存在する。双方向テレモは、設置型のフォログラフ付きのものと、携帯型のものが存在する。双方向テレモは、大鐘堂騎士隊には全員に渡されており、これによって、いつ如何なる時にでもI.P.D.暴走の緊急出動を可能としている。その他にも、公衆テレモは大鐘堂の公開演説などを流す為に使ったり、政府広報や広告などに使われたりする。

ラクシャク保養地
ラクシャクほようち/Rakshek Resort

保養地と言えば、つい最近までは大鐘堂エナ宮殿と呼ばれるところだったが、18年前のI.P.D.暴走で全焼しその後、ラクシャク郊外に新たな保養地が建設された。それがラクシャク保養地である。エナ宮殿ほど大きくはないが新しいだけあって快適。利用したのはクローシェが初だが、利用できたのは結局クローシェのみだった。

詩魔法
うたまほう/Song Magic

レーヴァテイルが心の中で紡ぎ、それが具体化して発動するものを詩魔法という。広義での詩魔法とはヒュムノスも含まれるが、一般的には狭義で定義される、戦闘などで使われる攻撃魔法や回復魔法の事を指す。(狭義で言うところの)詩魔法は、レーヴァテイルが心の中に強烈な想いを宿すと、それが具現化し、詩魔法となる。現実世界でそれ程の強烈な想いや感情を紡ぐのは、相当なこと(肉親の死別などの衝撃的な何か)が無いと難しいが、それを簡単に行えるシステムとして「ダイブ」というものが用意されている。ダイブによってレーヴァテイルの精神世界に入り込み、その中で様々な未完了や心の傷を癒すことにより、現実世界で詩を紡ぐよりも遥かに簡単に詩を紡ぐことが出来るのである。

神聖政府軍
しんせいせいふぐん/Sacred Army

アルフマンがクーデターを起こす前にあった、教皇を中心とする大鐘堂の体制を「善きもの」として活動する組織。元々は、一人の男が同志を連れて活動をはじめたものだが、現政府に反発する人達が彼の呼びかけに応え徐々に規模を大きくしていった。そしてその噂はこの世界中に広がり、ついには教皇の末裔と呼ばれる男タルガーナまで現れ、それによって神聖政府軍は大きく飛躍していく。当初は大鐘堂も、単なる地下活動としてしか認識していなかったが、教皇の血筋が現れたと知り、更に神の勢力が加担したと知ると、無視は出来なくなってくる。そんな緊迫した状況の中で、例のラクシャク保養地襲撃事件が勃発するわけである。神聖政府軍は、タルガーナ皇太子を筆頭とする勢力ではあるが、実質的なトップはチェスターである。彼が色々と算段をし、大鐘堂を駆逐すべく暗躍する。神聖政府軍の目的は、大鐘堂の奪還であるが、それ以上に大切な目的も存在するようだ。

御子
みこ/Maiden

この世界で最も尊い命と言われている大鐘堂の抱える女性。御子は「神の声」を聞くことが出来るため、神の存在が絶対であったこの世界において実質トップとも言える存在だった。御子の役割は様々だが、最も大きな目的は、詩によって理想郷メタファリカを創造すること、である。他の目的も、大方その理想郷創造に付随するものである。

交易都市ラクシャク
こうえきとしラクシャク/Trade City Rakshek

300年ほど前に開拓された街。リムの崩落した場所に形成された街で、その崩落した部分に残る梁の上に家などを築いている。ラクシャクは「ラクーシャを讃える街」という意味がある。ラクーシャとは数百年ほど前の御子のことであるが、リムにスフレ軌道を開通させるという偉業を成し遂げた御子である。スフレ軌道のお陰で人々は、古都エナからラクシャクに移り住む事が出来、資材も運べた為に大きな町へと発展させることが出来た。 街の中心「軌道広場」にある女性の像は、その御子ラクーシャの像である。現在は、その都市の特性上、空の便の係留停泊に大変適しているため、交易の要所として栄えている。

ダイバーズセラピ
Dive Therapy

ダイブを応用し、レーヴァテイルが自らのコスモスフィアにダイバーを招き入れ、そこに仮想世界を創ることで夢の中の楽園で楽しませること。この世界では癒しの手段として、比較的古くから存在している技術。セラピストは自らのコスモスフィア内に見ず知らずの人を入れるため、自分の本当の精神世界とお客様を入れるサービス空間を隔てる為の訓練を行っている。それを行わないと、セラピストの予期しない災害が発生し、またセラピスト自身のプライバシーも殆ど無くなってしまう為である。セラピストは、サービス空間に入れたお客様を、プランに従う形で癒していく。そのプランは事前にレストラン等で打ち合わせをすることで行い、セラピストは最大限お客様の意に沿った世界を作り出す為の努力をする。セラピストはセラピスト協会に加盟する必要があり、それによってお客さんを斡旋してもらう。セラピストによって、コスモスフィア内でやれることが違うので、セラピスト協会のマネージャー(例えばラーおばさん)が、ニーズに答えられる人に分配していく形になる。例えばルカはいかがわしいことは一切しないが、ノノは多少ならOKという感じで、セラピストごとにポリシーも違うため、この協会のシステムはとても重要なものになっている。

ダイブ
Dive

レーヴァテイルの心の中(コスモスフィア)に入り込むこと。ダイブという行為自体はこの説明で終わりだが、ダイブをする目的はというと、様々なものが存在する。一つは強い詩魔法を手に入れること。ダイブをしている最中に、心の中に劇的な出来事が発生すると、レーヴァテイルは詩魔法を紡ぎ出す。これは、心の中の深いところで紡ぎ出した詩魔法ほど強い魔法として具現化するが、その為にはレーヴァテイルとダイバーとの関係が深くなっていかねばならず、必然的に二人の絆を強める必要が出てくる。故に、強い魔法には強い絆が必要なのだ。

ダイブ屋
ダイブや/Dive Shop

ダイブを行える場所。ダイブは他人の精神世界へ介入するという高度な技術によって為し得るもので、それ相応の大がかりな機材が必要となってくる。また、ダイブ中の事故などに備えて、しっかりと訓練されたダイブマシンのエンジニアが必ず付き添うことになっている。メタ・ファルスでは、テル族がその持ち前の能力と知識からダイブ屋を創業した。

コスモスフィア
Cosmosphere

レーヴァテイルの精神世界のこと。コスモ(小宇宙)スフィア(空間)でコスモスフィアである。ここには、レーヴァテイルの記憶、過去の傷、性格、性質、本性など様々なモノが入り交じって存在している。コスモスフィアには顕在意識から潜在意識まで、浅いところから深いところまでの階層が存在し、それぞれの階層にテーマが存在する。そのテーマは、レーヴァテイルごとに全く違うもので、そのレーヴァテイルにとって表面的な事象は浅い層、自分も意識していない深いものは深層に刻み込まれている。平均的なレーヴァテイルのコスモスフィアでは、浅い層に記憶、心の傷、表面的な性格などが有り、奥へ行くと自分もわからない無意識上の性質、本質などが存在している。

クリティカルダウン
Critical Down

事象的に言えばダイブ中にレーヴァテイルがダイバーを拒絶し、自らのコスモスフィアから追い出してしまうこと。原理的に言えば、レーヴァテイルとダイバーの意識する精神周波数が著しくずれてしまい、同調できなくなってしまうこと。これが起こってしまうと、ダイバーは最悪命の危険を伴うことになる。ダイブ屋業界では「喰われる」と表現したりもするが、まさに、レーヴァテイルがダイバーを喰ってしまうのである。簡単に言えば、レーヴァテイルがダイバーを拒絶し、その精神がズタボロになるまで叩き続けている状態と言ってもいい。この場合、強制的なダイブマシンの緊急停止により、ダイバーを救出する。ダイブ屋には、クリティカルダウンの監視と、それが発生したときの救助が義務づけられているのである。

プロクシダイブ
Proxy Dive

レーヴァテイルのコスモスフィアの中に、仮想的にダイブマシンを設置し、それを使って更にダイブすること。現実から見たら「孫」に当たる世界を創り出す。プロクシダイブの利点は、孫世界で起こった全てのことを、その親世界(セラピストの世界)が完全にコントロールでき、孫世界を完全なる支配下に置くことが出来る、という所にある。プロクシダイブは、ダイバーズセラピの技能の一つだが、あまりに難しいため、出来る人はごくわずかである。これは、セラピストがダイブ屋並みのダイブ知識を有する必要があると共に、自らの精神世界の中に、一時的とはいえ作為的に精神改ざんが発生する為(仮想ダイブマシンは外的プログラムにより、精神の特定アドレスに強制配置される為)、それを拒絶してしまうセラピストも多いためである。

グラスノ波束
グラスノはそく/Grathnode Waves

厳密に言えば、導体D波という波のエネルギー量の事で、これが大きいほど人体に与える影響が大きい。巧妙に調整された導体D波(=グラスノ波束)を高エネルギーで一点に集中させて出来たものが詩魔法である。ダイブ屋でグラスノ波束は、相手に与える影響の大小を決定づけるために重要な要素となる。ダイブが高レベルになる程、高密度のグラスノ波束を必要とする。ダイバーズセラピでは、波束を大きくするほど相手に与える作用が大きくなり、極端な話上手く調整すれば洗脳も可能である。しかし、そこは決して行ってはならない事として、ダイバーズセラピ業界ではグラスノ波束の上限を決めている。

心の護
こころのもり/Mind Guardian

レーヴァテイルの心の中にいる意識体。普段、レーヴァテイル本人が気に入っているものや、思い入れの深いものなどが心の護になる。大抵は、小さい頃に大切にしていた人形や、思い出の品が擬人化したものになる。心の護は、その名の通り、レーヴァテイルの心の中で他人が暴れたりしないように監視している他、様々な手続きをこなしたり、ダイバーを安全に案内したりする役割がある。ただし、I.P.D.に感染すると、心の護が消えてしまうと言われており、実際にそれは確認されている。

スフレ軌道
すふれきどう/Souffle Axis

15代目の御子スフレによって提唱された、リムを一周できるような鉄道。実際に建設したのは、16代目ラクーシャの時代だが、提唱したのはスフレである為、ラクーシャはスフレ軌道と名付けたのである。最初に創られたのは、エナとむらくも桟橋の間で、後にそれが延長され、現在のラクシャクまで到達する。ラクシャクは当時誰も住んでいない崩壊地だったがスフレ軌道のお陰で、ラクシャクに都市が形成されることになる。その後、約束の丘~カナカナ突堤までの全計画線が開通した。しかし、それからしばらくの後に、ミント区~カナカナ突堤間は大鐘堂によって廃線とされた。

レシピカード
Recipe Card

アイテム調合が出来るお店で、その店の主人が自分の開発した商品の作り方を記しているカード。基本的にこのレシピカードに沿ってアイテムの調合を行うが、かなり曖昧な感じに書かれていることが多く、それ故に出来上がりは実際に制作する人次第という感じになっている。すなわち、作り手のセンスが大いに要求されるという事である。

チェロ、ヴィオラ月
Cello Moon, Viola Moon

この世界に存在する二つの月。チェロ月が紫色の大きな月で、ヴィオラ月が金色の小さい月。チェロ月は豊穣と母性の象徴と言われており、ヴィオラ月は革新と探求心と勇気の象徴と言われている。

デュアリスノ結晶
Dualithnode Crystal

グラスノ結晶を元に創られた、合成結晶。グラスノ結晶をレーヴァテイルにインストールする(延命剤のように直接身体に入れる)とレーヴァテイルがパワーアップする事はこの世界では周知の事実だが、大変な苦痛を伴う事もあり、積極的になされることはなかった。 しかし、レーヴァテイルを尊重する地域ならではとも言える、苦痛を伴わないパワーアップ方法を発見した人がいたのである。その時に発明されたのがこのデュアリスノ結晶。これは、波動荷浸透方式といわれる方法で、液体伝播によってインストールポイントにパワーアップのエネルギー(導体D波)が影響するものである。それ故、グラスノ結晶に比べ、デュアリスノ結晶は波束密度が極端に高い。これは、グラスノ結晶の特性である、一定の流量を超える波動エネルギーを放射する性質を使って液体伝播をさせているためである。尚、強力な歪め方をするデュアリスノ結晶は、激しく強力なドーピングが可能であるがそれ故大きな危険も伴う。その副作用の中でも最も危険なのが、デュアルストール中の過剰影響である。波動が強すぎて、本来変化させてはならない部分の導体D波までをも狂わせ、酷いときには死に至る。たっぷりの湯に、結晶の数が少ない状態なら問題ないが、結晶の数を多くしたい、もしくは風呂が小さい場合は波動荷の分散をするしかない。波動荷は電気抵抗の並列接続と同じ理屈で分散されるため、その場合、レーヴァテイル複数人で入るのが得策である。

ミント区
Mint Block

今ではもう昔のことになってしまい嘘か真かはわからないが、熱狂的な理想郷メタファリカの信者達が自分たちの力でメタファリカを作り出そうと決意し開拓した地、と言われている。一部では、とある時代に御子様に木の種を渡されて、これを育てなさいと言われたとも伝えられている。噂の程はさだかではないが、今でもミント区には「みくりの守り神」という伝承が伝えられている。ミント区はみくりの森にいる守り神様が護ってくださっている、という伝承であるが、実際ミント区の人達がみくりの森の木の実や山菜を採って生活をしているのは確かで、この伝承も事実から脚色されたものではないかという考え方が現在では最も有力な説となっている。

リム
Rim

パスタリアの周りをぐるりと取り巻いている三日月状の大地の事を、総称して「リム」と呼ぶ。リムにはエナやラクシャクといった大都市が点在している他、コンダクターアクティベーションなどのロストテクノロジーも豊富。全体人口における割合も、パスタリアとリムでは、リムの方が圧倒的に多い。これは、パスタリアが厳しい人口規制を行っているからである。人々は最初塔に住み始め、ある事件をきっかけに逃げた人達がリムに移り住んだとされている。それがいつの頃なのか、そしてその事件が何なのかは謎に包まれている。当時のリムには草木一本生えていなかったどころか、土すら無かった。それを考えれば、ここまで緑を育むのには相当な努力があったことをうかがい知る事ができる。

ダイキリティ
Diquility

通称「延命剤」と呼ばれる青いクリスタル。レーヴァテイルはこれがないと、三ヶ月程度しか生きることが出来ない。これは、レーヴァテイルの性質が、人間の生命力を消費して生きている為である。ダイキリティはその生命力を代替し、レーヴァテイルを延命するのである。

エナ宮殿
Enna Palace

遥か昔に立てられた豪壮な建築物。近年では大鐘堂直轄の保養地であるが、建てられた当時は大鐘堂と敵対する、リム側の政治組織の中枢として使われていたと言われている。昔、大鐘堂から逃れるようにリムに移り住んだ人達が、大鐘堂に縛られない国家を築き上げたと言われているが、その時に創られた宮殿とのことである。とても歴史が古く、老朽化で崩れかけるたびに補修をしながら使い続けてきたのだ。しかし18年前、大規模なI.P.D.暴走が宮殿内で発生し、宮殿は全焼。その長い栄華の時代に終止符が打たれた。

古文化の街エナ
Enna Town

エナ宮殿の周りに人々が住み、それが街になったのが始まり。この地ではパスタリアの次に歴史のある街ではあるが、パスタリアがすぐに崩落を起こしたり、どんどん外側に開拓していくため、見た目はエナの方が遥かに古い町並みのように見える。エナ付近は非常に安定しており、数百年に渡り崩落も一度も発生していない。それ故、今このメタ・ファルスの中で、最も古い建築物がひしめき合う街となっている。現在では大鐘堂と敵対する「神聖政府軍」が、エナ宮殿の一部を改築して本部としており、街の人達も、伝統と格式ある教皇政治を立て直すという神聖政府軍の支持者が多い。街の人達の伝統を重んじる気質と、政府軍との相性は良いようである。

ヒュムノス語
ヒュムノスご/Hymmnos

詩魔法を唱えるときに使う言語。この言葉が詩に力を与える源になる。通称「想いの言語」とも言われており、単語や言葉以上に、その謳い手の想いが相手のレーヴァテイルや、詩魔法の力の源である「塔」に伝わる。言葉を耳で聞くだけの普段の言葉とは、この辺に大きな違いがある。それ故、ヒュムノス語の単語には、一つの単語に様々な意味が秘められている。それは、その単語が具体的な何かを表すためのものではなく、謳っている者の想いを伝える為のものだからである。ヒュムノス語には、地域特性や歴史、文法の違いなどから多数の流派が存在する。その中でも「中央正純律」というものが世界の主流として存在する。しかし、このメタ・ファルスという地域では、それよりも「古メタファルス律」という独特の流派の方が主流となっている。

神の加護受けし御子
Goddess Maiden

大鐘堂の正統なる御子の正式名称。神の声を聴く御子は、神の加護を受けている、というのがその名前の由来。今作ではチェスターがルカに向かってその名前を呼んでいる。

チェロ三光ヴィオラ七雨の月
さんこう、ななう/Cello 3rd Light, Viola 7th Rain

メタ・ファルスの世界では、普通に使われている月齢以外にも、誕生日や特別な日などに主に使われる、特殊な日付の呼び方が存在する。それがこのチェロ三光…などと呼ばれる「双月輪」という呼び方。これは、チェロ月とヴィオラ月の公転周期から作られたもの。呼び方は「月の名前+満ち欠け度合+表裏」によって表現されている。例えばチェロ三光ヴィオラ七雨とは、チェロ月が三日欠け状態で、時間としては空に昇っている時間帯、ヴィオラ月は七日欠け状態で、空に昇っていない(星の裏側にある)時間帯であることを表している。

ゲロッゴ
Gergo

メタ・ファルスの若い女性に大流行中の癒し系キャラ。カエルなのか熊のような動物なのか、その微妙にどちらとも見れるスレスレのイケてなさ感がたまらないとのこと。主に裕福なパスタリアで流行っている。この手の商品につきものの姉妹品企画も過去に何度かされており、それもゲロッゴリラ、ハゲロッゴなど、とんでもないネーミングのものである。また、売れればパチモンも多く出回る。その中でファンの心理を最も逆撫でしているのが「ゲロシゴ」と呼ばれているパチモンである。

パスタリア昇降機
しょうこうき/Pastalia Elevator

縦に長いパスタリアには、各エリアを繋ぐために「縦貫昇降機」というものが存在する。これは、大鐘堂の内側に存在する「テルミナ」というターミナルフロアをベースとして、パスタリア内部のあらゆるところにスムーズに移動できるように設計されている。昇降機には番号が振ってあり、壱番機から九番機まで存在する。その番号の若さが、歴史の古さと言っても過言ではない。

ジャトラ1A
Jetra 1A

旧市街地(スラム)における一地域名称。旧市街地は、既に公認としての居住区域ではない。それは、この地域が崩落を繰り返しており、住むには危険すぎる場所のためである。パスタリアは、塔の老朽化や、強引な建て増しのためにすぐに崩落する。こうして崩落したところは人が住めなくなり、旧市街地と呼ばれるようになる。そんな旧市街地には、市民権を得られない人達や、ラボから逃げてきたI.P.D.達が住んでいる。彼らや彼女らにとってはここしか住むところがないのだが、大鐘堂は旧市街地に対しての生活扶助などは一切してくれない。ここは既に、パスタリアの外なのである。

再発
さいはつ/Relapse

一度おさまったI.P.D.暴走が、何らかのきっかけで再度発症してしまうこと。再発の原因は断定はされていないが、I.P.D.に一度でも感染してしまったレーヴァテイルが、極度に感情を高ぶらせたときに再発しやすいという事が判っている。特に負の感情に関しては顕著で、怒りや失望から再発をするレーヴァテイルも少なくはない。

ブロッキング領域
Blocked Field

コスモスフィア内の一定の領域に、他の領域との壁を創ったその内側の領域。ダイバーズセラピを行うセラピストは、これをある程度自力で行うことが出来るが、そうでないレーヴァテイルの場合、ダイブマシンから作為的にシールドを挟み込んでブロッキング領域を創り出す。隔離された領域では、そこで何が起きても他の精神に支障を来さなくなる。ダイバースセラピによるI.P.D.感染体の治療では、感染によって汚染された精神部分を解析し、そのエリアを外的ブロッキングによって遮蔽し、その中で荒療治を行うことで発作的に高揚した精神を静める。

D波ショック
D-wave Shock

ダイバーズセラピによるI.P.D.などの治療における、もっとも荒療治で最後の手段。D波とはグラスノ波束の事で、一瞬だけそのグラスノ波束を普段の200倍以上の強度で流し込むことによってショックを与える。これを行うと、患者の精神体は一瞬完全に麻痺し、仮死状態となる。その後の一定期間、精神体には変化が発生しないため、その間に感染源を突き止めたり、恒久的な予防策を張ったりする。また、I.P.D.治療中にセラピストが死の危機に直面した場合にも、D波ショックにより逃れることが多い。ただし、精神力が弱っているレーヴァテイルにこれを行うと、そのままコスモスフィアが吹き飛んでしまい、永遠に目を醒まさなくなってしまうこともある。

大賢者ジャザ
Philosopher Jaza

第一紀と呼ばれる時代、この世界が大惨事によって大地を失った丁度その時代に生きていた賢者。そして、この地にパスタリアを築き、第一代目の教皇となった人である。ジャザという名前からは想像つかないかも知れないが、女性である。ジャザは様々な功績をこの世界に残したと言われている。メタファリカの初期理論を構築したのは彼女であると言われている。また、一度神の住まう天上へと向かったことがあるとも言われている。この世界において、ジャザは世界の母であり、この世界の誰もが尊敬する偉人なのである。

Dセロファン
D-Cellophane

レーヴァテイルの遺伝子情報のシードが記録されているセロファン。オリジンやβ純血種と言われる、完全な人工生命体レーヴァテイルには必ず身体の中に入っている。このDセロファンがレーヴァテイルの性質に個性をつけるきっかけとなり、結果としてレーヴァテイルの個別識別情報「ヒュムネコード」を作り出す事になる。逆に言えば同じDセロファンをシードとして育ったレーヴァテイルは、同じヒュムネコードを持つことになる、という事になる。Dセロファンが受け持つ遺伝子情報は非常に少なく、それは容姿にまでは影響しない。生命の根幹のごく一部、精神基底周波数と呼ばれる部分にのみ影響する。 精神基底周波数は、力の源である塔との結線に関する情報や、生命維持情報、力やアクセス権限といった、システムとしてのレーヴァテイルの情報を決定づけるものである。 尚、Dセロファンを共有したレーヴァテイルは、同じアドレスに精神世界、コスモスフィアを持つことになる。その為、頻繁に競合を起こし、お互いの精神が錯乱したりひっくり返ったりする事がある。

インフェル・ピラ
Infel Phira

今から400年前に創られたという、今ではロストテクノロジーとなってしまった空に浮かぶ球体。何のために創られたかは定かではないが、とにかく大きな力を秘めている事は間違いない。400年前の戦争の傷跡が半壊という形で生々しく残っている。

ヒュムネクリスタル
Hymmne Crystal

謳うことで力を発揮するヒュムノスという詩を記録しておくクリスタルの媒体。実際は、その詩のメロディや歌詞などが記録されているわけではなく、その歌の「想い」が記録されているだけである。ヒュムネクリスタルから詩を取り出す「ダウンロードの儀式」では、レーヴァテイルはこの「想い」を受け取る。そして、それを自らの感性で詩にするのだ。故に、同じヒュムネクリスタルをダウンロードしても、レーヴァテイル毎に紡ぎ出す詩は異なるという事になる。ヒュムネクリスタルは、ヒュムネコードというレーヴァテイルの識別子が無いとダウンロード出来ない。故に、普通の第三世代と言われているレーヴァテイルには、ヒュムネクリスタルからの想いはダウンロード出来ないのである。

C.A.
コンダクター・アクティベーション/Conductor Activator

通称「リム」と呼ばれている場所の丁度真ん中に位置するこれは、大昔に塔を創るために使われていたと言われている。この世界に存在するロストテクノロジーの中でも、際だって大きく目立つ建物で、ピックアップのような屋上のドームが特徴的。

ヒュムネコード
Hymmne Code

レーヴァテイルの識別子。オリジン、β純血種と言われる、完全なる創られたレーヴァテイルには必ず存在する。そして、第三世代には基本的に存在しない。ルカは第三世代だが、例外的にヒュムネコードを持っている。それは、ルカ自身のヒュムネコードではなく、Dセロファンが作用した事による、フレリアのヒュムネコードである。それ故ルカのヒュムネコードは「FRELIA_ANSUL_SOL=MARTA」という、フレリアと全く同じコードとなっている。ヒュムネコードは、ヒュムネクリスタルをダウンロードする際には絶対に必要である。

ソル・マルタ
Sol Marta

神の住まう地である、天上の地の正式名称。このメタ・ファルスの遥か空の上、見えないくらいの場所に浮いていると言われている。その形は土星のような輪っかを何重にもまとった球体。しかし、実際にソル・マルタをこの目で見た者は誰一人存在しない。しかし、ラキが空から降りてきたことからも、実在するのは間違いない。

D.V.
ドラフター・ヴィジョン/Drafter Vision

この世界の周りを回る、三つのリングの名称である。この三つのリングは遥か昔、まだこの塔が創られていたころに活躍していた、塔生成の為のツールである。普段はゆっくりとリムの周りを回っている。三つのリングはそれぞれ独立している。

C.V.
コンダクター・ヴィジョン/Conductor Vision

イコール「リム」のことである。まだ塔が創られていた時代、塔を生成するためのツールとして創られたもの。コンダクターとは指揮者の事であるが、まさにリムは、塔を創る上での統率者としての存在であった。絵で言えば画板に当たる機能を持つ。

ゲロッゴリラ
Gergorilla

ゲロッゴの亜種で、同じメーカーが製作している正統なシリーズもの。しかし、シリーズ中で最もダサイと言われており、それを裏付けるようにライト層のゲロッゴファンは、見向きもしなかった。故に生産個数も非常に少なく、ゲロッゴマニアの中では最高に希少価値の高いアイテムとして語り継がれている。出たグッズは、クロアが使い潰した歯ブラシの他、手鏡、ヘアピンなど、なかなか微妙な取りそろえとなっている。

ハゲロッゴ
Baldgo

ゲロッゴの亜種で、同じメーカーが製作している正統なシリーズもの。シリーズ中最も新しい商品で、更に近年のダサカワイイブームにのって、ライト層も取り込むスマッシュヒットとなったグッズである。沢山売れたため、グッズの数も非常に多く、ハゲロッゴコーナーがあるファンシーショップも珍しくはない。

愛の種子賜りし御子
あいのしゅしたまわりしみこ/Seed of Love Maiden

神の加護受けし御子と対になる御子。「愛の種子」とはインフェル・ピラの事で、インフェル・ピラを操ることが出来る為にこの名前がついたとも言われている。400年前、神との戦争の後に封印された御子で、それ以降400年の間、その存在すらも禁忌とされてきていた。その理由は、インフェル・ピラが、神をも脅かす兵器となりうる為である。メタファリカという詩には、愛の種子賜りし御子は必要不可欠で、それ故400年間メタファリカが紡げなかったと言っても過言ではない。

焔と澪
ほむらとみお/Fuero and Aqua

400年前、まだ御子が2人いた時代、それぞれの御子のことをそれぞれ、焔の御子、澪の御子と言った。以後、澪の御子はすぐに世界から消え、焔の御子のみが残ったため、焔と澪という言い方も無くなっていた。

インフェルスフィア
Infelsphere

スープを枕にして寝ると入れる世界。二人、三人で寝れば、揃って同じ世界に入ることが出来る。ヒロインの精神世界コスモスフィアと非常に近い形ではあるが、ヒロインの心の中ではなく、どこかに存在する仮想的な世界である。ルカとクローシェはお互いのことを知るために、この世界の機能を利用しているが、本当の目的は別にあるらしい。管理人はスープのようである。

スフィアキー
Sphere Key

インフェルスフィアのポインタにアクセスするためには、それに対応するスフィアキーが必要である。これは、ヒロイン同士の絆の成長が確認されると、現実世界でスープが出すものである。その鍵はインフェルスフィアに持ち込む事が出来ないが、ヒロインのどちらかにインストール(インストールポイントから体内に差し込む)事で、インフェルスフィア内のポインタを解放することが出来る。

大地の心臓
Heart of Gaea

正式名称は「四次正角性中核環」と呼ぶが、難しいので誰もその呼び方をしない。いわゆるレーヴァテイルの心臓である「中核三角環」のハイレベル版というもので、全てにおいて中核三角環の上の次元をゆくものである。そのコアが形成できるものは人体よりも遥かに高レベルな大地である。その大地とは、単なる土の塊という意味ではなく、そこに息づく生命や水などの循環や、食物連鎖のバランスなど、生命が息づくシステムもすべて包含したものである。人間から見れば「自然界の力」というのは、そこにいる動物や自然現象によって無機的に行われている処理のように思いがちであるが、人間の代謝や循環を人間が制御しているという考えに基づくならば、星もまた、星の代謝や循環は星が制御しているものなのである。

澪の民
みおのたみ/People of Aqua

400年前に存在したインフェル・ピラを制御するエンジニア集団のこと。その後、インフェル・ピラが封印されてからは、大鐘堂と神の命に従い、カナカナ突堤で細々と暮らすようになる。ほぼ全員がテル族と人間との混血であり、それ故に特殊な能力を持ち、その力をもってインフェル・ピラを制御していた。

テル族
Teru Tribe

人間とは違う人種で、波動科学では解明できない独特の魔法を使うことが出来る。テル族の中には細かい流派があり、その流派ごとに使える力が違ってくる。基本的には人間と関わる事を嫌がる種族ではあるが、メタ・ファルスの地では比較的良好な関係で共存しているようだ。

ティリアの塔
Tower of Tilia

まだ見ぬ三本目の塔。残りの二つをこれに合わせる形で言うと、エオリアの塔とフレリアの塔、という言い方になる。今作の舞台、メタ・ファルスはフレリアの塔であり、前作である第一作目がエオリアの塔に当たる。それぞれ、その塔の源となるレーヴァテイル・オリジンの名前にちなんでそう呼ばれている。

ラクラ
Lakra

実際にはラクラという名前は、女性の名前ではない。ラクラと呼ばれている女性は、本名ソニア・レー・ラクーアと言う。ラクラとは400年前に作られた、インフェル・ピラを内部からメンテナンスするシステム群の名前。正式には漢字で「洛螺」と書く。

アセンション計画
Ascension Project

400年前、時の大鐘堂と神が計画した、この世界全体の次元を上昇させる計画。人々は物理的な身体を失い精神体となる。それ故に、物理体のしがらみとして存在する生命維持に関する全ての枷から解放される。大地を失い続け、それ故に心が荒み希望を失った人々を見た当時の大鐘堂がこの手法を採択したのは、当時としては画期的だったのかもしれない。人々の魂の床として使われる予定だったのがインフェル・ピラである。それ故、インフェル・ピラは一度初期化され、当初のI.P.D.レーヴァテイルの為のシステムではない、人々の第二の箱舟になるために改造されつつあったのである。

揚力ジェネレータ
Lift Generator

この世界、主に「リム」と言われる重量級のシステムを浮遊させるために存在するメカニズム。全部で7基存在し、リムの7つのエリアをそれぞれ担当している。リムは、表面からは見えない7つの分割ブロックによって別々のパーツに分割されて管理されているが、その一つずつがこのジェネレータの対応範囲である。それぞれのジェネレータはそれぞれのエリアを維持するだけの力しか無く、一つ欠けてもこの世界全体の危機になる。その際は、連結器をパージしてそのエリアを開放すれば、他のエリアは助かる。

導力エネルギー
どうりょく/Power Energy

この世界のエネルギー源とも言えるエネルギー。厳密には「導体D波」と言う。いわゆる「物質」を維持するためのエネルギーであり、物理的に様々な影響を与える。塔が動いているのも、テレモが使えるのも、必殺技も調合も、全部この導力エネルギーによって成されていると言っても過言ではない。それと対になるエネルギーとしてあげられるのが「生体エネルギー」であり、こちらは「導体H波」と呼ばれている。こちらは人間やレーヴァテイルの生命維持に大事なエネルギーであり、別名「想いの波動」と言われている。 ヒュムノス詩は、この導体H波を導体D波に変換する事で、想いを力に変えるという事を行っているのである。

一種データダイバー
Type 1 Data Diver

普段は入るだけで精神が分解してしまうと言われる、塔の情報野「バイナリ野」に入ることが出来る人をデータダイバーという。精神世界に入るよりも更に過酷であり、少しでも過ちをおかせば命の危機に直面する、かなりの特殊技師でもある。 第一紀に、塔アルトネリコやソル・マルタをメンテナンスしたり解析したりする為に絶対必要不可欠な職種として存在していた。常に危険に直面している為、かなり高給取りだったという。また、塔内に発生する負の感情などの不良残留物が出たときにも出動し、それらを駆除していたと言われている。

アルシエルの意志
Will of Ar Ciel

「大地の心臓」の理屈から来ている「この星の意志」という意味である。この星「惑星アルシエル」の持つ意思、自我を、アルシエルの意志と呼んでいる。地震が起こるのも、干ばつも異常気象も、全てアルシエルの意志によるもの、として捉えられている。ただしこれは大昔、第一紀の末期の頃に、メタ・ファルスの一部で言われていたに過ぎない事で、世界的な定説ではない。第一紀メタ・ファルスがそれだけ精神的な部分を尊重する文明だった、という事の裏付けにもなる事象である。

・アルトネリコ3用語

蒼谷の郷
そうやのさと/Blue Canyon Hamlet

彩音回廊(天候制御システム)の境界線ギリギリの所に存在する小さな村。大牙の先端の方に位置するため、牙の又内と塔を望める外壁にまたがって存在している。彩音回廊と自然の気候が半々に入り混じる場所な為、風が強く肌寒い(風が強いのはジェット気流が防ぎきれていないため)。その為、住人は風を使って風車を回し、生活に役立てている。風車は谷の上側に、両側の牙にロープを打ち付ける形で村の上に張り巡らされている。 風が吹くとその風車がカラカラと音を立てて回り、この村独特のサウンドスケープを形成している。

大牙
たいが/Great Fang

大牙とは、塔の周りにある巨大な飛び出した岩の事である。大牙に住む人々は大きな都市を形成できない。なぜなら、大規模な集落は悉くクラスタニアによって駆逐されてしまう為である。また、環境的にも大きな都市を形成するには向かないため、自然と小さな集落になっていく。大牙は元々人間の住むところではなかった。700年程前、世界大惨事グラスノインフェリアによって、生き延びるために移り住んで来た人達だらけである。現在ここに住んでいる人々は、その殆どが第三塔の勢力「クラスタニア」に否定的である。それゆえに、強大な組織であるクラスタニアからは常に監視され、大きな事は一切出来なくなっている。各コミュニティ(町)は、そのコミュニティごとに、それぞれのルールに従って治めている。 コミュニティの長は大牙全体の定例会議によって現状を報告し合い、全体の方針を決めている。この議会自体も秘密裏に行われているもので、クラスタニアに気付かれたら解散させられてしまう事になる。大牙のコミュニティは、その1/3が地上にあり、残る2/3は洞窟や暗い谷間に存在する。 また地表にあるコミュニティの殆どは人口数百人~大きくて千人規模の村であり、それ以上の規模となると、クラスタニアによって分割されるか、強制直轄にされてしまうか、最悪クレンジングされてしまう。その為、大規模なコミュニティは全部地下にある。最も大きいものは「トコシヱ隧道」と言われる町でここ一帯だけで数万人の人々が住んでいる。平地と言える場所はほぼ皆無、V字谷を見つけられれば超ラッキーといった大牙の環境において、地下の町作りは基本となっているのである。そんな大牙であるが、文明レベルは非常に高い。地表のコミュニティはほぼ全てが農業従事であるが、その単位辺りの収穫量と高効率の田園開発によって非常に多くの収穫量を得ている。更には地下ファームによって栽培される食物や家畜なども沢山あり、それらによってこの世界の人々は、食料にはそれほど困ってはいない。また、彩音回廊の外側に出ている大牙の部分に存在する少しずつ解け出すため、水資源も豊富。テクノロジーとしては、唯一第三塔には残っているパラメノ技術(導力吸収技術)があるため、町中の活気のある場所随所にパラメノ盤を設置、そこから町の活気、人々の想いを吸収し整流することで何とか安定して使える導力を捻出している。これは他の地域(ソル・シエール、メタ・ファルス)では既に失われてしまっている技術で、第一紀の文明がそのまま継続している第三塔ならではの文明である。

クラスタニア(組織)
Clustania

実質この世界を統治する、レーヴァテイルβ純血種が中心となって形成されている組織。その歴史は約600年程前から始まっており、その頃から大きな権力を持っていた。クラスタニアは人々を統制し、この世界において人間が暴動を起こしたり、戦争をしたりしないように管理している。それは恐怖政治によって行われており、その最もたるものとして「クレンジング」が存在する。クレンジングとは、クラスタニアの行政に従わない人間を、その街ごと連帯責任として消滅させてしまうものである。日本にも昔「お家取り潰し」というものがあったが、これの更に大規模版とも言えるだろう。その他にも、権力の大きな町を直轄地としてクラスタニアが直接支配したり、浄化と称して人間をクラスタニアに連れて行き、従順なダイブ要員として洗脳したりと、人間側からしてみれば人を人とも思わない行為の数々に憤りを感じない者はいない。

レーヴァテイル
Revatail

謳うことで超常的な力(魔法)を行使する事が出来る人工生命体。だが、ぱっと見では人間とレーヴァテイルを見分けるのは難しい。レーヴァテイルには、大きく分けて「オリジン」「β純血種」「第三世代」の三種が存在する。オリジンとは、0から創り出した完全に人工のレーヴァテイルであり、世界に三体しか存在しない。β純血種は、オリジンを元に創りあげるクローンである。クローンと言っても姿形は自由に変えられる為、基底部分の精神構造やシステムリソースといった部分をコピーして使っているというのが正しい。β純血種は700年前に終焉を迎えた第一紀のテクノロジーであり、現在では今作の世界以外(アルトネリコⅠ、Ⅱの世界)では、大変貴重な存在となっている。第三世代は、β純血種と人間との間に生まれた子供の事で、半分人間の遺伝子が流れ込んでいるため、性能が安定せず、個体ごとに能力差が激しい。第三世代は人間として生まれた子供が、3歳~16歳程度で発症し、後天的にレーヴァテイルとなる。だが、発症するとレーヴァテイル質に人間側の生命力を奪われるため、定期的に「延命剤(ダイキリティ)」を投与しないといけなくなる。レーヴァテイルの特徴としては、謳うことで強大な力を行使できる「詩魔法」と、その詩魔法を紡ぎ出す行為である「ダイブ」が挙げられる。レーヴァテイルは感情が揺さぶられる事で、その想いを力に変えることが出来る。それが詩魔法である。だが、日常的に毎日劇的なことがある人は少なく、その為手っ取り早く詩魔法を強化するためにダイブという行為を行うのである。ダイブは、パートナーであるダイバーがレーヴァテイルの精神世界に入り込み、心の内側から感情を揺さぶる行為である。これによって現実世界よりも遥かに効率よく詩魔法を強化することが出来る。だが、ダイブはレーヴァテイルの心の内を相手に見せる事になるため、ダイバーとの絆が深くなければ結果的に詩魔法の強化は出来ないであろう。レーヴァテイルがダイバーを拒絶してしまったら、入ることもままならない為である。

トコシヱ隧道
とこしえすいどう/Eternus Shaft

その殆どが牙と牙の又の部分、そして更にそこから地下へと続くトンネルによって形成される地下都市である。内部は迷路のように入り組んでおり、例え敵が攻めてきてどんなに強い詩魔法を撃っても、一瞬にして全滅させることは出来ない作りになっている(牙ごとポッキリ折ってしまえば全滅させられるが、それは非現実的である)。そんな入り組んで、どこまでいってもトンネルが続いているようなこの場所は「トコシヱ(永久)隧道(トンネル)」という名前で呼ばれるようになった。トンネルは、自然に出来た巨大な洞窟をメインストリートとして、そこから碁盤の目のように縦横に人工のトンネルが掘られている。それぞれの区画には用途が決められており、商業区域、住居区域などに分かれている。かなり高低差の大きな多層構造な為、移動手段、輸送手段として「トロッコ」が用いられている事が多い。また、水の流れているトンネルや地底湖も多く、そういった場所は船で運行している。自然洞窟を中心とした大きなトンネルは真ん中に軌道が走っており、アプト式の市電が運行している。

謳凱
おうがい/Ogai

アルキアシティに存在する一地名。オウガイと読む。アルキアという街が創られたとき、謳凱という名君主がこの地を治めており、死後に敬意を表して地名になった。逆さ都市であるアルキアの中でも、かなり高い位置に存在する場所であり、上から日の光の差し込む穴や、研究所施設の隙間などが多数存在するため、比較的日照環境が良い。その為、少し裕福な市民が多数住んでおり、治安も悪くなく優良な地域である。そんな環境も相まってか、教育機関も非常に多く、保育園から大学まで様々な学校が存在する。サキが働いていた謳凱記念保育園もその一つであり、地域の中でも最も歴史有る教育施設の一つともなっている。この人工の大地には異例なほど巨大な樹が園庭に立っているが、それが歴史を物語る。蛇足だが、謳凱記念保育園は、この街が地域と名乗る前に既に建っている。謳凱氏が自費で建てた保育園なのである。

テレモ
Telemo

導体D波と呼ばれるエネルギーの波に信号を乗せて送る技術。一般的には電話やテレビといったものが、この世界では総じて「テレモ」と呼ばれている。テレモには単方向テレモ、双方向テレモが存在し、単方向テレモは主にテレビや街頭放送に、双方向テレモは電話として使われている。この険しい土地では、有線で情報を送るのは限りなく不可能に近く、それ故にテレモは高度に発達した。昔は金持ちしか持てなかった双方向テレモも、都市に住んでいてそれなりに稼ぎのある人は持てるくらいに普及し、作中でも光五条などはテレモを所持している。

大牙の宗教
たいがのしゅうきょう/Religion in Great Fang

この険しい大地で生き抜くために、人々は様々なノウハウを身につけ、学習をしてきた。その中の一つに宗教が存在する。敢えて過酷な自然と共存する事で、己の精神を高め、そしてこの星と繋がり悟りを開く、というものである。これによって、食べなくても生きていけるようになった人も少なくはない。この宗教を実践する人は、まず人里離れたところでの自給自足から始まる。大牙の険しい岩肌をくり抜き、自らの住処となる家を造る。人によっては、その後仏像などを創ったり、祠を創ったりする人もおり、それは、この極限の環境下において自らの想いを岩に託すという行為が、悟りにつながる道であると信じているためである。

上帝門
じょうていもん/Ciela Gate

主人公の生まれ故郷の町。現在は停戦協定が結ばれているため比較的平和な町ではあるが、クラスタニアとの戦争中は常に前線であり、毎日激しい戦火が巻き起こっていた。現在では、クラスタニアの監視区域としてたくさんのクラスタニア側のレーヴァテイルが存在している。表面上の和平は締結しても、個人レベルでの関係改善はなかなか難しい。この街では現在でも、常駐するクラスタニア側レーヴァテイルと地元住民とのイザコザが絶えない。街は塔側の絶壁中腹にあるV字谷に位置し、わずかな段差の上に巨大な鉄壁がずらっと並ぶ壮観な風景を見ることが出来る。V字谷を奥へ進むと、他の様々な集落にたどり着く事が出来る、いわゆる交通の要所となっている場所である。実際の所、第三塔唯一の人間の町「アルキア株式主権市国」への定期便が出ているのはこの上帝門のみである。その為様々な理由で塔へ渡りたい人は、必ずこの上帝門を目指すことになる。完全な自由都市であるトコシヱ隧道とは違い、軍事都市としての面影が今でも色濃く残っており、特に入市審査や、市内の治安維持に関しては、しっかりとした兵士が常に見回りをするなどなかなか堅い町ではある。停戦以後、この街の統括はクラスタニアの官民が行っており、実質はクラスタニア政権である。しかし長い年月が過ぎ、当時のようなピリピリした感じは消えてしまい、今では比較的緩い体制の元で、クラスタニアの上官と大牙の一般市民と言う構造を維持しながらの行政となっている。(クラスタニア本国からはそのヌルさを指摘されているが、辺境である故に上官の士気も上がらない)実際は先にも話したように軽いイザコザは絶えず、今でも大牙の住民はクラスタニアの官民とは何かにつけて衝突し合ったりしている。だがあまりに大規模な衝突を行うと、クラスタニア本国から更に厳しい締め付けが入ることが分かっているため、比較的穏便に譲歩しているのが現状。

堕天峰
だてんほう/Fallen Heaven Peak

大牙には大きく分けて二つの牙が存在する。一つが蒼谷の郷やトコシヱ隧道などがある蒼天峰であり、もう一つが堕天峰である。堕天峰には現在、殆どコミュニティが存在しない。なぜなら、ほぼ全てがクレンジングに遭ったからである。この大牙と呼ばれる大地は、元は地上の大地であった場所である。それが700年以上昔に起きた「七つの血痕事件」によって爆発的隆起を起こし。そのまま固まったものなのだ。それ故に、この大牙の岩の中には、古代の遺産がゴロゴロ眠っていると言われている。数百年前、堕天峰の中に埋まっていると言われている「とあるクリスタル」の調査を名目に、クラスタニアは堕天峰にある全てのコミュニティに退去命令を出した。その殆どは拒否し、クラスタニアはクレンジングを行った。結果、堕天峰に埋まっていると言われていたクリスタルは、クラスタニアの目的のものではなかった。その後、堕天峰は無法地帯と化し、人々は近寄らなくなり、9割以上の大牙民は蒼天峰に住むことになる。ゲンガイが仕切るコミュニティ「堕天峰」は、そんなクラスタニアの横暴に真っ向から対立するため、敢えてこの堕天峰に構えたという。その為、コミュニティとしての堕天峰の歴史は浅く、まだ30年程度のものである。

クレンジング
Cleansing

クレンジングとは簡単に言えば「間引き」の事である、それは人間側の言葉にすれば、都市壊滅である。クラスタニアはこのクレンジングを行う大義名分を「瀕死の状況にある惑星アルシエルを少しでも長く存続させるため、崩壊を促進する性質を持つ人間を現在の惑星に適応させる為の行為、そして崩壊に加担するコミュニティを粛清し、惑星の平和を維持するもの」であると言っている。実際、クレンジング対象は街単位であるが、クレンジングの指名を受けた街の人も、クラスタニアが行う「浄化」を受ければ殺されずに済む。浄化とは、欲望や攻撃性を全て抜き従順な個体にする為に脳を操作する事で、人々は「廃人にする為の行為である」と恐怖している。

アルキア
Archia

正式名称は「アルキア株式主権都市国家」。アルキアの町の印象を一言で言えば、「ロケットが吊されているアジアの都市」という感じである。ロケットとは、アルキアの最も高台にある「XPシェル」の事である。高台は町の(機能的)中心になっており(立地的な中心ではない。パリエは高台から塔の外側に向けて広がる町であるため、高台はかなり内側にある)その中心にある研究施設「アルキア研究所」の中にXPシェルが存在しているという形だ。その回りには、アルキアを維持管理する行政機関などが集中しており、その外側に商業区、居住区などが存在する。アルキアは塔側の都市にあって、唯一大牙との交流がある町である。更に、唯一人間が「普通に」住むことができる町でもある。いわゆる「街」の部分は、この街における下半分の地域を指し、上半分は「アルキア研究所」という企業の工場群になっている。この下側の「街」は大変混沌としている。本場クラスタ系のアジア系建物、シエール系の洋風建築、そして雑多な市場、高級宝飾店、そしてエンターテインメント施設などがごった返す場所になっている。また、目を惹く建造物として「Vボードスタジアム」というものがある。これは、フリッパーを使用したスケートボード「Vボード」の競技を行うためのトラックである。尚、アルキアという国家はクラスタニアには国家として認められていない。なぜなら、クラスタニアはクラスタニアで、アルキアを「パリエ行政区」という自国領域だと考えている為である。

ダイブ
Dive

レーヴァテイルの心の中に入り込み、詩を紡ぐ行為。レーヴァテイルは心を震わせることで詩を紡ぐが、それを日常において行っているのは非効率的である。毎日が戦場で、一寸先は闇という状況下であって、分単位で人間ドラマが展開されるような世界であれば、ダイブなくしても劇的に詩を紡ぐことができるであろう。だが、毎日がそれなりに平和で、劇的な心の動きが少ない日常では、殆ど詩を紡ぐことはなく、レーヴァテイルはいつまで経っても強くならない。その為、主に戦闘に参加するレーヴァテイルの場合「ダイブ」という行為によって、強制的に詩を紡ぎ出す。ダイブとは「ダイバー」と呼ばれる人間に心の中にダイブしてもらい、その中で直接的な感動やショック、癒しなどの想いを引き起こしてもらうものだ。心の中で直接行う為、現実世界よりも衝撃が伝わりやすく(観念などのフィルタを通らない為)、同じ状況でもダイブ中の方が、心を揺さぶりやすいのである。だが、ダイブにも危険が伴う。ダイレクトであるが故に、普段そのレーヴァテイルが絶対に起こさないであろう行為を、ダイブ中には平気で起こすことが多々あるためである。それは、ダイバーに対して危害を加えることや、普段抑圧している行動が何の制限もなく出てきたりするものである。それによって、多くのダイバーは命の危険に曝される。その為、ダイバーとレーヴァテイルは、それなりに親密な関係である事が大切になってくる。心の中であっても、好きな相手であれば、そう無茶はしなくなる。また、好きな相手だからこそ心を揺さぶられる事が多くなるのである。このようにダイブとは、絆の深いダイバーとレーヴァテイルが行う事を基本としているが、クラスタニアにおいては少し違う。クラスタニアにも当然ダイブのシステムは存在するが、それは一対一の関係では行われない。クラスタニアのレーヴァテイル街区に住むレーヴァテイルは1人1台のダイブマシンがあり、自分が好きなときにダイブを行い、詩魔法を強化する。だが、その相手であるダイバーの姿を見るレーヴァテイルはいない。なぜならダイバー側のダイブマシンはスレイヴ街区にある為である。互いのダイブマシンは長大なケーブルを伝い、それぞれの町を行き来するが、そしてそれは、中継ハブによって臨機応変に相手を変更できるようになっているのである。すなわちクラスタニアのレーヴァテイルは、毎日違うダイバーによってダイブを行っているという事になる。厳密には、システムによって最適化を図り、最も効果の高い相手と当たるように処理される。だが、理由は敢えて言わないが、「長持ちしない」のである。このように、浄化を名目にスレイヴに連れて行かれた人間は、レーヴァテイル強化要因として過酷な扱いをされている。そしてそれによって、レーヴァテイル達は大きな力を得ているのである。

ヒューマ
Hyuma

レーヴァテイルの心の内である「コスモスフィア」に生息する、「想い」が擬人化されたもの。大抵のレーヴァテイルには、数え切れない程のヒューマが生息しており、ダイバーを様々な形で迎えてくれる。と、模式的に書けば上記のような表現になるが、実際にはレーヴァテイルの性質、人格、そして観念や願望などを、分かりやすく表現するためのサポートシステムでしかない。コスモスフィアの中に妖精が住んでいるわけではなく、この世界にあるダイブマシンが、レーヴァテイルの想いを解析し、それをヒューマという形にしてダイバーに見せているだけである。ヒューマを見つけることとは、すなわち新たなレーヴァテイルの一面を見つけることに他ならない。また、それはレーヴァテイル自身にとっても、気づいていなかった自分を見つける行為となり、それは新たな想いのリソースとして詩魔法の強化に繋げることが出来る。自分を知るということは、可能性が広がるという事であり、それはすなわち、今までに謳えなかった傾向の詩魔法を謳うことが出来るようになるのである。この「ヒューマ」と言われるシステムは、第一紀のテクノロジーであり、第一紀からのテクノロジーを継承する今作の世界でしか見ることが出来ない。

極限病
きょくげんびょう/Border Disease

人間に限定して起こる症状で、精神が極限状態になると発症する為に「極限病」と言われている。極限状態とは、生死を彷徨うような状況に置かれたり、人生ががらりと変わってしまうような衝撃的な事件が身に降りかかったときなど、精神的に破綻してしまうような状態の事を言う。極限病が発症すると自我を失ってしまい、極限状態から脱したいという単一目的以外の全ての記憶、思考などが消えてしまうと言われている。その為、大抵の場合は単一の行動をとり続ける。それも、極限状態に陥った原因を回避する為の行動を取るため、得てして攻撃的である(大抵の場合、身の危険から極限病になる為、身を守る為に無差別に人を殺すようになる)。極限病は、今作の世界にしか無い風土病である。中には、クラスタニアによって作為的に引き起こされる病気だと信じて疑わない人もいるという。たまに適応してしまう人も存在し、適応すると、今までの能力を遥かに超越した力を手に入れることができるようになるという。

Vボード
Vertical Board

この世界で流行っている、空飛ぶスケートボード。フリッパー機関と呼ばれる動力によって浮遊し、バランスを取って進んでいくもの。Vボード自体は、名前を変えてメタ・ファルスなどにも存在しているが、ここまで大衆娯楽として支持されている世界は他にはない。Vボードを志すほぼ全ての人が、アルキアで定期的に行われるVボードグランプリを目指して、日々鍛錬する。Vボードグランプリは、アルキア研究所が主催の娯楽であり、この世界では野球やサッカー並みの大衆娯楽として確固たる地位を得ている。グランプリに出場するには、チームを組まなければならない。F1と同じであり、ボードとはいえメカニックが必要な競技であるため、様々な職種の人達が協力し合わなければ勝利には近づけない為だ。

四次正角性中核環
よんじせいかくせいちゅうかくかん/Core Square Ring

俗称「大地の心臓」。簡単に言えば、レーヴァテイルの心臓に当たる「中核三角環」というものの次元が一つ上がったもの。中核三角環が形成できる物理体である「人型サイズ」よりも遥かに大きな物理体を形成出来る。前作アルトネリコⅡでは、この四次正角性中核環を生成することで、メタ・ファルスの民の悲願であった緑の大陸「メタファリカ」を生み出すことに成功した。

星巡り
ほしめぐり/Cartology

今作の舞台であるクラスタ地方に古くから伝わる占いの一つ。星は運命を司るものであるという思想から、星の並び、位置によって未来を占うというもの。自分の誕生した年月日と名前、現在の年月日、それぞれの星の位置を法則から見つけ出し、その過程にある星の数、種類などから過去に歩んできたルートを定義する。そして、その延長線上にある星から、未来を決めるという手法をとる。恋占いも可能だが、こちらは相手の生年月日と名前が必要。名前は「真の名前」と言われている、生まれたときに付けられた運命名でなければ意味がない。この世界では、生まれたときに長い名前がつけられるが、その名前でなければ占っても意味がないのである。

古い神話の神々
ふるいしんわのかみがみ/Deities of Ancient Mythology

この世界に、遥か昔から伝わる神話の神々のこと。この世界では、地域によって名前や姿などにばらつきはあれど、基本八百万の神々的な思想がメインである。火の神、水の神、太陽の神などから、戦争を司る神、平和の神、文明の神、創造神など、様々な神々が登場する。サラパトゥールは、この地方で愛の女神と言われる神様の名前であり、普通は人命に用いることはない。

大牙連合
たいがれんごう/Great Fang Alliance

クラスタニアに対抗すべく創られた、大牙のコミュニティが一同に会する組織。大牙ではクラスタニアの脅威によって、表面的に組織やコミュニティが連携をとることは許されていない。それを行えば、たちまちクレンジング対象だからである。だが、だからといって無秩序にコミュニティを治めていたのでは、いつまで経ってもクラスタニアの言いなりである。その為、コミュニティの長達が集まり、定期的に秘密の会議を開いているのが大牙連合である。大牙連合本部の所在は、最も大きく、そして最も安全と言われているトコシヱ隧道の更に奥の方にある「旧削坑道」の中に存在する。大牙連合では、コミュニティの長達によって議長が選出され、議長が最大決定権を得る。この有事が多い大牙という場所においては、議長の機転こそが大牙の命運を担っていると言っても過言ではない。その為、癒着などの裏工作で議長が選出されることは滅多にない。真にカリスマを持ち、判断力に優れた聡明な者だけが議長に選ばれるのである。

刻の輪製作所
ときのわせいさくじょ/Moebius Factory

刻の輪製作所は、上帝門という街が造られたときとほぼ同時期に創立した、歴史有る企業である。現在の主な業務内容は、「発導」である。いわゆるこちらの世界の発電所、と言ったところだろうか。刻の輪製作所の「かたつむり」のような外観は、この「発導機」の形によるものである。その他にも、様々な工業製品や薬品の研究開発も行っているが、その面に関しては、アルキア研究所には及ばない。現在、上帝門の中での最高の権力者であり、唯一クラスタニアの高官と渡り合える企業でもある。なぜなら、モロカッカ港の導力から町の導力に至るまでほぼ全てが、この製作所に委ねられているためである。大牙の人々にとって、上帝門の統治者と言えば誰もが「刻の輪製作所」と答えるほどだ。現在上帝門はクラスタニアの直轄地となっている為、実質的な政治の権限は持っていないものの、上記理由よりクラスタニアも邪険には出来ないのが現状である。

プローム壁
Prome wall

この世界の空を覆う、高エネルギープラズマ帯「ブラストライン」を応用し、人工的にそれを創りあげたもの。分かりやすく言えば「バリア」である。アルキアや大牙からの進軍が出来ないように、塔の中腹部分、アルキアとクラスタニアの丁度中間くらいの所に、さながら「ネズミ返し」のように存在する。すなわち、この横一面に張られたプラズマの壁を通過しない限り、クラスタニアに飛空艇で向かうことは出来ないのである。制御はクラスタニアが行っているため、クラスタニアの戦艦が下に降りてくるときには、局所的に穴を作り、その穴を通って来る。

ヒュムネクリスタル
Hymmne Crystal

ヒュムノス詩が記録されているクリスタル。こちらの世界で言えば、ROMカセットやUSBメモリみたいなものである。クリスタルの中には「想い」が記録されており、それをレーヴァテイルに「ダウンロード」することで、そのレーヴァテイルが該当する詩を紡ぎ出すことが出来る。このような媒体を介すことで、700年前(第一紀)の時代には沢山のレーヴァテイルが共通のヒュムノス詩を謳う事が出来、それはさながら武器のカートリッジを換装する戦闘機のような感じであったと言われている。現在は、ヒュムネクリスタルに想いを封じ込める技術が失われかけているため、第一紀のような量産はままならない。また、それ以前にその詩によって実行されるプログラムを組むコーディング技術が失われかけているため、昔のような複雑なヒュムノスを創造する事はほぼ不可能である。

ヒュムネコード
Hymmne Code

レーヴァテイルに存在するID。乱暴な言い方をすると、製品バーコードだと思ってもらえれば間違いはない。このヒュムネコードは、レーヴァテイルの個体を決定するために必要不可欠なものであり、ヒュムネコードが分からなければ、ヒュムネクリスタルをダウンロードする事も出来ない。 ヒュムネコードには法則性があり、それは必ず「名前_隷属構造_サーバー名」という形になっている。名前は個体の識別名、隷属構造というのは、β純血種の場合、オリジンやその他様々なマスターが存在し、その下にコピーとして作られるものである為、それを示すものである。サーバー名は、どの塔に属するかを示すものだ。インターネット的に言えば、サーバー名がドメイン名、隷属構造がファイルツリー、名前がファイル名、という感じになる。具体例を挙げると、例えば「EOLIA_ANSUL_ARTONELICO/.」というヒュムネコードは、「サーバーアルトネリコに所属するオリジン(=ANSUL)のエオリアさん」という事になる。β純血種の場合は、「MISYA_FEHU_EOLIA_ARTONELICO/.」となり、これは「サーバーアルトネリコのエオリアの下のミシャさん」になる。この隷属構造表記は、孫、ひ孫とクローンが重なる度に名前が長くなっていく。第一紀には、このクローンがどれだけオリジンに近いかがブランドにもなっていたため、名前が短いほど高価であったという。

ヒュムノス
Hymmnos

レーヴァテイルの最大の特徴である、「詩を謳うことで超常的な力を行使できる」という、その「超常的な詩」がヒュムノスである。通常、ヒュムノスと言えば、ヒュムネクリスタルを介してダウンロードされる詩(厳密な名前ではヒュムノス・エクストラクト)の事を指す。これは普段戦闘で使っている詩魔法とは違う。普段戦闘で使っている詩魔法は、自分の心の中で紡ぎ出した詩魔法である。だがヒュムノスとは、第三者がプログラムしたものをダウンロードするものだ。そして、通常の詩魔法は、塔の力を使って爆発などを起こすものであるのに対し、ヒュムノスとは塔を制御するものである。得てして詩魔法では出来ない様々な事が出来、塔の形を変えたり、機能を停止させたり、ガーディアンを統率したりと、その効果は全く違う。少し突っ込んだ話をすると、戦闘中の詩魔法と言うのは「EXEC_HYMME/.」というヒュムノスによって実行されているものである。すなわち「塔の力を行使して、自らの妄想を具現化し物理的変化をもたらす」プログラムがされたヒュムノスの上で、自由に妄想を描いているだけなのだ。この「EXEC_HYMME/.」というヒュムノスは、全てのレーヴァテイルにプレインストールされている。

DFP
デジタルウェーブフレアパルス/DetailWave Flare Pulse

DFPとは、DetailWave Flare Pulseの省略形である。D波パルスとも言う。強烈なD波(物質波)を瞬間的にフラッシュさせることで、人工的にD波で作られた生命体やメカなどの秩序を破壊する。瞬間的に強烈な導体D波(導力)を発生させるため、十分な導力量の備蓄が必要である。DFPが存在する刻の輪製作所は発導施設であり、故に実現可能なシステムであるとも言えるだろう。

広域拡散導力吸収盤
こういきかくさんどうりょくきゅうしゅうばん/Industrial Power Draining Disc

回転させることによって、その盤面となっているパラメノ吸収盤の導力吸収力を飛躍的に活性化させ、この地表に溢れる導力(導体D波)を最高効率で吸収する円盤。パラメノ結晶にベクトル力を与える事で、導力吸収力が高まることは分かってはいるが、ここまで巨大で均一な吸収板を創る事は困難である。それを為し得た刻の輪製作所が、この地域の導力を一手に担うことになるのは、必然である。

精神世界マップ
せいしんせかいマップ/Soulspace Map

精神世界はディテールを付けることが出来る。そうして生まれたものがダイブした後に現れる精神世界であり、それをシミュレートしているのがダイブマシンである。だがその精神世界は、様々な要素が複雑に絡み合い、ダイブする相手によって、大なり小なり世界が変わってしまう事も事実。精神世界マップは、そんなレーヴァテイルの心の内側を、客観的視点から見るための「心のレントゲン写真」である。すなわち、相手に対する正負の感情や、その時々の衝撃などを全て除外し、現在あるままの精神世界をデータ化したものである。これによって、レーヴァテイルの精神構造が正常か否かをすぐに見ることが出来る。尚、かなりデータ寄りの構造になっているため、この精神世界マップによって過去の記憶や対人関係、想いなどを見ることは出来ない。それはさながらコンピューターのメモリマップを見ているのと同じである。すなわち、各メモリ領域で何がメモリを占有しているのかを見ることは出来るが、その占有している領域にどんな絵や文章が置かれているかなどは見えないのと同じである。

アルシエル
Ar Ciel

今作の舞台の惑星の名前。アルシエルは正確には「Ar_Ciel」と書き、意味はヒュムノス語で「唯一つの世界」。700年前、人類が引き起こした未曾有の大惨事「グラスノインフェリア」によって大崩壊を起こしてしまい、現在では「死の雲海」が地表の全てを覆い、大地を見ることは出来ない。また、人々が作った導力増幅塔「アルトネリコ」がメルトダウンを起こした事による強力な導力の拡散が、高度上空にプラズマ帯を作り、それがブラストラインという場所になって星を取り巻いている。このように現在のアルシエルは半死状態となっており、人々はその中で奇跡的に死の雲海より上に存在する土地に細々と住み、生活を営んでいるのである。

グラスノインフェリア
Grathnode Inferia

アルシエル史上最悪の事件と言われている、この星に大地も空も無くなってしまった原因となった大惨事の名称。約700年程前、今作の世界から惑星を半周弱回ったところに位置する地域「ソル・シエール」が暴走をした。厳密には、ソル・クラスタ地方の工作員(今作の世界付近に元々住んでいた人々)によって、暴走の引き金を引かれた、というのが正しい。その際に、溜め込んでいた導力を一気に塔の地面下と、高度上空に放出したため、大地はズタズタに崩壊し、空にはプラズマエネルギーの海「ブラストライン」が形成された。当時世界は「ソル・シエール」という地域と「ソル・クラスタ」という地域が緊迫状態にあり、その緊迫状態の元凶であった「アルトネリコ」を沈黙させる作戦が、この大惨事を引き起こしたのである。エネルギー総量としては、現在地球における、世界中の原発と核兵器を全て使い切っても追いつかないほどである。

抗体
こうたい/Antibody

約600年ほど前に突如発生した、新種の生命。人々を無作為に襲い、必ず死に至らしめる。人を殺すために生まれてきたような生命であり、当時世界は抗体駆逐に全力を燃やしていた。その過程で判明したことが、抗体のH波(精神的な波動)の中に、人々を殲滅させる「想い」が存在していた事だった。それにより、この新種の生命は人間を全滅させるために惑星アルシエルが放った刺客である、という概念が人々の中に浸透し、その為(星にとっての)抗体、という言い方が定着したのである。抗体の力は強大で、その身体は自由自在に変化するにもかかわらず、岩のように硬い。また、死の雲海やブラストラインに入っても消滅せず、導力を吸収し自らの力とするため、倒すのは容易いことではない。

グランヴァートゲージ
Granvert Guage

この塔を縦に走る鉄道。その軌道はこの塔が完成したときには既に作られており、そこに車両を通すことで共用を開始したと言われている。運用開始はすでに600年以上も前である。当時、まだアルキア、クラスタニアも無い時代、そして人間とレーヴァテイルがそれ程敵対視していなかった頃に作られたこの軌道は、当時世界の中心だったアルキアから、この塔のどこにでも簡単に行けるようにと運用開始された。現在では、塔を仕切るクラスタニアによって、厳しく護られて運用されている。特に、人間がグランヴァートゲージに乗ってクラスタニアに入り込まないよう、アルキアとクラスタニアの間にある「ニェハル信号所」と呼ばれる場所で、厳しい検問を行っている。基本的に歯車をかみ合わせて車両を動かす「アプト式」に近い構造のため、スピードは大変遅い。それでも、一部区間(駅間が長い、アルキアよりも下側など)では、それなりのスピードを出している。

にゃにゃ屋
にゃにゃや

アルキアの「管八廃油温泉」に存在する、何でも発明工房。元鉄工所の廃屋を借りて使っているため、そのなりは厳ついが、扱っている商品は薬やぬいぐるみから人工衛星まで様々。この店を切り盛りする店主は「沙亜紗(さーしゃ)」という13歳の少女である。だが侮る事なかれ、この年齢にして既にヒュムネクリスタルの解析も行える程の天才少女なのである。にゃにゃ屋は元々、アルトネリコⅡの世界「メタ・ファルス」に存在していた、「よろづ屋駅」の駅ビル(!)である。その店の店主であるさーしゃがこの塔に渡って来ることになったため、店自体もこちらの世界に引っ越してきたのである。メタ・ファルスにあった頃のにゃにゃ屋は、一日の来訪客数が四人などという時もあり、かなりの貧乏生活だったという。果たして現在のにゃにゃ屋は如何ほどのものなのだろうか。

ブロッキング手術
ブロッキングしゅじゅつ/Blocking Operation

レーヴァテイル質が発症した第三世代は、定期的に延命剤を投与しなければならない。それは大変な苦痛を伴う上に、延命剤を買い続けなければならず、かなり家計的にも負担になる。アルトネリコⅠ、Ⅱの世界である「ソル・シエール」「メタ・ファルス」ではそれぞれ、そうと分かってはいても、このレーヴァテイル質と共存していくしか道はなかった。だが、第一紀からの文明レベルを継承する今作の世界では、一度発症したレーヴァテイル質をまた押し込んで戻してしまう施術が存在する。それがこの「ブロッキング手術」である。アルキア研究所が開発した施術であり、この治療を受けることで、100%レーヴァテイル質を抑え込む事が可能。ただし、発症と共に現れるタトゥは残るため、レーヴァテイル質が発症したこと自体を消すことは出来ない。アルキア研究所は、この施術をほぼ無償で行うサービスをしており、主に貧しい家で発症した子を中心に、毎日この施術が行われている。

J&C
ジャックアンドクルシェ

正式名称も「ジェーアンドシー」と呼ぶ。社員数ニ名の合資会社(?)。そのニ名の頭文字をとってJ&Cなのである。仕事内容は、いわゆる何でも屋だが、汚れ役と言わざるを得ない任務も多い。危険なことや、足が付くとまずい事を代行してやってくれる。その分報酬も高い。また、社員のうちの片方が、波動科学にそれなりに精通しているため、塔のハッキング等も請け負うようである。取引先の殆どがアルキア研究所。表だって動けない作戦には、J&Cが絡んでいることが多い。

ゲロッゴ
Gergo

発祥はメタ・ファルス。発祥の地では、その地域を治める「御子」という立場の女性がゲロッゴに目がないこともあり、大変活発な販売活動が行われているとか。今作の世界にゲロッゴが持ち込まれたのは、当然さーしゃの輸入(?)によるものだが、そのダサカワイイ容姿はソル・クラスタの女性にも人気は高く、今巷では隠れファンが続出なのだそうだ。メタ・ファルスではあまりの人気の高さ故に、ゲロシゴのようなパチモンや派生ゲロッゴも生まれているが、こちらの世界ではまだそこまでには達していない。

メインフレーム
Main frame

システムの中核をなす情報処理演算装置のこと。今回の世界に存在する塔「ハーヴェスターシャ」と、ソル・シエールに存在する塔「アルトネリコ」には、このメインフレームがある(メタ・ファルスの塔は、アルトネリコのメインフレームが管理している)。メインフレームの役割は当然ながら多岐にわたるが、目に見えてわかる重要な役割はレーヴァテイルのコスモスフィアの維持管理と、詩魔法の発動処理、そして塔のメンテナンスである。また、その性能差も顕著であり、アルトネリコのメインフレームが単なる情報処理装置であるのに対し、ハーヴェスターシャのメインフレームは量子演算法を用いた人工知能搭載機である。それによって、ハーヴェスターシャのメインフレームは、それ自身が思考を持ち、判断し、自己維持管理が出来る。アルトネリコのメインフレームは単純オートメーションであり、オリジンがそのほぼ全てを監視するものである。

リンカーネイション
Rinkernator

塔の上の方に存在する施設で、塔の電源スイッチ的な役割を担う。この施設は、今作の世界の塔「ハーヴェスターシャ」と、ソル・シエールの塔「アルトネリコ」に存在する。それぞれのリンカーネイションは、基本的な役割は同じであり、このプラグを引っこ抜く事で塔全体の殆どの導力と、それを使うシステムは停止する。維持しなければならないものである、レーヴァテイルの精神世界サーバー(SHサーバー)など数種のシステムを除き、全てのシステムがサスペンド(休止状態)になるのである。基本的に塔は永久的に稼働し続ける必要があるため、このリンカーネイションを用いた導力の遮断は全くする必要はない。だが、管理者の世代交代の時だけは、それをしなければならない。その為だけにこの施設は存在するのである。管理者の世代交代は、塔を管理するオリジンと呼ばれるレーヴァテイルを別のオリジンに交換する作業の事を言う。この時、全てのシステムを一度終了しておかないと、世代交代した瞬間にエラーを出しまくる事になる。

メタ・ファルス
Meta falss

今作の世界から、星を1/3周ほどしたところに存在する地域の名前。前作であるアルトネリコⅡの舞台となった場所。元々は高山に囲まれた素朴な地域であったが、ソル・シエールとの邂逅により、一躍世界の注目を浴びることになった。独特のスピリチュアル思想が根付いている地域でもあり、他の文化圏とは少々考え方が違う。「メタファリカ伝説」という、詩によって緑の大地を生み出すといった伝承を、民は全員信じており、それによって前作では、メタファリカと呼ばれる大陸を生み出すことに成功した。今作の時間軸でも、そのメタファリカが遠い場所で浮いているのである。客観的に見て文明レベルは低いと言われているが、一部において、他の文明圏を遥かに凌駕する分野も存在する。それがヒュムノスの分野である。この地域にしか存在しないI.P.D.と呼ばれるレーヴァテイル種が存在する他、I.P.D.にしか使えない新ヒュムノス「新約パスタリエ」が存在するなど、第一紀の遺産を食いつなぐ他の世界とは違い、グラスノインフェリア以降に輝かしい成果を上げているのである。

SHサーバー
スタティックヒュムノサーバー/Static Hymmno Server

正式名称は、Static Hymmno Server(定常H波サーバー)。簡単に言えば「精神世界保管庫」である。レーヴァテイルと呼ばれる個体の全ては、このSHサーバーに本当の精神が存在する。乱暴な言い方をすれば、相当に巨大なメモリ空間である。SHサーバーが爆破されれば、全てのレーヴァテイルは死滅してしまう。その為このサーバーは、ソル・シエールの塔「アルトネリコ」では、限られた人しかその場所を知られておらず、現在においては塔の管理者であるシュレリアしかその場所を知る者はいない。今作の世界のSHサーバーもまた、その存在を知る者は少ない。SHサーバーは、そのサーバーを管理する、身体を持たない仮想的なβ純血種である「β-6D」と呼ばれる管理者によって管理されている。

クラスタニア
Clustania

レーヴァテイル・β純血種達が住む町。実質、この世界の行政中心。人間支配についても、この街によって行われている。そして最大にして最高水準の設備レベルを誇る。町は大きく分けて三つの区画に分かれている。それぞれは「レーヴァテイル街区」「スレイヴ街区」「行政街区」に別れている。レーヴァテイル街区は支配者であるレーヴァテイルが住む町で、木でいうところの生い茂る葉のあたりに存在する。非常に快適で、一人あたりの面積、環境、サービスなどが完全に計画されている。スレイヴ街区は人間の住む町である。こちらは木で言うところの根っこのあたりに存在する(図では、下の赤い光のラインが縦横に走る暗闇の部分)。面積はとても小さい。家も非常に狭く、生活に必要なものしか与えられていない。最後に残る「行政街区」はそのまま、行政を行うところで、レーヴァテイル街区の真ん中にある真鍮製のパイプの束のような部分の事である。ここで主に行っていることはクラスタニアの環境維持と、ダイブ、スレイヴ管理、そして製造計画。中でも製造計画が最も重要で、常にクラスタニアのレーヴァテイル環境が最高の状態で維持できるように、レーヴァテイルの製造をコントロールする。そしてこの行政街区の中に、β用の三極式培養槽が100基近く存在する。

テロメア
telomere

地球におけるテロメアとは、遺伝子DNAの先端についている部分の事で、魂の回数券などと呼ばれたりしている。そのレーヴァテイル版のこと。中核三角環を構成するヒンジの部分である六角環に存在しており、このテロメアがレーヴァテイルの寿命を決定している。テロメアはレーヴァテイルの有効期限を決定づける要因であるが、それ単体がエネルギー源というわけではない。すなわち、レーヴァテイルの死期を決定づけるカウントダウンタイマーなのである。レーヴァテイルにテロメアがある理由は、実効時間を過ぎたレーヴァテイルには動作保証が無い為である。レーヴァテイル(β純血種)は150年生きるが、その間に様々なコントロールが効かなくなったり、故障個所が出たりする。また、中核三角環の損傷により、精神に支障を来したりする事もある。その中核三角環の動作保証期間が150年程度なのである。それを過ぎた場合、中核三角環が停止するか、もしくは異常動作をするようになってしまう。そうなる前に、潔く電源を落としてしまおう、という考え方に基づいて生まれたのがテロメアなのである。だが、このテロメアに、制作当時は予想だにしなかった事が現時点で発生している。それは、一つの中核三角環に二人分以上のSHアドレス(精神世界)が存在する場合、カウントがその数分だけ減っていくという事である。それによって、サキやフィンネルは、寿命が極端に短いという現象が発生している。テロメアをカウントアップする方法によってこれは回避できるが、根本的な対処方法は現在は無い。

抗体頭脳
こうたいずのう/Antibody Brain

「人間に対する刺客」と言われている抗体の、総元締めに当たる個体。600年程前に抗体が誕生してから、人々は抗体について、様々な研究調査をしてきていた。そこで一つ発見したことが、抗体には抗体頭脳という取り仕切りをする者が一人存在する、という事である。すなわち、抗体は全ての個体において、この抗体頭脳の命令によって動いているという事である。抗体はしばしば連帯行動を取る。それによって町の壊滅はほぼ一瞬であり、人々はその連携に怯えた。そしてそこから、抗体は個々の意志以上の存在によって動いているのではないかという仮説が浮上し、研究の結果抗体頭脳が存在するという結論に至った。抗体頭脳のことを「アル・ルゥ(Ar_ru:唯一つの意志)」と呼んでおり、現在ではそのアル・ルゥを具現化し、何とかする方向に抗体対策はシフトしている。

ラウドネス博士
Dr.Roudness

元アルキア研究所の、第一研究室主任。ラファエーレと同じ研究室であり、ラファエーレはラウドネスの部下である。かなり頭も良く、実力でこの地位まで上り詰めては来たが、如何せん対人関係には弱く研究バカである為に、周囲の評判はあまり良くなかった。ラファエーレは研究成果自体はそこそこであるが、人当たりが良く社交的であるため、周囲に味方も多かった。ラウドネス博士は人類進化計画の遂行のために必要な「大地の心臓」を、自ら率先してメタ・ファルスへ取りに行き、その地で命を落としてしまう。だが、これはラファエーレの謀略が大きく関係しており、ラファエーレはラウドネスがメタ・ファルスに赴いた後に、すぐに主任の座に就く。そしてそのままトントン拍子で所長まで登っていってしまったのである。結局研究所の抗体撲滅計画において、大地の心臓は必要が無くなり(サキの開発により代替したため、必要が無くなった)、ラウドネスはメタ・ファルスへ行き損になってしまった。ラウドネス博士がメタ・ファルスへ向かう際に一つだけ気がかりだったのが、置いていくことになる娘のことであった。だが、心配することもなく、娘は元気に育っている。

ワクチン
Vaccine

ここでいうワクチンとは、抗体頭脳を中和し無害化する、というサキの能力についてを指す。厳密には、サキにダウンロードされているヒュムノス「アルファージ」のこと。ラウドネスが「大地の心臓」を取りに行っている間に、もう一つのアル・ルゥ撃退案が浮上した。それがワクチン案である。大地の心臓が必要だった理由は、大地の心臓によって、姿形のないアル・ルゥにボディを持たせて物理体にしたかった為である。だが、ラウドネスを送り込んだ後、数年経っても帰ってこない為、アルキア研究所(というよりラファエーレ)は大地の心臓を使う案から、より若手の提唱していたワクチン案に切り替えることにしたのである。ワクチン「アルファージ」は、アルキアが開発した特殊なレーヴァテイルである「γ昇華体」にのみ搭載することが出来る、特殊なヒュムノスである。γ昇華体とは、通常のレーヴァテイルより精神周波数が高い、いわゆる精神体を受け入れる器の大きな個体の事である。

γ昇華体
ガンマしょうかたい/γ Sublimator

オリジンでもβ純血種でもない、第三のレーヴァテイル種別。アルキアが開発したが、現在プロトタイプ1基を製造したところでストップしている。その1基とはサキのことである。γ昇華体は、構造自体はβと殆ど変わらない。だが、その精神世界の最高周波数が、通常のレーヴァテイルより極端に高く設定されている。ダイブレベルで言えば、レベル24相当まで存在する計算になる。ただし、人間の方がついて行けないため、ダイブはやはりレベル9までしか行うことは出来ない。プロトタイプというだけあって、現時点では全てが試験中であり、それをサポートする専用ツール類も殆ど存在しない。例えば先に挙げたレベル10以上の精神世界領域へのダイブも、本来は何らかの形で可能にしなければ、本来のγ昇華体のパフォーマンスを発揮する事は出来ないだろう。また、γ昇華体は複数精神の同一ボディ内への共存をサポートしているが、これもまだメンテナンスが出来るツールが完全には無く、全てを監視することは困難である。なぜこのような不完全な状態で、サキを実用レベルで運用したかといえば、一重に有る程度緊急性を要する案件の為に作られたためである。その案件とは、アル・ルゥの沈静化による抗体の撲滅である。尚、この広大な周波数帯域を持つγ昇華体は、当然他のβ純血種とSHサーバーを共有することは不可能だ。その為、γ昇華体のSHサーバーはβ達のそれとは違うところに存在する。それは単刀直入にいえば、オリジン・ティリアのバイナリ野内に存在しているのである。ティリアがサキのβ-6Dとしての機能を果たしているのだ。そしてそのお陰で、アルキアがβ純血種のSHサーバーにウイルスをばらまき、停止させた時にも、サキだけは何の影響も受けなかったのだ。

原初の塔
げんしょのとう/Tower of Origin

今作の地域「ソル・クラスタ」に塔「ハーヴェスターシャ」が建つ前、そのベースキャンプとなっていた塔があった。それを現在では「原初の塔」と呼んでいる。アルシエル史にはもう一つの「原初の塔」があり、そちらはソル・シエールの塔「アルトネリコ」の準備段階に立てられた実験塔である。すなわち第一塔の原初の塔であり、こちらは第三塔の原初の塔、ということになる。原初の塔は現在、全く機能していないと言われている。アルキアの街の中心に位置し、途中でポッキリ折れた試験管のような形をしているのがそれである。今作の塔「ハーヴェスターシャ」が作られるまで、この地にはこの小さい塔が一つあるだけだったのである。ベースキャンプというだけあって、この塔の中には当時の最先端技術が集約されていた。そして、上層部にはこの原初の塔で働く人達の、巨大な町が形成されていたと言われている。

絢胤妖家
あやたねようけ/Necrohouse of Ayatane

第一紀(グラスノインフェリア前)に、アルトネリコ崩壊を目論むソル・クラスタに加担したテル族の一派である。ソル・クラスタではテル族の事を「妖家(ようけ)」と言い、絢胤妖家とは、ソル・シエールで言えばムノフ(特殊能力は「予知」で、護は無し)に当たる。すなわち、アヤタネとはテル族の流派の事を言う。そして今作のアヤタネ(絢胤紅葉)の正式な名前は、ソル・シエール的に言えば、クレハ・ペル・キリナミ、となる。アルトネリコⅠに登場したアヤタネも、正式名は絢胤箕嵩霧浪。絢胤妖家は予知能力を持っている。それならば何故、グラスノインフェリアを予知できなかったのか、という疑問が湧いてくる。理由は簡単で、「分かっていたから起こした」のである。当時、テル族は人間が壊しまくったこの世界を捨てようとする機運が高まっていた。特にソル・クラスタに暮らすテル族は、大崩壊が起こる数年前にソル・シエールが起こした「七つの血痕事件」で怒り心頭だったのだ。七つの血痕事件の後に、絢胤妖家はその未来を予知した。そして、あと10年としないうちに、この世界に人が住めなくなることを知ってしまったのである。だが、予知はあくまで想像できる未来でしか行うことが出来ず、この場合の予知は「増幅塔アルトネリコがこのまま稼働し続けた未来」の予知になる。そして、この運命を変えるべく、他の妖家とも結託し、ソル・クラスタ連合軍をけしかけたのだ。結果歴史は変わり、700年たった今も人々は暮らしている。だが、首謀者の妖家達はこの結果を大いに悔やみ、そして二度と人と関わらないで生きていく事を決めたのである。しかし、絢胤妖家にとって、それは耐えられないことだった。なぜなら絢胤妖家は予知が出来るため、知りたくもない未来をドンドン知ってしまうのである。少なくとも、大崩壊後の700年の間に、世界崩壊の危機に直面した瞬間が三回はあった。そしてそれが阻止された裏には、絢胤妖家の暗躍があったのである。人間は何度も同じ事を繰り返すものである。七つの血痕事件以来特に人間嫌いになっていた妖家は皆、世界が崩壊しようとも、人間とは関わりたくないと思っていた。だが、絢胤妖家は見てしまったのだ。この世界をレーヴァテイルの詩が救うという予知を。結論から言えば、それはレーヴァテイルだけの力によるものではない。人間との協力で成り立つものである。だが、妖家にとって人間は悪であり、また予知では単純な答えしか返ってこないため、「レーヴァテイルは世界を正常化するトリガーを持っている」という事しかわからない。結果、まだこの世界が再生の道を歩める希望を持った絢胤妖家は鎖国をやめ、当時建国したばかりだったクラスタニア(レーヴァテイル国家)を支援する事にしたのである。クラスタニアもまた、人間を嫌っていた。そしてクラスタニアは絢胤妖家の予知の通り、世界の再生を目的としていた。こうして絢胤妖家はクラスタニアのレーヴァテイルと共に歩むことになる。

惑星再生計画
わくせいさいせいけいかく/Planet Regeneration Project

第一紀終焉の頃に、世界規模で行われていた計画。国境を越えた組織であるAHPP(アルシエル・ヒーリング・プラネット・プロジェクト)によって計画、実行されていたものである。惑星再生計画は、その緊急性と難易度の高さから、ほぼ全ての計画と実行がバクチの連続だったという。そして、今作の世界に建つ塔「ハーヴェスターシャ」も、そして今作のオリジン・ティリアも、この惑星再生計画によって誕生したものなのである。 結局、AHPPが惑星再生計画を成功させる前にグラスノインフェリアが引き起こされ、それ以降も少しの間組織は存続されたが、それもすぐに立ち消えてしまった。AHPP本部のあったソル・シエールがそれどころではなくなってしまった為である。そしてAHPPは、その実働最前線であった今作の世界にのみ、その名を残すことになった。更に、この時にプログラムされたAHPPの様々な遺産は、今でも今作の塔「ハーヴェスターシャ」の行動の基盤になっているのである。

クロガネ
Kurogane

惑星再生計画AHPPにおける最重要人物であり、ティリアの設計者でもある。非常に偏屈で、研究者としては優秀でも人としては全くダメな存在だったらしい。AHPPでは、その実働において彼無しでは進行できなかったという程に、独自の理論を展開し、それを確実に積み上げていっていた。だが、グラスノインフェリアの直前にさしかかる頃、ティリアの高周波特性の検証が上手くいかず、実績が上がらない上に予算が莫大だったことからスポンサーにより方向転換を命じられる。そして、クロガネはその主任から下ろされてしまうのである。その後、AHPP本部の興味は建設中だったメタ・ファルスの塔に向かうが、クロガネはその後も第三塔で、切り詰められた予算の中で研究を続けていた。だがそれもソル・シエールの本部に奪われ、完全に生きる気力を失ってしまうのである。クロガネの死因は自殺であると言われているが、その詳細を知る者は今となっては誰もいない。

クロガネ研究所
Kurogane Lab

クロガネが今作の世界に作った施設であり、それはイコール原初の塔であり、そしてアルキア研究所の前身でもある。クロガネ研究所は、グラスノインフェリアが起こった後も、数十年は問題なく機能していた。そしてそこでは、グラスノインフェリアに関係なく、AHPPの指揮も関係なく、クロガネの独断で計画は続けられていたのである。クロガネの死とほぼ時を同じくして、研究所内でβ純血種の暴動が発生し、それを止める術がなかった当時の研究所は壊滅的な状態になってしまう。そしてこの時点でクロガネ研究所は閉所となってしまうのである。蛇足だが、この暴動の後に作られた組織がクラスタニアである。

総意
そうい/Consensus

「全てを取りまとめた意見」を総意というが、この作品内での使われ方も、それ程ずれてはいない。ただ、ここでいう総意とは、厳密に言えば「惑星アルシエルの想い」の事を指す。惑星は人間より遥かに高位の生命である。少なくともこの世界では、それが定説となっている。そして高位の次元を持つ生命は、人間のように単一の意志ではなく、複数の意志を一つの個体の中に共存させているのである。だが、この物理世界(三次元世界)でそれを行動に移すとき、一つの結論に達し、そのシングルなタスクを処理する必要が出てくる。そんな時に必要なのは、アルシエルの想いを総じてまとめるとどうなるか、といった事になってくる。それが「総意」である。

VR21

第一紀の遺産である、超高機能ダイブマシン。現行のダイブマシンをゲーム機とするならば、VR21はゲーム開発機材と言っても過言ではない。レーヴァテイルの精神操作におけるその殆どをサポートしており、その個体の容姿すら変えることが可能である。テポのような、ダイブマシンの中で活動するプラグインは、このダイブマシンの性能差によって、テポ自身の能力が一変する。通常のダイブマシンではクラックの検出とテーブルの書き換え程度しか出来ないが、VR21内では、先に挙げたような事全てができる。だが、当然色々なことが出来るという事は、大変複雑であり、難解であるという事にもなる。アルキア研究所によって発見されたVR21は、まだ全機能の30%程度しか解析されていないという。

レベル17
Level 17

通常、ダイブレベルは9で完了する。それは人間の想いの最高値が、レベル9相当である為である。だが、周波数は無限の高さまで続いているのは説明しなくても明白であろう。レーヴァテイルであれば潜在意識、そしてそれより高周波に存在する共有意識なども、実際はレーヴァテイルの個体を形成する上では存在している周波数帯域なのである。だが、このレベル10以上の精神世界は、ダイバーにとっても長く留まることが出来ない(精神を食われてしまう為)世界であり、レーヴァテイルにとっても全く認識出来ない世界である。だが、惑星にとってレベル17とは、さほど高いレベルではない。今回アル・ルゥと接触するためにレベル17に瞬間ダイブをしたが、それはアル・ルゥの精神世界がレベル17から開始する為である。

コスモグラフィ
Cosmography

精神世界マップと同義である。詳細は精神世界マップの項目を参照。

アルキア研究所の派閥
アルキアけんきゅうじょのはばつ

アルキア研究所内では、大きく分けて二つの派閥が存在していた。それが「ネオアトラス派」と「エンシェント派」である。ネオアトラス派は、人類進化計画によって生きながらえる方法を追求する派閥であり、エンシェント派は、過去に失敗して終わっているAHPP惑星再生計画を再度実行し、成功させようとする派閥である。もっと簡単に言えば、今後人がこの世界で快適に暮らすために、ネオアトラス派は人間を現在の環境に適応させる研究をしており、エンシェント派は惑星を回復させて元通りにする研究をしているのである。現在、エンシェント派はラファエーレによって研究所から追い出されてしまった。ゲーム開始時点では既にエンシェント派はアルキア研究所内には存在しない。命からがら逃げ出した元エンシェント派は、刻の輪製作所を拠り所にして細々と研究を続けている人が多い。カテナもその内の一人である。

HWアンテナ
ヒュムノウェーブアンテナ/Hymmno Wave Antenna

HWとはHymmno Waveの略。日本語で書けば「H波アンテナ」となる。高出力の想いの波動を出すアンテナのことで、簡単に言ってしまえば強烈な洗脳装置である。だが、それは人間に対して使うときに、出力の都合でそのような不具合が発生してしまうだけであり、本来の用途として使う為には、この高出力なアンテナは必要不可欠なのである。その本来の使用用途とは、惑星の意志との対話である。このアンテナは、どのような状況でも展開できるように、物質によって出来ていない。エネルギー体(導体D波)を拡散させ、その上に強力な導体H波を乗せる事で拡散している。これによって、宇宙でも岩の中でもどこでもアンテナを展開することが可能なのである。

首の後ろのクリスタル

ラファエーレの首の後ろにはクリスタルが埋め込まれている。アルキア研究所のネオアトラス派の幹部には、ほぼ間違いなく、このクリスタルをどこかに埋め込んでいる。前作で登場したラウドネス博士は、更に露骨に頭頂部に埋め込んでいた。このクリスタルは、人類進化計画後にとても重要な役割を持つことになるものである。人類進化計画は、人間を二つの種族に分ける。それが隷属種と支配種である。そして支配種になる為には、このクリスタルが絶対に必要になってくるのである。

レーヴァロイド
Revaroid

人類進化計画後における隷属種の事を、レーヴァロイドと呼ぶ。隷属種は自我を持たない。いや、その構造上持てないのである。そしてそれ故に、隷属種は支配種によって指示をもらう必要がある。その指示を出すために必要なものも、前項で説明したクリスタルである。レーヴァロイドは、人間と抗体とレーヴァテイルをかけ合わせた新人類である。厳密には、人間と抗体をかけ合わせたものであり、レーヴァテイルはその「糊」の役割をするに過ぎない。アルキア研究所がクラスタニアのレーヴァテイルを繁栄させていたのは、来るべき時の為に、この「糊」を沢山確保するためである。また、光五条の妹が変死した件も、この「糊」のテスト実験で使われた為である。

ルーク
Luke

アルトネリコⅠの世界、ソル・シエール出身のエンジニア。そしてクルシェの元彼でもある。ソル・シエールでは、ほたる横丁という町で、飛空艇関係のエンジニアをやっていた。クルシェとも仲睦まじい日々を送っていたが、ある日突然、完成した飛空艇で世界の果てに向かい、そのまま帰ってこなかったのである。この衝撃的な事件をきっかけに、クルシェは飛空艇のエンジニアになることを決意し、今に至っている。その後ルークは、今作の世界ソル・クラスタに辿り着き、そこでアルキア研究所の研究者として迎え入れられる。エンシェント派としてしばらく研究生活をしていたが、突如死の雲海の下に興味を抱き始め、自ら研究のために何度も死の雲海の下へと足を運ぶようになる。そしてある日、遂に死の雲海へと旅立ったまま消息不明となってしまった。

ハーヴェスターシャ
Harvestasha

今作の世界の塔「ハーヴェスターシャ」のメインフレームの名称。また、そのメインフレームのある部屋の事を指す。正式にはモジュール・ハーヴェスターシャ。ニ基存在し、片方は原初の塔の中に、もう片方はティリアヘッドと言われる場所(現クラスタニア)に存在する。それぞれ、XPエディション、VISTAエディションという名称が付加されて、それぞれを識別できるようになっている。VISTAエディションは、XPエディションが生み出した複製であり、この複製は惑星再生計画にとって必要不可欠なものとなっている。なぜならXPエディションは惑星と対話するという相当に高度な演算を行う、惑星とのダイブマシン機能として作られており、それ故に惑星にダイブした後に地上に帰ってくることはない。その為にVISTAエディションによって塔の管理とXPシェルの発射準備、弾道計算などを行ってもらう事になっている。

XPシェル
XP Shell

アルキアにある原初の塔の上空に配置されている物体。それは惑星のコアに向けて打ち込まれる「弾丸」であり、惑星と対話するためのダイブマシンそのものでもある。普段は一つの個体として存在しているが、実際に惑星と対話するときは、このボディが「ドーム」と「ウイング」とよばれる二つの部位に別れる。そしてそれぞれは細くて長い蛇腹通路によって繋がれる。「ドーム」は惑星とのダイブを行うための部屋であり、その名前の通り、部屋の内部は球状になっている。このドームは、そのままモジュールハーヴェスターシャ・XPエディションの部屋そのものであり、XPエディションが惑星との対話を目的として作られたメインフレームであることを裏付ける形となっている。ウイングはXPシェルのコンソールに当たる部分で、また、惑星内部で対話が終了した後に、ダイブ要員を無事地上に還す役割を担っている。

DH両方のセンサ
DH Sensors

DとはDetail Waveの略でD波、物質波のこと。HとはHymmno Waveの略でH波、精神波のこと。D波センサとは、人間で言うところの「目」にあたり、H波センサとは、「耳」にあたる。すなわち、目も耳も使えなくなった、ということが言いたいのである。

HFダイブ制御
Hymno Frequency Dive Control

HFとはHymmno Frequencyの略で、簡単に言えば「H波周波数」と訳すことが出来る。すなわち、H波周波数のバンド調整とエネルギーを調整することで、ダイブの制御をする、という意味である。

カイラ吸収板
Kaira Drain Plate

今作の塔「ハーヴェスターシャ」にある施設の一つで、ティリアヘッド付近に点在する、浮遊する多数の円盤のこと。塔「ハーヴェスターシャ」が作られたときに同時に計画されていたことに、導力(導体D波)を無限にジェネレートする永久機関を搭載するというものが存在していた。その片割れがカイラ吸収板である。実際これは、塔が未完成で終わっていることと予算の都合で、無用の産物として現在まで何の役にも立っていなかった。本来の計画では、このカイラ吸収板と対を成す、カイラ静止衛星というものが存在する筈なのだが、現在それが存在しない。カイラ静止衛星は、静止衛星軌道上に衛星を打ち上げ、太陽エネルギーを最高効率で導力に変換、そして高出力でカイラ吸収板に向けて射出するもの。トランスミッタがないレシーバーは、何の役にも立たない。今回のカイラ吸収板がその良い例である。

ソル・シエール
Sol Ciel

この世界に初めて建った導力増幅塔「アルトネリコ」。その所在がソル・シエールである。第一紀、グラスノインフェリア直前において、この世界で最も進んだ文明を持ち、最も強大な力を持っていた地域と国家である。現時点では、第三塔のあるソル・クラスタの方が文明レベルが高いが、それはソル・シエールが二度にわたる大崩壊を経て、文明がかなり衰退してしまったためである。かたや第三塔では、第一紀終末にソル・シエールの技術をまるごと持ってきている上に、それが現在まで生き続けているため、本来のソル・シエールの文明は今作の世界に息づいているとも言えよう。現在のソル・シエールには、塔「アルトネリコ」と、その中腹に存在する浮遊大陸「ホルスの翼」が存在する。シュレリアを中心とする塔を管理する組織「プラティナ」のコントロールにより、文明レベルは行きすぎないように抑制されており、それ故に平和な世界を形成しているとも言える。プラティナが文明レベルを抑制しているのはひとえに二度の大惨事が全て文明の奢りによるものだった為である。

・コンチェルト1用語

表題
ひらがな読み/英語表記

説明の内容

ウェーブバースト
Wave Burst

この世界の太陽ベゼルから降り注ぐ、生命に有害な波動のこと。通常状態の太陽であっても降り注いでいる電磁波や放射線、太陽風のことであるが、ベゼルは既に寿命を迎えた巨星であるため、特にこれらのエネルギーが高い。その為人々は、シェルと呼ばれる天蓋によって護られた僅かな土地に密集し、住んでいる。

縷縷
るる

縷萌台にある昔ながらの雑貨屋。この世界のセレブ達が集まっていた50年前よりも昔からここにあった店で、当時はこの周辺のセレブ御用達のお店であった。創業主であるロウホイは、この世界にあるものなら何でも揃う、を目指してこの店を切り盛りしてきた。実際、当時の常連客は「この店に来れば何でも揃えてくれる」と驚きと共に語っていたくらいである。その創業主のモットーは、とにかく新旧問わず、どんなものでも問わず雑貨と思わしきものは全部揃える、という事であった。それは今の代の店主ルウレイにも引き継がれている。

アタシが昔着てた服
ひらがな読み/英語表記

ルウレイが若い頃に着ていた古着である。この服のサイズからも分かるように、ルウレイは昔とてもスレンダーで、街中でちやほやされていたとか。聖歌隊の服のようであるが、これは当時のルウレイの趣味である。若かりし頃のルウレイはかなりの乙女であった事が窺える。

対波動シェル
たいはどうシェル/英語表記

帝都を太陽の有害な電磁波・放射線から護るために創られたドーム。町全体をすっぽり覆ってしまうほど巨大なものであり、このようなものを創れることからも文明を感じることが出来る。だが、その強力な太陽エネルギーによって、当初の想定よりも遥かに老朽化が進み、現在では「剥落」と呼ばれるシェル落下が発生している。シェルの落下によって下敷きになる町も少なくなく、地上に住む人々は毎日、テレビの剥落予報を見逃せない。

皇位継承の儀
こういけいしょうのぎ/英語表記

皇帝になるために行われる試練のこと。皇女候補は全てのステータスを剥奪され、その試練の間全ての民の中で最も低い地位になる。その状態で皇女は自分の力で三年間を切り抜け、宮城に帰還しなければならない。そして帰還した際に行われる国民投票で、最高の票数を得た者が皇帝となる。 三年間は身分証明も無くお金も一切持ち合わせていない。一人ではどこにも入れず、何をする権利もない。その為、如何にして他人を惹きつけやってもらうか、というところが生き延びるポイントとなる。

皇帝
こうてい/英語表記

この世界を総べる者のこと。この世界ラ・シェーラには実質的な国家はこの「帝国」一つしかない。そのため、皇帝とは世界最高位の存在となる。また、皇帝の名は「ラシェーラ」であり、それ以前にどんな名前であろうが即位と共にラシェーラという名前だけとなる。それはすなわち、星の人となるということ。皇帝は人間の感情限界である、精神周波数11MHz以上を授かっている。また、特殊な声帯を継承することで、人間の声とは思えない声で詩を謳う事も出来る。皇帝はこの世界を安定させるために様々な祭祀を行うが、それは形骸化したものではなく、しっかりとした効果を持つものである。

皇女
こうじょ/英語表記

正式には「皇帝候補」。皇帝になる資格を持つ者のことを、この世界では「皇女」と呼んでいる。大抵、いつの時代にも皇女は2~3人ほど存在する。そして、次なる試練の三年間に向けて、教育されているのである。

天文
てんもん/英語表記

天文の正式な名前は「帝立天文学量子波動学研究所」。宇宙や時空間の専門を扱うため、「量子力学」をベースとした研究機関の組織である。発足当時、天文は単体で動くことはなく、常に地文の付属組織として活動していた。それは当時の「生命救済計画」が、「科学技術」と「ジェノムの魔法力」の融合によるものであったためだ。また「生命救済計画」という、全人類レベルにおいて最優先の課題を背負っていることもあり、行政にも関わっていた。その後シェルノトロンの発明と普及により、地文よりも権力の強い組織となっていき、現在に至る。

皇女の衣
こうじょのころも/英語表記

試練の三年間において重要な要素として「皇女の衣」というものがある。これは、皇女が初期状態で全員身に纏っている布のことで、だいたい2m四方の布だ。この布は、唯一自らが正統なる皇女であることを証明する手段である。当然この布を失えば、皇帝になる権利は剥奪されてしまう。 だが、一片でも持っていれば権利は十分にある。最終的に持っていればいいのは1cm四方の欠片で、それ以外は自由に使って良いという事である。

ジェノム
Genom

ラシェーラ人は、ある種の生命と意識を通わす事が出来る。その「生命」とは、あらゆる動物(例えば蝶や鳥、犬など)の中に存在する突然変異体ともいうべき存在で、通常の生命とは違い三重螺旋以上の遺伝子DNAを持つのである。ラシェーラ人はその突然変異体をジェノムと呼んだ。ジェノムは、人間のような二重螺旋遺伝子体には絶対に真似のできない「詩によって超常的な力を行使する」能力が備わっている。だが、ジェノム自身は詩を謳うことが出来ず、また謳うためのエネルギーも足りないため、人間と契約をすることでそのエネルギーと声帯を使わせてもらうのである。

同調
どうちょう/synchronize

同調とは「心を通わせる」こと。すなわち、人間(契約者)とジェノムの間で、精神世界を共有し、それによってジェノムは人間の、人間はジェノムの力をある程度使えるようになる。もっと明確に言えば、ジェノムを人間の脳内未使用領域に住まわせることなのである。同調には「同調」、「完全同調」、「一心同体」という段階があり、当然段階が上がるほど、引き出せる詩の力は増大する。同僚の段階を上げるためには、お互いを深く知り、受け入れることが大事であり、それは一朝一夕では成し得ることが出来ない。「一心同体」よりも上にもう一段階「唯我」と呼ばれる同調形態があるが、この境地に至ったものは誰もいない。

シェルノトロン
Cielnotron

シェルノトロンとは人工的に作られたジェノムのことである。すなわち、人工的に創られた詩魔法生成機とも言える。シェルノトロンは、その心臓部である「シェルノサージュ管」と、実効果を生み出す「クレイドル」によって構成されている。シェルノサージュ管は殆どの場合、地球でいうところの「真空管」のような形をしており、中には鈍く光るフィラメントのような極板が存在する。そこに宿っている光は、歪力から抽出されたエネルギーTz波である。

ジェノメトリクス
Genometrics

いわゆる「精神世界」のこと。ただし、狭い意味でジェノメトリクスを説明すると、「ジェノムと同居している精神世界」という表現が最も適切である。ジェノメトリクスの中では、ジェノムとの対話をしたり二人で詩魔法を紡いだりすることが可能。ジェノメトリクスに入るには、ジェノムと同調した上で寝る必要がある。そうすると、夢の中ではっきりとした意識を持って起きるのである。またジェノム達にとっては、ジェノメトリクスは現実と同じ感覚の空間であり、ジェノメトリクス内を移動して他のジェノムと会ったりすることが出来るという。それを応用したのがチェインという技能である。チェインについてはまた後ほど説明することになるだろう。

ファーストハーモニクス
First Harmonics

ジェノムと人間が、これからパートナーとしてお付き合いしていくか否かを決定するための最初の同調のこと。試しに心を通わせてみて、惹かれあえば成立する。そうでなければ拒絶される。ファーストハーモニクスが成就すると、ジェノムと人間はお互い助け合いの関係となり、何か問題が発生しない限り、その関係は続いていく。

声帯域の限界
せいたいいきのげんかい/英語表記

人によって、低い声から高い声までの「出せる幅」は全然違う。この世界ではそれが、生まれながらにして持つ才能の一つとなっている。というのも、発声帯域が大きいほど、強いジェノムとのファーストハーモニクスが成功するからである。ファーストハーモニクスがによる合否は、相性だけではない。寧ろこの発声帯域は、それ以上にシビアな条件の一つである。すなわち、ジェノムが求める発声帯域を相手の人間が持っていない場合、その時点で不成立となる為である。ジェノムにとって、自分が紡ぐ詩を完全に謳えない=本領発揮出来ない相手とくっつくのは死活問題だからだ。

万寿沙羅
まんじゅさら/英語表記

正式には万寿区万寿沙羅。昔、帝都が地上に存在していたとき、政治的な中心だった地区で、今でもその名残である旧帝都関連施設が史跡として多数点在している。現在でも、地上の旧市街における、経済、政治の中心地として栄えている。中でも万寿沙羅一番街は、地上に住む人々にとって一番の商店街で、この地区に無いものはどこにもないと言われているほど。万寿沙羅駅とその駅ビルは、日夜沢山の人でごった返している。

コロン
Colon

空中に浮かんでいる浮遊都市。ラシェーラには、沢山のコロンが点在しており、裕福な人を中心に沢山の人が住んでいる。コロンは自治都市となっており、ある程度の条例はコロン毎に決められる。また、ほぼ間違いなくバースト対策が成されており、地上の街のようにバーストに怯えることもない。逆に、どのコロンも厳しい入居制限があるか、無い場合は倍率1000倍にもなる抽選をくぐり抜けなければ住むことは出来ない。更に入居には莫大な費用がかかる事が殆どで、故に地上に住む人々は、簡単にコロンに移り住むことが出来ないのである。

地文
ちもん/英語表記

正式名称は「帝立ジェノメトリクス同調調停院」。元々は「人間とジェノムが、互いに最大限の利益を保持しつつ棲み分ける為の調停機関」であった。その後、「ジェノムと人間が更に豊かに暮らせる為の施策」として、最先端の遺伝子工学の研究開発を行うようになり、地文は多岐にわたる組織の集合体となった。現在では、ジェノムと同調した場合、その旨を地文に申請登録することが義務づけられており、地文はジェノムを保有する全員の個人情報を持っている。

Tz波
ひらがな読み/英語表記

厳密な言い方をすれば、歪力(わいりょく)という力である。太陽の公転周期によって生み出される、空間の歪みの力のことで、太陽が銀河に対し公転している、その道筋から拡散して来る重力歪みを得ているものだ。いわゆる「エネルギー落差を取得する」ものであって、目に見える形で例えるならば潮力発電のようなものである。天文は静止衛星軌道上に、このTz波を取得するためのベルトを巻いており、常にTz波を供給できる体制を整えた。Tz波はその特性上、季節によって供給量が増減する。夏冬は取得エネルギーが増え、春秋は少なめである。

天文へ登録手続き
ひらがな読み/英語表記

シェルノトロンは、我々の世界で言うところの電気屋に行けば好きな物を買える。だが、それを使うためには天文に利用登録をしなければならない。携帯電話の契約だと考えれば、ほぼ間違いはない。契約をしていないシェルノトロンは、全く機能しないものなのである。

波動科学
ひらがな読み/英語表記

ラシェーラで主流となっている科学は波動科学であり、それは、万物は波動と粗密によって出来ているという前提の下、成り立っている。物質を構成しているものをD波、精神を構成しているものをH波と呼ぶ。他にもエネルギー源であるTz波や、更に繊細な想いの力U波など、全宇宙を構成する波動の種類は無限に存在すると言われている。それらの様々な次元に存在する波動の役割を解析し、生活に役立てていくのが波動科学の役割である。

天香区
てんこうく/英語表記

天候区は万寿区からかなり離れた場所にある区で、旧帝都帝令13区の一つ。昔は政府高官などの御用邸があった所だが、現在はそれらの空き家を何人もの住人がアパートのようにして住んでいる。

断界
だんかい/英語表記

シェルの剥落が発生すると、その付近一帯が太陽からの有害なエネルギーに直接曝されるようになる。その為、直撃は逃れても、その後数日の間にウェーブバーストが発生し、その地区は全滅する運命にある。それ故に帝国(天文)は、バーストに曝される可能性のある地域を算定し、その地域から住民を立ち退かせるということを行う。その計算はかなり正確であり、隔離された地域は一ヵ月以内にはウェーブバーストにより壊滅的なダメージを被る。そうやって人々が住めなくなった土地のことを断界という。

軌道エレベイタ
ひらがな読み/英語表記

地上から最上階にある天文施設までを繋ぐ、超巨大エレベーター。天文施設は成層圏にあるため、実質20km以上の塔である。軌道エレベイタは世界に全部で四本あり、一本あたりゴンドラが十二基搭載されている。万寿沙羅にあるエレベイタは、正式には「第弐号外殻軌道エレベイタ」という。第弐号機は、現在地上まで運行している唯一の軌道エレベイタであり、また、地上から宮城へと向かう唯一の移動手段となっている。第弐号機にはこのように行幸通的的な目的もあるため、皇室専用のゴンドラが三基存在する。その三基のゴンドラの内、右宮(みぎのみや)、左宮(ひだりのみや)と呼ばれる二基は、今回の皇帝継承の儀で皇帝候補の二名が地上に降り立つために使用された。

マテリアルパレット
Material Palette

マテリアルパレットは、詩魔法を紡ぐときに使われる、いわばキャンパスのようなものである。このマテリアルパレットを自在に変化させることによって、詩魔法は紡がれる。具体的にどうやって変化させるのかといえば、それは想いの力で変化させる。自らの精神世界の中にあるものであるから、その変化も自分次第ということである。

チェイン
Chain

ジェノムは詩魔法に使うためのエネルギー(人間の精神力)を、自由に受け渡しをすることができる。簡単に言えば、人間の心の扉を開いて、他の人の勇気や希望をもらって、より強力な詩魔法の動力源とすることが出来るのである。これは、ジェノム同士の精神が繋がることによって行われるもので、それはすなわち、同調している人間同士も精神的に繋がっている状態になる。あくまで想いの力を共有するだけであるがゆえ、反発する感情がある場合、チェインは上手く行かない。自分と想いを同じくしている人でないと、チェインによる詩魔法の増幅は出来ないのである。

シェルノトロンを貸してくれ
ひらがな読み/英語表記

シェルノトロンは我々で言うところの携帯電話に近い。いや、寧ろ「携帯電話+財布+保険証+パスポート」である。それ故に、見ず知らずの人に対して「シェルノトロン貸してください」と言うことなど、社会常識的にあり得ない事なのである。

ワイヤーシップ
Wire Ship

有線の飛空艇。「空飛ぶ電車」と言うのが最も適切かもしれない。Tz波は空気伝播でエネルギーを送れないため、有線でエネルギーを送り浮遊する。その為行き先は限られるが、安価に運営可能なため、運賃も安く、庶民の乗り物として多数運行している。

宮城
きゅうじょう

この世界を総べる「皇帝」が住まう場所。昔は万寿沙羅に隣接する形で、縦貫坑道(お堀)を越えた向こう側に存在していたが、現在は天高く、コロンと同じ形で浮遊している。現在の宮城は、成層圏に近い位置に存在し、その上側にはもはや天文の研究施設しか存在しない。宮城のデザインは独特な洗練された文化を彷彿とさせるが、これはまだ世界が危機的状況になる前、この帝国がまだ単一文化、民族の国家だった頃のデザインである。すなわち、宮城のデザインこそが、この「最後に残った国家」の本来の姿であると言える。

夢ノ珠
ゆめのたま

正式名称は「官営第4号居住揚陸 夢ノ珠」。コロンというものが世の中に登場し、まだ数も少なかった頃の古いコロンである。その中心で重力を生成し、構造を球体とすることに成功したため、建設当時は「リトルラシェーラ」と人々から驚きと称賛をもって迎えられた。夢ノ珠に住む天文派と地文派は、コロンを一周する輪を境に二分して生活している。天文派が多くを占める現在において、地上や他のコロンと比べると地文派の人間がまとまって生活している数少ないコロンではあるが、老朽化に伴い夢ノ珠全体で、特に地文側において「断線」と呼ばれる問題が多発するようになっている。

断線
だんせん

夢ノ珠に中心に存在する重力場発生装置に供給されるTz波が十分に行き渡らず、重力場が消失する現象を「断線」と呼んでいる。当然ながら重力場が無くなった時に夢ノ珠の下側に位置していた建物や人はラシェーラの重力に引かれて地上に落下してしまう。断線を恐れ他のコロンに移住する者もいたが、ほとんどの住民には夢ノ珠から出るお金も移住先も存在しなかったため、現在も多くの人々が住み続けている。近年は天文側よりも地文側に発生することが多く、天文区長パリーと地文区長クーリンを筆頭に両者間の構想は激しくなる一方となっている。

重力場発生装置
じゅうりょくばはっせいそうち

夢ノ珠に中心に存在する重力場発生装置。そのエネルギー源にはシェルノトロンと同様にTz波が使用されている。装置内で高次に励起されたTz波は循環することにより微弱な引力を作り出し、それを幾重にも重ねることで夢ノ珠全体を覆うほどの重力場を作り出している。しかし老朽化に伴い、重力場が部分的に消失する現象「断線」が発生し、夢ノ珠以外にこの重力場発生装置を使用しているコロンは存在しない。この装置の修理及び管理はTzチューブ・カンパニーが帝国から一任されているが、断線の根本的な解決には至っていない。

小鳥が多い
ことりがおおい

夢ノ珠では断線によって、いつ重力が無くなるか分からないため、犬猫を飼う者は少なく、飼うならば鳥ということがほとんど。空を飛べる鳥ならば、仮に断線が発生したとしても関係ないからである。また夢ノ珠には野鳥も数多く生息している。外敵に襲われ難い空に存在し、かつコロンの建造初期に作られた夢ノ珠は極端に高い高度に存在しないため、鳥たちにとっては楽園ともいえる環境である。カノンがクーリンによって案内された邸宅、かつて高名な博士が住んでいた屋敷だったが、現在では鳥たちが住みかとしている。産卵期ともなれば、多くの鳥たちに囲まれ、夢ノ珠における一つの風物詩ともなっている。

チューブ・カンパニー
Tube Company

シェルノトロンのシェア70%を占めるラシェーラ最大企業。正式名称はTzチューブ・カンパニーだが、カンパニーと省略されることも少なくない。Tzチューブ・カンパニーの創設者であり、最高経営責任者でもあるネプツールが天文から離脱した際に立ち上げた会社であり、わずか一代でラシェーラ最大の企業へ成長させた。企業としての成長にはネプツール自身の経営手腕もあったが、もう一人、ネプツールと共に会社を立ち上げた人物?がいる。しかしその人物は、現在カンパニーに籍を置いていないという。一般に流通しているシェルノトロンから、まだ発売前の最新式シェルノトロンの研究など、真空管事業においてTzチューブ・カンパニーに並ぶ企業は存在しない。

セーブ・ベゼル
Seve Bezel

地文が推進するラシェーラ救済計画の名称。天文が推進しているグランフェニックス計画が、箱舟を作り人のみが脱出する計画であるのに対して、セーブ・ベゼルは赤色巨星となっつぃまったラシェーラの太陽ベゼル?をジェノムと共に正常化し、今現在のラシェーラを救うための計画である。セーブ・ベゼルの中心となる人物は地文皇女カノンであり、過去に十年に一度と言われるほどのガンマバーストの発生を防いだ実績を持つ。地文はこの計画の発表と同時に、声帯の潰れている人や声帯域が狭い人たちを無償で助ける政策も発表した。セーブ・ベゼルに神の子と称賛されたカノンの登場により、当時天文全盛期だった世界は真っ二つに割れた。

D28区域

夢ノ珠に存在する区域の一つ。AからHの八区画が存在し、D28区域はちょうどカノンが住んでいる邸宅の真下にあたる。イオンたちは天文側の街に戻るため区域から少し離れていたことで難を逃れたが、邸宅で瞑想を行っていたカノンは断線に巻き込まれてしまった。D28区域はかつて高名な博士が住んでいたため、地盤や邸宅の補強がしっかりしており、幸いラシェーラに落下するまでには至らなかった。

配導盤
はいどうばん

夢ノ珠の中心に存在する重力場発生装置を制御・調整するために存在する端末。配導盤には、重力場発生装置の出力調整から、配給するTz波のキャパシティの拡張、各区域の重力状態の確認など、様々な制御系が集約されている。そのため万寿沙羅の軌道エレベイタよりも構造が複雑に入り組んでおり、少々の知識で操作することは出来ないほか、配導盤へ行くためにはTzチューブ・カンパニーが敷いたセキュリティを突破する必要があり、一般の人間は立ち入ることが出来ない。

G2トロン

現在ラシェーラで使用されているシェルノトロンの一世代前の真空管端末がG2トロンである。シェルノトロンには詩魔法をプログラムするための優秀なOSが搭載されているが、それと比べるとG2トロンのOSはとても素人に扱えるようなものではなかった。そのため、オリジナルの詩魔法を紡ぐには高度なプログラミング能力が必要となり、シェルノトロンのように爆発的な普及はされなかった。しかし、その難度の高いプログラミングを行う事で、シェルノトロンよりも熱い想いが伝えられると、一部の熱狂的なユーザーから絶大な支持を得ている。

高感度シェルトノロン

モノに染み付いた想いを読み取ることが出来る高感度のシェルノトロン。この世界における全てのモノにはどんな小さなものでも人や動物の想いが入り込んでいく。それは想いを込めて作られたものほど強く、長く存在し続ける。道や石、木にも想いは入り込み、高感度シェルノトロンを使用することで少し前の事柄であれば、読み取ることが可能である。非常に効果で一般には早々出回らない貴重品であり、警察が犯罪捜査に使用するほど信憑性の高い証拠として利用するほどの高性能を誇る。最新の高感度シェルノトロンでは、読み取った想いを記録し、保持し続ける機能もついているらしい。

メゾン・セントリア
Maison Centria

メゾン・セントリアとは、メゾンホールと呼ばれるステージを囲み、眺望できる商店街通りの総称。メゾン・セントリアには、1号通~13号通まであり、それぞれがステージを1階として13階までの階層を持つ集合体である。昼間にも多くの人が行き来し活気ある通だが、外郭にある花弁が閉じて夜になると屋台が多く出店し、プラネタリー・メゾンでしか見ることが出来ない星空の下でより多くの人たちが賑わいを見せる。また、屋台の中には変わったものを商売にしているところもあり、毎日のようにメゾン・セントリアにへと足を運ぶものも少なくない。

ラシェーラ・スターライト
Ra Ciela Star Ligth

毎日がお祭りのようなプラネタリー・メゾンにおいて、一年に一度ある最大級のフェスティバル。メゾンホールだけでなく、多くの特設ステージが用意され、多くのイベントが開催される。ラシェーラ・スターライトの期間は一週間にも渡り、多くの人々が日々と不安を忘れて毎日を楽しむことができる。また、このお祭りに乗じて出展してくる特殊な屋台や企業の売込みなどもあり、さらにお祭りを盛り上げる要因になっている。ラシェーラ・スターライト期間中、プラネタリー・メゾンの人口密度は平常時の五倍から十倍にまで膨れ上がるといっても過言ではない。

イオナサルさまフィギュア

白鷹が丹精込めて作り上げた渾身のフィギュア。この一体には、実に七日間徹夜するほどの情熱が注がれている。見た目に限って言えば、女性、ましてや本人には見せられる物ではないかもしれないが、その情熱は本物。見る人が見れば、万寿沙羅でイオンが生み出したハスの花の上に佇むどこか儚げな姿は、扇情的ながらも美しいとさえ思える。バイオス屋やプログラマーとしての能力が高い白鷹だが、フィギュアに関してはよく言っても中の上程度。しかし、彼が渾身の一作として作り上げたこのフィギュアは上の域に達するものであると言っても過言ではないだろう。

コロン・フォーシーズン

ラシェーラの太陽・ベゼルが赤色巨星になった中で唯一四季が存在するコロン。コロン全体が緑に覆われており、気候コントローラによって湿度と気温を操作し、春夏秋冬を再現している。四季に彩られた美しいコロンだが、居住審査はもちろん入場審査もかなり厳しく設置されている。多額のお金は当然ながら必要だが、それ以外も経歴や近縁者まで含む前科など厳しい基準が存在する。それゆえに、コロン・フォーシーズンは超上流階級コロンとして知られており、滅多なことでは入ることすらできない。人口も5万人規模のコロンであるにも関わらず、100~200人程度とかなり少ない。

TxBIOS
ティーエックスバイオス

TxBIOSとは、ジェノムには存在しないシェルノトロン独自の能力であり、シェルノトロンに搭載されているOS、REON-4213が管理する、利用者への天文の公共サービスである。シェルノトロンのスペック(DNA鎖数)によって利用できるランクが決まっており、天文のインフラを使うことが出来る。つまり、必要に応じて公共施設からデータ取得することが可能なサービスである。通常、詩魔法は自分の知識や経験からしか紡ぐことができないが、TxBIOSを利用することで、そのバリエーションは飛躍的に拡大する。しかし、利用には免許とお金、レベルに対応する鎖数のシェルノトロンが必要。

バイオス屋
BIOS

その名の通り、シェルノトロンの大きな特徴であるTxBIOSを使用するためのお店である。TxBIOSは外部の公共サービスと接続するために、通信速度やセキュリティの観点からバイオス屋という仲介サービスを通すことで利用が可能になっている。もちろん、シェルノトロン単体でもTxBIOSの利用は可能だが、その場合、アクセス可能な公共サービスのレベルはかなり限定されてしまうため、詩魔法を紡ぐ際にはバイオス屋を利用するのが一般的である。ただし、バイオス屋ごとにも利用可能な公共サービスのレベルが設定されているため、必ずしも全てのサービスを受けることが出来るわけではない。

メゾンホール
Maison Hall

メゾン・セントリアの中心に位置する巨大なステージ。全13階まであるメゾン・セントリアの通は、このメゾンホールを囲むように作られており、 1~13階全ての通からこのステージを眺望することができる。まさに街そのものがステージと言っても過言ではない。その収容可能人数は一万人を超え、コロンの平均人数が数万人程度であることを考えれば、その規模の大きさが分かるだろう。それゆえ、このメゾン・ホールの舞台に立てる者は数えるほどしかいない。唯一の例外を言えばラシェーラ・スターライトであり、その期間であれば通常よりも緩い審査の元で舞台を利用できる。イオンは皇女であることと、ネイのコネによって利用可能とした。

レオン-4213
REON-4213

シェルノトロンに搭載されている仮想生命体OSがレオン(REON-4213)である。シェルノトロンの一世代前に存在したG2トロンでは、プログラミングによって詩魔法を紡がれていたが、専門的な知識を持たない人々は容易に詩魔法を紡ぐことができなかった。そこで天文が生み出したのが、人工知能レオンである。レオンによってG2トロンはさらに進化し、シェルノトロンと呼ばれるようになる。そしてジェノム以上に誰もが簡単に詩魔法が紡げるようになった。しかも、レオンはジェノムと違って拒絶もしないし、キャパシティも使用者に合わせてくれる。また同じレオンであっても、使用者によって容姿や性格が異なり、またにその人だけのパートナーが出来上がっていくのである。

ネプトロンタワー

シェルノトロンの大手開発メーカーであるTzチューブカンパニーが近年建設を続けている巨大な塔。ネプトロンタワーは今も建設中だが、既に90%ほどが完成しており、カンパニーのコロンのバランスを崩すほどに巨大な塔となっている。このタワーは現在のシェルノトロンをネプロトンへとアップグレードするための発信塔であり、完成することで、ラシェーラのシェルノトロン事情は大きく改革され世界全体が目覚ましく快適になるとカンパニーは豪語している。

ネプトロン

ネプトロンタワーを通して、現在のシェルノトロンに使用されているレオンOSの能力を八倍まで高めるための中枢ユニット。それがネプトロンである。またネプトロンが駆動し、ネプトロンタワーによってアップグレードされたシェルノトロンもネプトロンとして駆動するようになる。それによって、現在10%程度の能力しか発揮していないレオンOSだが、その能力は飛躍的に上昇し、シェルノトロンの最大の利点であるTxBIOSも、より自由に使用できるようになるようだ。だが、そんなネプトロンの開発もカソードの開発に手間取っており、まだ完成はしていない。そのカソードを作り上げるためには特別な技術が必要らしいが……。

ネプトロンルーム

ネプトロンラワーの中枢に存在し、ネプトロンが存在する重要機密区画。限られた人間しか足を踏み入れることを許されておらず、カンパニー内でもわずか数名の研究員のみがこの場所でネプロトンの開発に携わっている。一見、中央に存在する大型の真空管が目を引き、これをネプトロンであると勘違いしてしまいそうだが、この大型管はウェーブを増幅・伝播するための真空管であり、ネプトロン本体ではない。ネプトロン本体は大型管の下部に存在し、通常の真空管とさほど変わらないように見えるが、現在市販されているどの真空管とも比べ物にならないほどの技術が内包されている。

ジェノメトリック・カソード
Genometric Cathode

シェルノトロンと人間が同調し、ジェノメトリクスで詩魔法を紡ぐためのコアユニットの総称がジェノメトリック・カソードである。ラシェーラで主流の波動工学において一般的に使用される部品の一つだが、ネプトロンで使用されるカソードはシェルノトロンで使用されるものは全く別規格のものとなる。8倍の能力を持ち出力もこれまでの真空管とは比較にならないネプトロンを制御するため、機能や耐久性など根本的に根本的に見直す必要があったためだ。それらの条件を満たすカソードを作れるのは世界に三人しかおらず、そのうちの一人がグレイコフである。もはやジェノメトリック・カソードとは一線を画する物だが、便宜上そのままの名称で呼ばれている。

幹部の別邸
かんぶのべってい

かつてグレイコフがチューブ・カンパニーに所属していた頃に使用していた別宅。研究に追われ、あまり自宅に帰ることができなかったグレイコフのためにネプツールが会社の経費で用意した謂わば「社宅」である。グレイコフだけでなくキャスも別荘として滞在したことがあり、その部屋の様相は万寿沙羅のキャスの部屋と酷似している。グレイコフがカンパニーを追われた後も取り壊さず、現在も用心が訪れた際に滞在する場所として活用されているようである。

クレイドル
Cradle

シェルノトロンを構成する大きな要素として、真空管とクレイドルの二つに分けられている。真空管が詩魔法の生成や出力を決めるのに対して、クレイドルは過去に生成した詩魔法を記録しておくDHメモリが内蔵されている。時間が経てば経つほど人の想いが薄れていってしまうのと同様に、詩魔法を紡いだとしても時間が経てばその記憶、想いは薄れていってしまう。しかし、クレイドルに記憶させておくことによって、その詩魔法を半永久的に保存し、またクレイドルによって詩魔法を使い分けられるようになる。そのため、シェルノトロンを使用する人々は真空管以上に自身のクレイドルを大切にする傾向が強い。

詩姫
うたひめ/英語表記

ネプトロンの起動詩である「ネプトリュード」を謳い、同調者であるダイバーとネプトンロンの間を取り持つのが詩姫である。本来、一対一の存在であるシェルノトロンと同調者を、外にいる人間が詩で同調させるだけでなく、シェルノトロンの八倍の能力を持つネプトロンを起動させるため、 それ相応の声帯域を持つ者でなければダイバーの同調はおろか、詩を謳いあげることすらできない。「ネプトリュード」を安全に謳うためには、特殊な能力を持つ必要があるらしく、ネプツールによればネイはその能力者の一人らしいが……。

ダイバー
Diver

詩姫が謳う「ネプトリュード」によって、ネプトロンとの同調を行う者がダイバーである。ネプトロン、正確にはレオンOSの深奥まで潜り同調をしなければならないため、本人が持つ声帯域よりも強い精神力が要求される。ネプツールがイオンに同調を依頼したのは、天文からの正式な依頼であるためらしいが、他にも、皇女であるイオンの声帯域と精神力であれば、別の人間が同調するよりも確実かつ安全にネプトロンの起動を行うことができるという理由もあるのではないかと分析する。しかし、ネイやグレイコフの反応からダイバーにはまだ隠された秘密があるようだ……。

ペアリングコード
Pairing Code

ペアリングコードとは、インターネットでいうIPアドレスとアクセス権を合わせたようなものである。ペアリングコードはシェルノトロンの使用者のスペクトラム(精神波)から決定されるため、同じ物は世界に二つと存在しない。万寿沙羅でイオンが謳う際にター坊が唱えていたのもペアリングコードであり、これを介することによってシェルノトロン同士やジェノムとのチェインも可能になる。また、ター坊がジャミングの影響から逃れるために唱えたように、その利用範囲は幅広い。

シェルノトロン・パニック
Cielnotron Panic

一瞬にして全シェルノトロンが停止した事件、それがシェルノトロン・パニックである。当時、すでにシェルノトロンは人々の間で必要不可欠なものとなっており、この事件によって世界的な混乱が生じたのは言うまでもない。事態の深刻さから迅速な対応で天文は原因を特定し、シェルノトロン・パニックによる混乱は収められた。この事件を引き起こしたのは、ジェノムを必要としないシェルノトロンを悪と見る地文の中でも過激派の一科学者だったという。彼はTxBIOSを通してレオンOSをハッキングし、その機能を停止させることでシェルノトロンの危険性を世に訴えかけようとしたようだが、結果として生じたのは地文組織への疑念だった。しかし、真実はネロの暴走が原因だった。天文はこの事実を情報操作により隠蔽し、地文の管理下となっていたジェノミライ研究所を天文の管理下とすることに成功する。まさに漁夫の利を得たのである。

スペクトラムの形状
ひらがな読み/英語表記

スペクトラムとは有機物、無機物問わずに宇宙において「存在」そのものが持つ固有の波のことである。生物においては肉体には物質波のスペクトラム、精神には精神波のスペクトラムが存在する。スペクトラムは万物において固有の存在であり、同様の形状を持つものは存在しないため、刑事事件などで人物の特定に使用されることも多い。一卵性双生児であってもわずかに形状に違いがあり、スペクトラムを調べれば100%に近い確率で人物を断定することができる。

グランフェニックス計画
Grand Phoenix Project

天文が推進するラシェーラ救済計画の名称。地文が掲げるセーブ・ベゼルは、現在のラシェーラを再生させる計画であるのに対して、グランフェニックス計画はラシェーラをエネルギーに変換し、超遠距離空間移動を行う計画である。当然ながら、そのワープ先は人間や動物たちが住める、ラシェーラ住民にとって第二の故郷となる惑星でなければならない。なぜならエネルギーとなるラシェーラは一つしか存在せず、空間移動は一度しかできないからである。あまりにも壮大な計画かつ、ラシェーラを破壊しなければいけないため、民衆からの反発も大きかったが計画の要であるシーカーが見つかり、現在では多くの天文派から支持を得ている。

ダイブ用のスーツ
ひらがな読み/英語表記

ネプトロンとの同町の際に使用されるプラグスーツ。通常の同調では気にする必要はないが、ネプトロンとの同調は世界でも初めてということもあり、万一のことを考え、専用スーツを着用してダイブに挑む。このスーツは着用者のスペクトラムや健康状態をリアルタイムで検出し、また同調時のトラブルにも対応できるように設計されているため、もしネプトロンが暴走しても、被害を最小限に抑えることが出来るのである。一見動き難そうに見えるデザインだが、体に沿った形状で作られており、着用者にストレスを与えないよう配慮されている。

救星イオン応援団
きゅうせいイオンおうえんだん/英語表記

万寿沙羅で出会ったター坊、キャス、プラム、そしてイオンのチーム。それが救星イオン応援団である。もともとは超輝工冒険団(ちょうきこうぼうけんだん)という名称だったが、ター坊が半ば強引に改名した。それによりイオンに対して不信感を抱いていたキャスが反発、その仲直りをする前にプラムがシェルの剥落によって亡くなってしまうなど、一時は崩壊寸前にまで追い詰められたが、キャスの頑張りやイオンの活躍もあって、現在ではイオンにとって心の支えの一つになっている。

PLASMA機密情報局
プラズマきみつじょうほうきょく/英語表記

地球におけるFBIやCIAのような存在が、PLASMA機密情報局。通称「PLASMA」である。PLASMAは天文機密の最高峰を警護するための組織であり、天文において貴重な研究者すらも監視対象とするトップクラスの捜査局でもある。その権力は天文だけに及ばず、過去に地文の研究者が起こしたと言われているシェルノトロン・パニックにおいてもPLASMAが捜査し、地文の研究室に乗り込んだ。その性質上、知能体力ともに優れた人材が所属しており、イオンが天文にいた頃はPLASMAに所属する人間が警護にあたっていた。

シェルノトロンの大規模規制
ひらがな読み/英語表記

カンパニーで起こったネプトロンの事故と縦貫坑道の奥で発生した爆発事故に伴い、天文行政がPLASMAにシェルノトロンのレベル規制の管理を一時委託。現在ではラシェーラ中のシェルノトロンがレベル2以上の使用が禁じられており、人々の生活に多大な影響を与えている。特にシェルノトロンによる持続的な治療が必要な病人や怪我などによって身体が不自由な人々はこの規制によって普通の生活すらままならないほどの状況に追い込まれている。

帝立ジェノメトリクス同調調停院付属アルメティカ修道院
ていりつジェノメトリクスどうちょうちょうていいんふぞくアルメティカしゅうどういん/英語表記

情報集約都市アルメティカに存在する地文(帝立ジェノメトリクス同調調停院)の修道院。アルメティカ修道院は、数多くある地文の寺院の中でも位の高い神聖な寺院の一つであり、普段は一般の人々に開放されることがなく、入るためにはそれなりの地位、もしくはそれに連なる人脈が必要となる。また、この修道院にはギノーと呼ばれる高位ジェノムが存在し、他数名の司祭によって取り仕切られている。アルメティカ修道院に限らず、ジェノムを重んじる地文では、各修道院を取り仕切る高位ジェノムに対して礼をつくすことが慣例である。実際のところ、これは人間社会でも同様であり、その対象がジェノムに置き換わっただけともいえる。

情報集約都市アルメティカ
じょうほうしゅうやくとし/英語表記

世界の情報がすべて存在するといわれているコロン。ラシェーラにおいて最先端の情報中枢であり、それゆえ情報を求める人々が多く訪れ、またそれらを重要とする多くの組織が密集するコロンとなっている。その最たるものとして挙げられるのがPLASMA機密情報局である。天文の組織はほとんどが天文の影響力が強いコロンや地域に存在しているが、PLASMAだけはその特性上、アルメティカに本部を置いている。アルメティカの市民は、市民になった時点で貰える一つのTxBIOS利用許可により、レベル差こそあれ蓄積された情報を引き出すことが可能となっている。そのため、この街ではアルメティカ営業情報共有社連盟、所謂「情報屋」という職業が成り立っている。

アルメティカ営業情報共有者連盟
えいぎょうじょうほうきょうゆうしゃれんめい/英語表記

情報集約都市アルメティカにおいて、情報屋と呼ばれる者たちが加盟している団体、それがアルメティカ営業情報共有者連盟である。これに属する人間はアルメティカ市民に利用が許可されているTxBIOSで、より深いレベルの情報域へアクセスすることが可能となっており、その情報源を利用して情報屋を営んでいる。また加盟社全員にアルメティカへのアクセス専用のTxBIOSが支給されており、情報を取り出す以外に正当な情報屋であることを証明するものでもある。

大法要
だいほうよう/英語表記

アルメティカで年に一度行われている最も大きな祭典で10万人以上の人々が一斉にジェノムに対する感謝を謳うのである。その原点は古くからラシェーラの繁栄に大きな貢献を果たしてきたジェノムへの感謝であり、言い換えれば地文の年中行事なのであるが、古くから行われてきた行事であるため、天文・地文に分かれている現在においてもその垣根は低く、多くの天文派住民もこれに参加する。

シェルノトロン医療
いりょう/英語表記

その名の通りシェルノトロンを利用した医療技術のことである。事故や病気によって体が不自由になった人や、重い病気にかかった人達が利用する場合が多く、その大きな利点として状況に応じた詩魔法をシェルノトロンに記憶させておけば医者にかかりきりになる必要が無く、また薬物などを使用しないため副作用によって悩まされずに済む。しかもシェルノトロンと同調状態にあれば、その効果を常に受けられるため、ほとんど健康体と変わらない生活を送ることが可能である。

電離傘
でんりがさ/英語表記

かつてシェルの剥落の危機に見舞われた万寿沙羅を守ったラシェーラ独自の技術の一つ。波動科学の応用によって作られた技術であることには間違いないが、物凄く巨大な磁石の傘と思っていただければ、イメージしやすいだろう。もちろん、実際はそのように単純なものではなく、人体に影響を与えず、限定空間に対して物理作用を与えるという高等技術の粋を集めて作られている。電離傘と同様の技術を用いて作られているのが、ほぼすべてのコロンに備わっているウェーブからコロン内部を守る磁場発生装置であり、作用する物が異なるものの同じ技術を転用したものである。

幼いジェノムは自然の中で成長し、自分の宿主を見つけるもの
ひらがな読み/英語表記

生命と規律を重んじる地文にとって、生まれたばかりのジェノムを手元に置いておくことは禁止されている。生まれたジェノムを身近に置いておけば、必然的にそのジェノムとの間には絆が生まれ、ファーストハーモニクスは容易となってしまう。それでは本来ラシェーラの人々が行うべき精神の成長に繋がらず、地文の教えに反してしまう。それゆえ、生まれたばかりのジェノムは自然の中へ送り、成長後、自らの宿主となる人物を探し出さなければならない。

いまはカノイール・ククルル・プリシェール
ひらがな読み/英語表記

皇女であるカノンは、同時に帝立ジェノメトリクス同調調停院、すなわち地文の大司教でもある。大司教としてのカノンの名前は「カノイール・シュルシュ・オ・ドムネク・ジェノメトリカ」であり、皇位継承の儀によって身分が剥奪されているカノンは、現在この名を名乗ることはできない。

縦貫坑道
じゅうかんこうどう/英語表記

地文はラシェーラの上空に位置する天文と異なり、地上にその本部を置いているが、縦貫坑道とは、地文が存在する巨大な縦穴のことである。その穴の大きさは我々の世界の長さで表現するなら直径十数kmにも及び、地上からは底を見渡せないほどに深い。縦貫坑道の奥に何が存在するかは一般には知らされておらず、地文の秘密研究所やジェノムの墓地など民衆の間では様々な憶測が飛び交っており、もはや都市伝説の一種となっている。

アルメティカ図書館
としょかん/英語表記

情報集約都市そのものであるアルメティカの本体が位置するとされる場所、それがアルメティカ図書館である。かつてはアルメティカの頭上にあったようだが、ある時を境に天地が逆転し、現在では土地の最下層に位置している。世界全体の情報を収集・蓄積するほどのアルメティカの力が最も強く反映される場所だが、現在ではアルメティカに本部を置くPLASMAが管理をしており、一般人はおろか、天文の人間であってもよほどのことが無い限り立ち入りを禁じられている。その理由はアルメティカが世界の情報すべてを持つということを考えれば想像に難くないだろう。

市民契約
しみんけいやく/英語表記

情報集約都市アルメティカに住む住民のすべてがアルメティカと交わしている契約。一度市民契約を発動させれば契約を交わした住民は、限定された状況下でアルメティカの意のままに動くことになる。話を聞く限りかなり危険にも感じられるが、市民契約の発動そのものは滅多に行われない。また人的被害や極端に契約者に対して不利益が発生するような行為も契約上禁じられているため、メリットとデメリットを比較するとアルメティカから得られる情報の方がメリットが大きいと感じる人間が大部分である。

ジェノム側から人間と同調して、詩魔法を謳わせる
ひらがな読み/英語表記

本来、人間とジェノムは互いが互いを認め合うことで初めてファーストハーモニクスを交わすことが可能であり、それ故同調初期は固い絆で結ばれていることが多い。しかし、人の心というのは時が経つことによって変化してしまう。その変化によってジェノムの心が宿主を認められなくなった時など、稀にジェノムが人間の肉体を支配し、操ってしまうことがある。アルメティカが住民と交わしている市民契約とは、これの広範囲かつ限定版であり、情報集約都市という名目が無ければまず間違いなく拒絶するような行為である。

クオンタイズ
Quantize

情報集約都市アルメティカでPLASMAに捕らえられたイオンたちの前に、突如現れた謎の組織。"世界を正常な波動に戻す"という理念の下に活動しているそうだが、具体的にどのような組織であるかは今のところ一切不明である。ただ一つ言えるのは、世界でトップクラスのセキュリティを誇るPLASMAに侵入できるほどの技術力と組織力があるということである。その正体はコロン・フォーシーズンに拠点を持ち、サーリを中心とした世界救済を目的とした組織だった。ハードウェア・ソフトウェア双方の能力に長けた人材が集まっており、条件付だが世界一硬いとされるPLASMAにすら侵入することが可能なほどである。コロン・フォーシーズンではイオンたちの協力の下、ジルの研究室に施された量子暗号(天文の最重要機密に使用されている恐ろしく強固な暗号)の解読にすら成功している。

お守りのくまさん
ひらがな読み/英語表記

夢ノ珠を訪れた際、ネプツールに重力場発生装置の修理と引き換えに、イオンがサーリに送ったお守り人形。体が弱いサーリのためにイオンが丹精込めて作ったものだったが、ネプツールがイオンを罠にハメるための手段に用いられてしまった。イオンはくまさんと言っているが、どこをどう見たらくまになるのかまったくわからない代物。イオンのセンスに時代がついて来ていないのか、はたまたイオンのセンスがぶっ飛んでるのかは永遠の謎である。ただし、このお守りの布には皇女の衣が使用されており、見た目は少々残念かもしれないが、非常に貴重な品であることは間違いない。

フォーシーズン
ひらがな読み/英語表記

コロン・フォーシーズンは超上流階級向けのコロンであり、居住条件はもちろん、入場審査も他のコロンとは比較にならないほどの厳しさである。そのため別のコロンと比べると人口は極端に少なく、厳しい基準の上で居住もしくは入場が許可されるため、平和で落ち着いたコロンとなっている。コロン全体が緑に溢れており、さらに特注の気象コントローラが作り上げられているため、太陽ベゼルの膨張によって四季を見ることができなくなったラシェーラにおいては唯一、四季が存在するコロンとなっているのも特徴。また学問は相当高いレベルにあり、学術機関の最高学府が点在している。これらの機関はコロンに住む富豪たちによって多額の出資を受け運営されているという。

ジェノミライ
Genomirai

地文がある縦貫坑道の最奥に存在するとされる場所であり、情報集約都市アルメティカで別れたカノンが向かったと思われる場所。ラシェーラにおける過去の秘密が存在する場所で、かつて天文と地文の関係が良好であった頃、共同で研究が行われていた場所でもある。しかし、極秘裏に行われていた研究であるため、その研究内容と主要メンバーどころか、ジェノミライという存在そのものが、一般には知られていない。

四季祭
しきさい/英語表記

コロン・フォーシーズンにおいて年に四度行われる行事で、春夏秋冬それぞれの季節を一日だけ普段よりも緩い審査や入場料で堪能できる。四季祭では、ほかでは見ることができない豊富な自然の植物見たさに多くの人々がこのコロンを訪れる。しかし審査が緩くなっているとはいえ、一般の人々が行動できる範囲は限定されており、コロンの外縁を一周する程度となっている。それでも人々が集まるのは、それだけフォーシーズンの自然が魅力的であることに他ならない。

にゅろきー
ひらがな読み/英語表記

テーマパークコロン「ぱれす・にゅろきーる」のマスコットキャラクター。その愛くるしい見た目で全ラシェーラの乙女を虜にしてしまうほどの人気を誇る。しかも、にゅろきーは世界に二人と存在せず、よほどのことがない限りぱれす・にゅろきーる以外では出会うことができない。そのため、四季祭ににゅろきーが訪れるというのはビッグイベントであり、この機を逃すまいと多くの乙女たちが意気込んでいる。その可愛らしさと人気は、あのサーリをして「中に人などいない!」と言わしめるほどである。にゅろきーには「うりじょー」と「げんのり」という仲間がいるが、やはり一番人気はにゅろきーのようだ。

ぱれす・にゅろきーる
ひらがな読み/英語表記

マスコットキャラクター「にゅろきー」のテーマパークコロン、それがぱれす・にゅろきーるである。このコロンの最大の特徴は、コロン全体がすべてテーマパークであるということであり、中にはにゅろきーやその仲間たちをテーマにしたアトラクションやショップ、レストランが存在している。また、にゅろきーグッズは多数存在しているが、ぱれす・にゅろきーるでしか購入できないグッズも数多くあり、にゅろきーファンなら絶対に一度は訪れたいコロンであることは間違いない。

インターディメンド
Inter Dimend

レオンとジルの会話で出た謎の言葉。何らかの事象か実験を表す言葉のようだが、その詳細についてはまったく分かっていない。ひとつわかっているのは、インターディメンドがレオンにとって切り札のひとつらしいということだけである。

アルノサージュ管
Arnosurge Tron

天文が研究開発し、完成させたとされる最新の真空管。ただし一般にそのことは知らされておらず、アルノサージュ管に関わる情報は一切不明とされている。レオンによればインターディメンドの実行に必要なものであり、既存のシェルノトロン、さらにはネプツールが開発していたネプトロンとは異なる機能を持つようだ。

クラスドライブ権限
Class Drive Privilege

クラスドライブ権限とは、そのシェルノトロン所有者に天文から与えられた、TxBIOSのアクセス権限のことである。シェルノトロンにはそれぞれ固有のアクセス権限が設定されており、それによって紡げる詩魔法の上限をかけられている。それはG2トロンを改造してTxBIOSの利用を可能としたサーリや白鷹たちのトロンも同じである。ただし、彼らのG2トロンはシェルノトロンとは異なるバスを利用しているため、シェルノトロンの規制に掛からず、またその使用レベルもある程度自由に操作が可能となっている。しかしサーリのG2トロンはそのアクセス権限をレオンによって根本から遮断されてしまったため、彼女の肉体を維持していた機能が停止してしまったのである。

テリトリー・エクスチェンジ
Territory Exchange

ネイがジルに協力していた理由であり、彼女が言う「本当の自分を取り戻す」ために必要なもの。具体的な内容は不明だが、ネイ自身が危険だと思いながらもジルに協力していた。それはテリトリー・エクスチェンジがかなりのレベルの専門知識を必要とし、かつ表に出回らないような裏の研究物だからかもしれない。

ソレイル
ひらがな読み/英語表記

かつて地文が計画し、天文が作り上げた「箱舟計画」に用いられる予定だった巨大移民船がソレイルである。 しかし、たとえソレイルにラシェーラの全住民を収容できたとしても、居住可能な惑星を探し当てるまでの途方もない時間や、その間の食料、民衆の精神状態の維持など様々な問題から、ソレイルそのものは造られたものの、計画は頓挫してしまっている。現在では天文が管理しているとも言われているが、その巨大な宇宙船がどこに存在するのかは、誰も知らない。計画が中止されて以降、その所在は不明とされていたが灯台下暗しとでもいうのか、ソレイルはその表層を巨大テーマパークコロン「ぱれす・にゅろきーる」として偽装し、公衆の面前に堂々と存在していた。現在、その内部には新生ジェノミライ研究所が設立されており、最先端の技術研究が行われている。

フォーシーズンへのチケット
Ticket to FourSeason

イオンがネイと共にプラネタリー・メゾンを訪れた際に参加したラシェーラ・スターライトの商品。イオンたちは結果発表を見る前にチューブカンパニーへ向かってしまったが、優勝の知らせを受けた白鷹が代理で商品を受け取っていた。本来であれば白鷹はチケットを使わず、いつか再会したイオンたちにチケットを渡すつもりだったようだが、イオンからノエルの危機を聞いて居てもたってもいられず、プラネタリー・メゾンからチケットを使用して文字通り飛んできたようだ。

gRNAウイルスβ
ひらがな読み/英語表記

ジルが「不老不死の薬」と銘打って多くの富豪たちから資金調達の元としていた薬。 gRNAウイルスβを打たれた人間はその遺伝子レベルから体が作り変えられ、ジェノムと同じく三鎖以上のDNA鎖数を持つ肉体となることができる。 ただし数日、もしくは数十日にわたって体を作り変える高熱にうなされることとなり、しかもgRNAウイルスには相性が存在するため、その過程で肉体が限界を迎えて死に至ることも少なくない。

セントラルユニット
ひらがな読み/英語表記

フォーシーズンに存在するクオンタイズの本拠地。 中には移動用のワイヤレスシップから始まり、様々な電子機器や真空管が常備され、世界中の情報を常に監視している。 ただし、クオンタイズのメンバーは普段からセントラルユニットにいるわけではない。 彼らには彼らの生活があるのだ。 そのため、基本的なやりとりはジェノメトリクスを介して行われており、よほどのことがない限りメンバー全員が集結することはない。 ちなみにこのセントラルユニットの管理はクオンタイズメンバーが持ち回りで、清掃、点検、メンテナンスを行っているらしい。

俯瞰視点
ふかんしてん/英語表記

俯瞰視点とは、たとえば三次元空間をその外側から見ることができる能力である。 俯瞰したい次元をnとしたとき、その次元を俯瞰するためには(n+1)次元的存在である必要がある。 例を挙げるなら二次元空間に住む人間が迷路を彷徨っているところを、三次元空間の人間は簡単に迷路の出口まで案内することができる。 実際には距離の要素が加わるため、広大な二次元を三次元空間の人間がすべてを把握することはできないが、それでも二次元空間の人間よりもさらに多くの情報を得ることができる。 万寿沙羅において何も計算していないイオンがバーストを防ぐ詩魔法を紡げたのは、俯瞰視点を用いてそれらすべてを感覚で行ったからである。

ヒトガタ
ひらがな読み/英語表記

簡単に言えば人の形をしたジェノムがヒトガタである。テレフンケンをはじめ、空想型や動物型といった数多くの種類のジェノムがラシェーラには存在している。しかしその中で、人間の姿をしたジェノムは非常に稀で、普通の人は一生に一度会えるか会えないかといわれているほどである。空想型や動物型は自身の力で謳うことができないため、詩魔法を使用することはできない。それに対して、ヒトガタは人間と同じように声を発することができるため、自らで詩魔法を生み出し、それを謳うことが可能なのである。ネイがカンパニーにおいて、ネプトリュードを瞬時に反転させ、レオンの妨害を受けずに謳いあげることができたのも、彼女がヒトガタだったためである。

amRNAウイルス
アストロサイト・モジュラトリ・ウイルス/英語表記

ネイがイオンと白鷹に指示を出して、ジルの研究室から回収させたものの一つ。 ネイ自身がこれを利用して何かをしようとしているわけではないようだが、ジルにとって貴重な研究成果の一つであり、彼女が何をしようとしていたのかを知るためには貴重な実物サンプルとなる。 ただし、このウイルスがどのようなものなのかは一切不明である。 ネイは何かを知っているようだが、彼女が「言いたくない」と言うほどのamRNAウイルスとは一体どのようなものなのか、その謎がネイから明かされることは果たしてあるのだろうか。 その効果は、人間に投与することでその肉体と精神を苗床に、無限にシャールを生み続けさせるというもの。生み出されるシャールは予めウイルスにプリセットされたプロクラムに則って行動する。そのため、ジルが行ったように自我を失くし、特定の行動のみを行わせることも可能であり、そうして生み出されたシャールは与えられた命令を忠実にこなす生きたロボットのような存在となる。

量子展開扉
りょうしてんかいとびら/英語表記

省略して、量子扉とも呼ばれる。一見ただの壁にしか見えないが、特定のEXEを走らせると通り抜けることが可能になる場所。有体にいうならば「見えない扉」ということになる。 現在のジェノミライでは、その殆どの出入り口が溶接されて開かない状態となっており、この量子扉を駆使しない限りジェノミライの下層へと向かうのはおろか、入ることすら不可能となっている。 サーリが使用した「exec_genomirai」は、クラケットが長い年月をかけてジェノミライ中に設置した量子展開扉を開くための解除キーであり、 これを使用することで手間のかかる暗号解析を行うことなく、扉の展開が可能となっている。

シェルノトロンサーバー
CielnoTron Server

縦貫坑道の奥、ジェノミライ。その中心部に存在し、全てのシェルノトロンが使用するトロンネットワークのホスト、というのが表向きの存在である。その正体はシェルトノロンに表層意識をREON-4213として利用されているネロを眠らせるための冷凍睡眠装置である。これによりネロは表層意識はおろか深層意識の中においても身動きが取れなくなっていた。しかし、Tzチューブ・カンパニーでのネプロトンの事故がネロの意識を呼び覚ますこととなり、トロンネットワークを通して人々がネロの思いのままに操られると言う事例が確認されるようになる。これがシェルノトロン規制の原因であり、真実は市民に伏せられている。

力場
りきば/英語表記

縦貫坑道の奥深くにあるジェノミライ。そこからさらに奥深く進んだ先にあるのが「大深度地下エネルギー圧縮施設」、通称「力場」である。ここにはクラケットが長い年月をかけて製造した巨大な真空管が設置されており、この真空管とチェインして詩魔法を詠唱することで周囲の物質が収束および超圧縮され膨大なエネルギーを秘めたひとつの塊となる。そのエネルギーを用いることによって次元移動すらも可能とすることができるのである。ただし、この収束と圧縮は詩魔法詠唱者の周囲を除く全てを無差別に行うため、詠唱中、力場周辺は非常に危険な状態となる。いわば小さなブラックホールを生み出すようなものである。

同調可能精神レベル
どうちょうかのうせいしんLevel

人間とジェノム、もしくはシェルノトロンと同調した時、その絆や相性によって決定される精神階層の深さが同調可能精神レベルである。人やジェノムの精神には大きく分けて表層意識と深層意識、そして共通意識の三つが存在するが、表層意識と深層意識にはさらに何段階かの階層が存在している。この階層が深ければ深いほど、詩魔法を紡ぐ際の効果は高くなり、その種類も豊富になっていく。実際には人の声帯やジェノムの持つ鎖数などにも影響されてくるが、決して無視することはできない。ヒトガタが詩魔法を使用する場合、その絆や相性をほぼ無視した状態で発動が可能なため、力加減を間違えると一気に体力や気力を消耗してしまう危険性がある。

万寿沙羅を救った大きな花
ひらがな読み/英語表記

皇位継承の儀が始まり、初めて降り立った地上でイオンが紡いだ詩魔法。ラシェーラでは見たことがない花だったため、その巨大な様から「ビッグフラワー」と呼ばれるようになる。その花の正体は地球にも存在する「ハス」であり、バーストを跳ね返す能力と巨大さを除けば、我々が良く知る花の一つである。その能力はイオンが使った俯瞰視点によるものであり、巨大さは助かりたいと願う万寿沙羅住民の願いの集まりに他ならない。現在においても、万寿沙羅住民が常にチェインしてエネルギーを与え続けることで、地上に咲き続けている。

シャール
ひらがな読み/英語表記

amRNAウイルス(アストロサイト・モジュラトリ・ウイルス)によって生み出された人工ジェノム。分類的にはテレフンケンと同じ空想型ジェノムとなっているが、ジルが実践テストも兼ねて生み出したシャールは自我が存在せず、予めプリセットされた命令を本能的に行い続ける、いわゆるロボットのような存在となっている。イオンの夢セカイに存在するシャールも「シャール」と呼ばれているが、あのシャールたちには表情豊かな自我が存在し、また人を襲うどころかイオンの記憶を修復する手助けをしてくれていることから、似て非なる存在なのかもしれない。

テンプルナイト
ひらがな読み/英語表記

天文にPLASMAがあるように、それと対を成す地文の組織がテンプルナイトである。 シェルノトロンの普及により、天文が実質的トップとなっている近年においては、PLASMAのような権力は持ち合わせていないものの、その諜報能力や戦闘能力は決して劣ってはいない。 不正を暴き、地文が再び台頭するために日夜天文を監視し続けていたが、周到な情報操作により皇位継承の儀が始まるまではこれといった動きを見せていなかった。 しかし、カノンやジルの行動がきっかけとなり、ついに天文に対して行動を開始したようだ。

ラシェーラの芽吹き
ひらがな読み/英語表記

二年前、旧ジェノミライ研究所において発生した事件をきっかけにシェルノトロンサーバーが停止。 これを発端に天文が解体され、ジルがもたらしたシャールによって再び地文が台頭した一連の出来事は「ラシェーラの芽吹き」と呼ばれてるようになる。 旧ジェノミライ研究所であった出来事のほとんどは民衆に伏せられており、シェルノトロンの完全停止や前地文大司教であるカノイール、そして天文皇女イオナサルの死亡に関する詳細も公になっていない。

H波
ひらがな読み/英語表記

H波とはSHW(定常精神波)、そしてDHW(導体精神波)ふたつの力の総称である。 SHWとは、生命の記憶や性格などの各々が持つ「生命力」を指し、詩魔法の使用においてエネルギーソースとして用いられる。 それに対してDHWは、人々が持つ「想い」や「意志」のことであり、常に発振され周囲に影響を与えている力である。 SHWはアースにおける「魂」や「意志」のことであり、DHWは「言霊」や「祈り」とほぼ同義であると考えていいが、その力が世界に与える影響は比較にならない。 なぜならラシェーラにはジェノムがいるからである。 ジェノムは人が持つDHWを数千倍から数万倍に増幅し、さまざまな物理現象として発現させ、奇跡と称させる現象を起こすのである。

無尽蔵にシェールを生み出せるわけではない
ひらがな読み/英語表記

本来ジェノムがこの世に生を受けるためにはジェノム同士による精神世界間の交流が必要となるが、 amRNAウイルス(アストロサイト・モジュラトリ・ウイルス)は投与された人間をジェノムと誤認させることでジェノムを生み出す薬である。 ただ、そのためには投与された人物のSHW(定常精神波)、つまり生命力が必要となる。 となると当然、個人から得ることができるH波には限りがあり、消費され続ければ精神的に疲労し一時的な鬱状態になる。その状態になるとSHWが回復するまでジェノムは生み出せなくなる。 ジルが大司教に就任して以降、反勢力の中でも更正の余地なしと判断された者たちがウイルスの苗床として利用されている。

チキチキポン
ひらがな読み/英語表記

クラケットが縷縷で世話になる代わりとして研究開発していた新種のチキポンがチキチキポンである。 既存のチキポンがこぶひとつなのに対して、チキチキポンにはこぶが五つ存在し、クラケット曰く五倍の大きさがあるらしい。 チキチキポンがどうこうというより、二年後のラシェーラでもクラケットの食料作成のセンスは相変わらずのようだ。 もちろん、このような研究から画期的なものが生まれる可能性もあるが、食べることになるサーリからしたら複雑な心境だろう。

ミラクルワーム
ひらがな読み/英語表記

チキチキポンと同様に、クラケットが縷縷にある素材から作成した新食材。 虫の繁殖力と牛肉の旨さを併せ持つらしいが、名前から察するに明らかにあの生物であることは間違いない。 解説だけなら大変素晴らしい発明なのだが、もう少し食べる時の見た目にも気を遣ってもらいたい。

地文調停官
ひらがな読み/英語表記

各地、各コロンにおいてジェノムに関する人と人、人とジェノムの間に発生した諍いを双方の間に立って収める役割を持った地文の人間が地文調停官である。 また、そのほかにも各寺院を訪れた人やジェノムの記憶、ファーストハーモニクスを果たした人とジェノムの登録管理なども行っている。 古くから行政機関として政治に携わってきたにも関わらず、地文は比較的開けた組織となっており、 アルメティカ修道院など一部の位の高い寺院を除けば、一般に聖堂を開放して祈りを捧げられたり、民衆の声を聞いたりなども行っている。

空の亀裂
ひらがな読み/英語表記

突如ラシェーラの空に現れた謎の亀裂であり、その詳細については分かっていない。 世界の歪みが具現化したかのような亀裂は民衆の不安を煽る形となり、この亀裂の出現と同時に地文とシャールに傾倒していく人々が増えたことは言うまでもない。 また空の亀裂のほかにも、大地の消滅が観測されたという話もあり、情報が流布していあにだけでこれらのほかにも世界の歪みは広がり続けている。 クラケットとウンドゥの理論によれば、ネロが自らの世界に戻ったことで世界の歪みは治まるはずだったが、却って歪みが大きくなっている。このことでクラケットは自信を失いかけている。

導師
ひらがな読み/英語表記

ジルがシャールを伴って地文を訪れた際、一緒にいた少女が導師ネイである。 彼女は二年前までプラネタリー・メゾンで一世を風靡した踊り手だったが、現在においては空想型ジェノムであるシャールを唯一統率できる存在として、大司教ジルのサポートを行っている。 ただしそれは体面上のものであり、実のところネイ自身は導師の役割を望んで行っているわけではない。また彼女による統率は絶対的な権力を持っているとは言い難い。 なぜならシャールはあくまでもジェノムであり、ファーストハーモニクスはひとりの人間とのみ行われるためである。 その関係性から同調者の精神に影響を与えることも可能だが、ネイ自身は望んでいないようだ。

魂のレベル
ひらがな読み/英語表記

魂とは定常的に存在し固有の波動を持つH波(SHW)のことであり、魂のレベルとはこの平均振動数のことを指す。 また魂のレベルが上がるということはSHWの平均振動数の上昇を意味し、詩魔法の強さに大きな影響を与える。 詩魔法にはジェノムの鎖数による限界もあるものの、魂のレベルが高くなるほどより強力な詩魔法を紡ぐことが可能となるのは間違いない。 シャールの場合、詩魔法だけでなくその姿形にも影響を与え、魂のレベルが上がることによってその姿を変化させる。

統率の詩
ひらがな読み/英語表記

導師としてのネイが地文大寺院において謳っていた詩。 対外的にはあくまでも儀式的なものとして扱われているが、その実態は人々に渡したシャールのコントロールを行うためのものである。 ネイがシャールに送っていた命令は「想いを一つに」という曖昧なものであったが、結果として人々は地文に傾倒していくことになる。 それはネイの詩によるものなのか、はたまたシェールそのものの知られざる能力なのかは定かではない。

六軸移動
ひらがな読み/英語表記

六軸移動とは「空間」、「時間」、「可能性」および「クオリア」をある一点に移動させる行為であり、簡潔にすると「自らの希望が叶う世界に作り変える」といえる。 具体的には「望んだ可能性が得られる自由な場所と時間に移動し、他人の意識もそれに従って改変する」という行為であり、世界そのものを根底から覆すためには六軸移動を行う必要がある。 仮に五軸移動を行った場合、自身の可能性軸は選択可能だが、他人の可能性を俯瞰できないため、移動から数瞬の間は干渉することが可能でも、先の可能性を把握し操作することが不可能だからである。 また他人のクオリアの操作も不可能なため、望んでいたシチュエーションにならない可能性も高い。

クオリア
ひらがな読み/英語表記

アースの哲学用語であるクオリア(主観的知覚)とは異なり、ラシェーラにおけるクオリアとは記憶や性格といった「個」が持つSHW、つまり「その魂の『主観視点』」を指す言葉である。 また、ほかの次元とは異なるクオリア次元を基準としたのがクオリア次元論だ。 基本、世界の「動」と「変化」を支配するのは、物理法則とクオリアの二つしか存在せず、何か変化があれば、それは物理法則に従った動きか、クオリアがその意志によって動かしている動きかのどちらかである。 クオリアはクオリア次元論の六軸に位置するひとつの軸であり、線形でありながらも強固な境界線を持っている。 三次元的に例えるなら国境や県境のようなもので、見えない線を引くことで自分という「個」を守っている。

太陽ベゼル
ひらがな読み/英語表記

ベゼルとは、地文が提唱するセーブ・ベゼルの名前の由来ともなっているラシェーラの太陽「ベゼル」のこと。 何千、何億という時間、ラシェーラを照らし、生命を育んできた恒星だが、ある時を境に異常活動を開始。それはラシェーラへの「バースト」として現れる。 その原因は七次元的存在であるネロ、そしてイオンの存在であり、彼女たちの魂がラシェーラに存在することによって宇宙全体のウェイトバランスが崩壊し、六次元的な谷間が発生したことで、ラシェーラ周囲のさまざまなものを引き寄せているのである。 その中でもベゼルは近場にあり、かつエネルギーも高いため、バーストという形で人々に影響を与えているのである。

G2管
ひらがな読み/英語表記

シェルノトロンに使用されているシェルノサージュ管の前身となった真空管がG2管である。 G2管はクラケットが詩魔法増幅手法であるチェインを応用して作り上げ、同調しているジェノムの力の上限を突破することを可能とした、いわゆる詩魔法増幅器である。 名前からG2トロンに使用されている真空管と勘違いしそうだが、G2トロンに使用されているのは「G2-DH管」というジェノムのように同調を可能とした真空管であり、G2管は同調することができない。

雷哭大樹
ひらがな読み/英語表記

地上、万寿沙羅区に存在する大木であり、かつて旧超輝工冒険団の面々が秘密基地として使用していた場所でもある。 その昔、まだ周辺に人が住んでいた頃は、農機具小屋に使用された痕跡があるが、 ター坊たちの度重なる改築、もとい改造によって外観はともかく内部は子供部屋のような造りになっている。その様子はまさに冒険団三人の行動力を物語っている。 雷哭大樹の周辺は断界(バーストの被害を受けた場所)となっており立ち入りは禁止されているが、冒険団の面々はあまり気にしていなかったようだ。 それは子供ゆえの冒険心や無邪気さによるものに他ならない。

ダイブ
ひらがな読み/英語表記

ダイブとは、自分ではない他人の精神世界に入り込むことであり、広義の意味で言えば同調と大きな違いはないが、精神の深さは単純な同調の比ではない。 そのため、ダイブに成功すれば対象の根源的な精神から記憶に至るまで見ることが可能となり、魂の状態のイオンのように意識が閉ざされてしまっていたとしても、呼び起こすことも可能となる。 ただそれと引き換えに同調以上の危険が伴い、場合によってはダイブを試みた人間の精神がそのまま還ってこない可能性すらもありえる。 ダイブを試みる際は外部からのサポートを用意した上で、精神が成熟した人やジェノムが行うことが望ましいとされている。

地文大司教
ひらがな読み/英語表記

帝立ジェノメトリクス同調調停院を統括する最高決裁者が地文大司教である。 地文には文字通りの調停業務から、政治家として人間とジェノム双方の利益を追求する役割、そして新たな快適性を生み出す遺伝子工学の担い手など、その役割は多岐にわたる。 それらすべてを担うのが大司教であり、皇帝の血を引く皇女が兼任することが多い。 天文全盛の時代、その権力は決して大きくないものまで落ちていたが、シェルノトロンサーバーの停止によって天文が失墜したことで再びその力を取り戻した。 かつてはカノンがその座に就いていたが、彼女なき今、シャールをもたらしたジルが大司教として君臨している。

gRNAウイルスα
ひらがな読み/英語表記

サーリに投与されたgRNAウイルスβの前身であり、地文皇女であるカノンが投与された薬。 ヒトガタに変質するβとは異なり、対象者の能力を引き上げ、本来持つ能力以上のジェノムと同調を可能にする効力を持つ。 そのため、カノンは自身の能力を大幅に超えるコーザルとの同調を可能としたのである。 しかし、そのリスクは決して低くはない。カノンを除いた被験者228人は適合できずに死亡し、唯一適合した彼女であっても詩魔法の使用時に発熱を伴うといった後遺症を残している。 強力な力と引き換えに大きな代償を支払う必要があることは明らかである。

SHSヘテロマイシン
Sharl Super Intend Heteromycin

かつてシャールの肉体へとTXされたネイがフラクテルを喪ったことによって力尽きようとしていた際、ジルによって投与された薬品。 その正体は空想型ジェノムに自活能力を与える効果と共に、特定のアストロサイト・モジュラトリ・ウイルスから生成されたシャールたちを統率する能力を与えるものである。 SHSヘテロマイシンは旧ジェノミライ研究所が閉鎖されて以降、地文からの非正規依頼でウンドゥとジルが開発した薬品である。 そのため、天文には一切知られていないはずだったが……。

地位の低い最下層民
ひらがな読み/英語表記

皇女が皇帝になるための試練である皇位継承の儀におけるルールの一つであり、試練を過酷たらしめる要因でもある。 皇位継承の儀が開始された時点で、皇女はラシェーラにおける最も地位の低い存在として扱われるが、だからといって将来的に皇帝となり得る皇女であることには変わりはない。 さらに最下層民だからといって暴力を振るって良いというわけではないため、ほとんどの民衆は表立って皇女に危害を加えるようなことはしない。 それにもかかわらず、一部の過激的な人間が過去の継承の儀で皇女を殺害した事例も多数発生しており、立ち振る舞いの一つひとつに命にかかわる危険が伴う。

次世代シェルノトロンサーバー
ひらがな読み/英語表記

ネロを失った天文が既存のシェルノトロンサーバーに代わるものとして開発を行っていたとされる新型シェルノトロンサーバー。 今までのシェルノトロンサーバーはイオンやネロなどの七次元的存在の俯瞰視点によってマルチタスクを実現していたが、それに代わる何らかのものを天文が研究・開発していたようだ。 その詳細は今のところ不明であり、またこの次世代シェルノトロンサーバーが世界にどのような影響を与えるかは未知数である。

ジェノミライパンデミック
Genomirai Pandemic

縦貫坑道の最奥に存在した旧ジェノミライ研究所が解体されるきっかけとなった事件。 幼少時のカノン(ドゥドゥ・ノエチウム)とネロがシェルノサージュ管を介して同調した際、ネロがウイルスを撒き散らし、研究者の六割以上が昏睡状態となった。 幸い、旧ジェノミライ研究所は気圧上昇のために地上からの送風が行われており、ウイルスが地上に漏れることはなかったが、 大部分の研究者が倒れたことによる研究施設の機能低下とネロの考慮し、旧ジェノミライ研究所は解体されることとなった。 旧ジェノミライ研究所が非公開であったこと、またジェノミライパンデミックそのものが人々の目に触れることがなかったため、一切が秘匿されている。

クオリア中心
ひらがな読み/英語表記

クオリアとは、ラシェーラにおいて「その魂がもつ主観視点」を表す言葉だが、クオリア中心を一言で表すと「その魂が本来あるべき主観視点」を指す。 俯瞰視点でクオリア中心が定められない場合、自身のクオリアを見失い、記憶の欠落や深層意識の一時的な入れ替わりが発生する。 このとき深層意識に入り込むクオリアは、現在・過去・未来・確率のいずれにも囚われることがないため、俯瞰視点によって得ようとした結果に最も適したクオリアが深層意識に入り込むこととなる。 俯瞰視点を使いこなすためには、そのときの自身のクオリア中心をしっかりと定め、そのうえで世界を俯瞰することが重要な要素となる。

パークパスニュロン
Park Pass

ぱれす・にゅろきーるのアトラクションを楽しむためのフリーパストロン。 G2トロンやシェルノトロンと同様に同調して使用することも可能であり、特ににゅろきーやその仲間たちに関する詩魔法を紡ぐことを得意としている。 ただ、あまりやりすぎると、ぱれす・にゅろきーるの版権元から怖いおじさんたちがやってくるので注意が必要。 またパークパスニュロンには、それぞれ期限に応じたランクが存在し、イオンたちがレナルルから貰ったのは無期限の最高級トロン。 にゅろきー好きにとっては存在自体が超弩級のレアトロンであり、フリーパス期限が切れたトロンであっても、ランクによっては高額で取引されることもあるという。

七次元俯瞰理論
ひらがな読み/英語表記

旧ジェノミライ研究所が解体後、クラケットが密かに研究を進めていた七次元さえも俯瞰する八次元目の可能性を記した研究資料。 二年後の出来事を聞いたクラケットが、イオンやネロを元の世界に還すための手段として思い立った可能性の一つ。 八次元目の理論を擁立し、その存在を生み出す手段を見つけることができれば、七次元的存在である彼女たちを俯瞰して元の世界へ返すことが可能となる。 世界の全てを七次元を「宇宙」と例えるなら、それをさらに外側から俯瞰できる八次元存在は神にも等しい存在だといえる。

地文調停十二支
ひらがな読み/英語表記

地文大司教に仕える十二人の幹部たちの名であり、それぞれが地文におけるエリート中のエリート。 その中でも、当時リモナイト家の当主だったジルの父親は、十二支筆頭として皇女がいない地文の大司教を務めていた。 しかしあるとき、彼を含む十二支たちはどこの馬の骨とも知れないカノンを皇女として擁立し、大司教へと就任させた。 全ては十数年後に行われる皇位継承の儀に勝利し「セーブ・ベゼル」を成功させるためだったが、順当にいけばジルが大司教の座に就いていただろうことは疑いようがない。

ジェノムは天文幹部を次々と乗っ取って暴走した
ひらがな読み/英語表記

人とジェノムの関係は、その全てがイオンやテレフンケンの関係のように友好的なものばかりではない。 ジェノムは人間に詩魔法という力を与えてくれる代わりに、時として人間の精神世界を占領し、宿主を乗っ取ってしまうことがある。 そうなった宿主はもはや廃人であり、一生目を覚ますことはない。しかし、実際には乗っ取ったジェノムが宿主を操っているので、傍から見れば普通に生きているようにしか見えない。 ぱれす・にゅろきーるにおけるシャールを用いた人々の洗脳は、このジェノムの特性を応用したものである。 本来であれば宿主を見限らない限り起こり得ないジェノムの習性をシャールに与え、天文台からの洗脳波を用いてその命令を実行させていたのである。

フラスク流体
ひらがな読み/英語表記

ソレイルに存在する巨大な水槽の水。それがフラスク流体である。 その水量は海と間違うほどに広大な空間を覆い尽くす量であり、その総量は管理している天文でさえも量りかねるほど。 フラスク流体の最大の特徴として「流体内での呼吸が可能である」ということと「流体内の人間の精神力を別のエネルギーに変換する」という二つがある。 後者は急激な変化ではないため数刻であれば大きな影響はない。しかしこれは、微弱ながらも確実にアストロサイト・モジュラトリ・ウイルスによるシャールの生成を早める。 また、この液体の特性については天文上層部でも殆ど知られておらず、天文の幹部が入れ替わったばかりの現在ではリーヴェルト一人のみが知る事実である。

シャール消去剤
ひらがな読み/英語表記

第二世代シェルノトロンサーバーを担うシャールたちを破棄する際に用いられるはずだった薬。 削除剤と言う名称からして毒劇物を想像してしまうかもしれないが、人間やその他のジェノムに対しては全く害はなく、 アストロサイト・モジュラトリ・ウイルスから生み出されたシャールのみを的確に殺害する。ただ、正確には「殺害」よりも「自壊」と表現した方が正しい。 というのも、上記に述べたようにシャール消去剤は毒劇物の類ではない。特定のDNAを持つものの自壊を促す命令のようなものなのである。 それはシャールにとっての「自爆ボタン」に等しいものであり、そのボタンを押すのがシャール削除剤に他ならない。

一心同体
ひらがな読み/英語表記

人間とジェノムの関係にはいくつかの段階が存在している。それが「非同調」、「同調」、「完全同調」、そして「一心同体」である。 なかでもDNA鎖が塩基対によって完全に結びついた状態であり、そこにはもはや人とジェノムの境界線は存在していない。 それは、それぞれが個として存在していた時に比べて能力の欠損率が格段に小さくなり、人やジェノムとしての限界の力をフルに使用できるということにも等しい。 ただし、絆の深さにもよるが一心同体でいられる時間はほんの僅かであり、歴史上の最長の時間は一分未満とさえ言われている。

クーデターの日
ひらがな読み/英語表記

イオンの再教育をカモフラージュにして、レナルルは一部の天文議員とPLASMA隊員と共に、リーヴェルトを含めた天文上層部に反旗を翻した。 この作戦のコードネームは「白の花」と呼ばれ、イオンの再教育が行われるはずだった日付および時刻と同時に一斉に活動を開始し、天文の官僚たちを僅かな時間で拘束することに成功した。 しかし、最も警戒すべきリーヴェルトは、フラスク流体の秘密を利用してソレイルから脱出。その身を隠してしまい、消息不明となる。 この時ジルはリーヴェルトの指示でサーリとネロを伴い、一足早く旧ジェノミライ研究所へと訪れていたが、クーデター後、PLASMAによってジルは拘束され、サーリとネロは無事に救出された。

七次元論
ななじげんろん/英語表記

旧ジェノミライ研究所が作られる以前から、クラケットが提唱していた七つの次元によって世界が作られているという多次元世界論のひとつ。 ジェノミライ発足以前、クラケットは「精神波の干渉による多次元世界観の移動」という論文を書いている。イオンをラシェーラに呼んだ「七軸移動」もこの論文を元に研究開発されたものである。 また、縦貫坑道の奥に眠っていたロストテクノロジーの解析にも、この七次元論が大いに活躍した。 紆余曲折あって身を隠したクラケットは更なる研究を重ね、もうひとつの多元世界論「七次元俯瞰理論」という、七次元すべてを俯瞰する方法を発見した。

ラシェール・フューザー
英語表記

グランフェニックス計画の要となる詩魔法。 大まかに言えば、何万光年も離れた空間を繋げる詩魔法であるが、その効果にはいくつかの段階が存在する。 まず、第一にラシェール・フューザーによる空間の接続を行うにしても、その接続先を明確にしない限り、正確な接続が不可能であるということ。 無目的に接続しようとした場合、恒星の中心と繋がってもおかしくないのである。そのため、天文はイオンやネロの俯瞰視点による座標の特定を求めた。 第二に接続した惑星の調査や移住にかかる時間、接続を維持するには途方もないエネルギーが必要となる。 そのため、スフィリアルリングとリンクし、クエーサーの生成や空間接続などをローコストで行う必要がある。

ジェノム恐慌
きょうこう/英語表記

旧ジェノミライ研究所の最深部で発生した力場の暴走。それはラシェーラの地殻を抉り、全土に大地震を引き起こした。 この地震の直前、多くの人々が縦貫坑道に向かう無数のジェノムを目撃したため、大地震を引き起こした原因がジェノムであると考えるものが多発した。 それは天文派だけでなく、一部の地文派にすら疑問を抱かせ、この疑いと大地震による不安は「ジェノム狩り」という暴動にまで発展した。 この一連の流れが「ジェノム恐慌」である。 PLASMAや一部の民衆の手によって暴動そのものは沈静化しつつあるが、一部ではまだその影響がくすぶっており油断できない状況となっている。

ヒュムネスフィア
ひらがな読み/英語表記

謳う丘に建設されたラシェーラからの避難民を受け入れる居住区。 何十万という単位の人や動物、ジェノムを受け入れる施設であることからも、その大きさはうかがうことができる、 限られた人間だけが使用できる行政区画や皇帝が謳うためのデッキの大きさを考えれば、実質謳う丘のほとんどがこのヒュムネスフィアであるといっても過言ではないだろう。 ヒュムネスフィア内部には、人々の生活スペース以外に区画を移動するための通路がいくつも存在している。 とくに特徴的なのは、それらの通路の壁が透明になっていることである。 これによって謳い手や一部の人間だけでなく、住民全てが星との最後の別れができる。 この構造は、終わりを迎える星への最後の心遣いなのだ。

皇帝契絆支
こうていけいはんし/英語表記

代々の皇帝が三~十名を指定して授ける称号。 イオンが指名したのは、ター坊、キャス、ネイ、白鷹、サーリ、レナルル、カノンの七人だったため、「七支」とも呼ばれている。 皇帝契絆支は指名した全員を示す称号であるが、その中でも個々の称号が存在している。その称号は皇帝自らが考え与えるものとなっており、代々の皇帝によって与えられる称号はさまざまである。 また皇帝契絆支には、ジェノムの王であるコーザルと共に心を繋げ、全員でひとつの詩魔法を紡ぐ権利が与えられており、その際に世界を動かすことができる強大な詩魔法を紡ぐことが可能となっている。 しかし、コーザルの魂はジェノミライで失われ、現状、詩魔法を紡ぐことはできなくなっている。

謳う丘
うたうおか/英語表記

ラシェーラの静止衛星軌道よりさらに上、スフィリアルリングとラシェーラを見渡せる位置に存在する。謳う丘には大きく分けて三つの施設が存在している。 人々が避難するための居住区画、行政機関、そして皇帝が謳う丘もコロンと呼んで差し支えない。 しかし、歌う岡野本来の役割はグランフェニックス計画の要「ラシェール・フューザー」を謳うための場所、つまりデッキの部分が最も重要なのである。 ラシェール・フューザーを謳うとスフィリアルリングより内側にあるものは消滅してしまう。そのため、居住区画などは結果的に付随することとなったとも言える。

スフィリアルリング
ひらがな読み/英語表記

ラシェーラを囲む巨大な三つのリング、それがスフィリアルリングである。惑星ひとつを囲んでいることから、その巨大さは容易に想像できる。 そのスフィリアルリングが持つ唯一にして最大の機能がラシェール・フューザーによって呼び込まれた空間の制御と固定化である。 スフィリアルリングが捻じ曲げられた空間を固定化することで何十万人もの人間を一人ひとり転送するより、遥かにローコストでの空間移動が可能となっている。 また同時に、スフィリアルリングの内側と外側の重力場を切り離すため、リングの本体と外側に存在する施設は超重力の影響を受けることはない。 機能そのものに派手さはないものの、グランフェニックス計画を支える重要な施設となっている。

マイクロクエーサー
ひらがな読み/英語表記

宇宙に存在する強力なエネルギーの渦であり、ブラックホール一歩手前の状態である「クエーサー」が小さくなったもの。 簡単に言えば、超高密度の圧縮されたエネルギー体のことである。 ラシェール・フューザーによって生成されたマイクロクエーサーは、ラシェーラ一つ分のエネルギーを蓄えたものであり、その総量は人知を超えるといっても過言ではない。 しかしそれだけのエネルギーを以ってしても、空間の接続を半永続的に行うことは不可能であり、エネルギーを効率的に使用したとしても三十日の接続が限度とされている。

名称
ひらがな読み/英語表記

説明

・コンチェルト2用語

表題
ひらがな読み/英語表記

説明の内容

シェルノサージュ
Ciel nosurge

イオンが、シャールを無限増殖させるために謳わされていた詩。厳密には、この詩の効果は「シャールを産む」ことではなく、「七次元先の世界に接続し、その先の存在から詩魔法の力を得る」ことである。七次元の世界、すなわち我々の世界からエネルギーをもらい、そのエネルギーを使ってシャールを産みだしていたのだ。我々の世界ではPlayStation®Vita用ソフト「シェルノサージュ」でその信号を受信していた。ソフト内のプログラムにより、バーコードを撮影することで、その物質のエネルギーが転送され、イオンの世界ではそれがシャールを紡ぐエネルギーとなっていたのである。

シェルン
Cieln

謳うことで具体的な力を得る魔法、詩魔法の中でも特に、移民船ソレイルに作用する詩のことを「シェルン」と呼ぶ。これらは機械的にプログラムされた詩であり、謳い手はこのプログラムを心の中にタウンロードすることで、あたかもそれを自らが紡いだように、すぐさま謳うことができるようになる。ただし、ダウンロードにはそれ相応の時間がかかるため、落ち着いてダウンロードできる場所でやらなければならない。

ヒュムノス
Hymmnos

デルタ達が飛ばされた先の世界、惑星アルシエルに存在していた、詩魔法を使うための言語。ラシェーラに存在していた契絆想界詩とは全く違う言語体系であるが、それにより導き出される詩魔法の力は、全く同じ「想いの力」である。契絆想界詩とは違い、ヒュムノスを使うためには巨大な詩魔法サーバーが必要であり、そのサーバーがこの言語を解析している。そのサーバーは「第一増幅塔」と呼ばれる巨大な塔である。英語的な文法が特徴であるが、最初に必ず想いを伝える構文を入れないと、詩が発動しないようになっている。

ヤルフィーネ・ノイア
yal fii-ne noh-iar

「世界の救済」「魂の救済」という意味の、シャールの祭典の名前。この世界でいうところの「最後の審判」のようなものである。「世界が生まれ変わるとき、神がこの地に降臨し、人々を浄化して新たな緑の星を誕生させる」といった予言と共に存在し、それは「神の代理人」と呼ばれる巫女による詩により始まると言われている。シャールは皆、ヤルフィーネ・ノイアを心待ちにしている。

詩魔法
うたまほう/Song Magic

「想い」を具体的な「力」に変えるという、この世界独自の魔法携帯。自らの感情、想いのほとばしるままに謳うことで、その想いを魔法の力に変えて、攻撃や回復、奇跡を起こすことができる。ただし人間は、単独では歌声をダイレクトに魔法の力に変えることができないため、それが可能である「シャール」や「ジェノム」といった存在、もしくは機械的な増幅装置と心を繋げないと使えない。

契絆想界詩
けいはんそうかいし/Emotional Song Pact

人よりも優れた生命といわれる「ジェノム」が公用語として使っている言葉である。ジェノムと共に紡ぐことになる詩魔法にも、この契絆想界詩が使われる。契絆想界詩は、その言葉の綴りに想いを載せやすい構造になっており、発音することで詩魔法として具体的な力を出すことができる。日本語的文法で装飾語重視の言語であるため、叙情的な表現をしやすく、複雑な思いを力に変換するのに優れている。

制御詩
せいぎょ

詩魔法の中でも、とりわけ機械的処理を目的とするものを「制御詩」と呼ぶ。具体的には、ソレイル艦内の機能の行使や、ガーディアンのコントロールなどが制御詩に該当する。これらの詩は特定の機械操作をするために作られている故、誰が謳っても効果は同じになる。ただし、制御するものが高エネルギーを要する場合、その謳い手の精神力によっては発動しない場合もあるため、その点に留意する必要がある。

唯我武道会
ゆいがぶどうかい/

シャラノイアが誕生してから定期的に行われている、シャールたちのお祭り行事の一つ。シャールと人間でペアになり、その詩魔法を駆使して勝ち抜く武道大会。相手を傷つけることが目的ではなく、強い想いの力を使うことで道を切り開くことを目的とした武道大会で、この大会で相手を死なせることはない。優勝すると、シャールの王であるコーザルとの手合わせが許され、勝つことでどんな望みも聞いてくれるという。

にゅろきー

かつて惑星「ラシェーラ」に存在した巨大テーマパーク「ぱれす・にゅろきーる」のマスコットキャラクター。その愛くるしい見た目で全ラシェーラの乙女を虜にしてしまったほどの人気を誇る。キャスやサーリもその例に漏れず、当時からにゅろきーの大ファンだった。現在においてもその人気は衰えることを知らず、ご当地にゅろきーなどの様々なグッズが今も数多く生産されている。また、にゅろきーには「うりじょー」と「げんのり」という仲間がおり、にゅろきーには劣るものの彼らのグッズも数多く生産されている。

にゅろきーソープ

国民的人気を誇る「にゅろきー」のキャラクターグッズ。1滴の水で通常の石鹸の15倍という驚異の泡立ちが特徴。

天領割符
てんりょうわりふ/英語表記

シャラノイアの市民証とも言えるもの。この割符を持っていれば、シャラノイアのほとんどのサービスを無料で受けることができる。最も身近なところでは、鉄道にタダで乗れたりする。逆に言えば、割符を失くしてしまうとシャラノイアで生きていくのは非常に困難になる。失くしてしまった時には天領伽藍へ紛失届を出しに行くと、審査官と心を繋げての審査を行い、合格するとすぐに再発行してもらえる。

鬼の心
おにのこころ/英語表記

シャール達が、主に「怒り」の感情を指していう言葉。怒りや悲しみといった感情は、特に精神波動を下げてしまい、世界全体のレベル(徳)を下げるものである。中でも「怒り」「ねたみ」「嫉妬」などの感情は実質的な害悪になるため、シャール達はこの感情を「鬼の心」と呼び、忌み嫌う。人間に対してだけでなくシャール自らも鬼の心に支配はれることがあるため、そうならないようにシャール達は日々精神修養を心がけている。

救済
きゅうさい

シャール達が人間の魂を救うために、フラスコの海に入れて心を浄化してあげる行為のこと。人間は「怒り」「嫉み」などの感情が強く、その感情が常に争いの火種を起こしている。それは魂のレベルが低いためであり、改善には修練が必要なのだが、人間はそれをしようとしない。ゆえにシャールが人間をフラスコの海に入れることで強制的に修行をさせる。無理矢理禅寺強制連行という感じだろうか。

浄化
じょうか

人間の魂から、怒りや嫉みといった感情が消えてなくなること。もしくはすごく弱くなること。

審判
しんぱん

主にジェノミライ教団で修行してきた人を対象とした、修行の成果を見るための儀式。方法は至極簡単で、特別な訓練を受けた上級シャールと心を繋げ、その内側を見てもらうというだけである。その結果によって「甲(=合格)」もしくは「乙(=不合格)」に選別され、甲ならシャラノイアへ、乙ならフラスコの海へと誘われていくことになる。

洗礼
せんれい

ジェノミライ教団へ入団する際に受ける儀式のこと。まだ未熟な魂である自分が教団の教えに従って魂の修行をすることを誓うものでもある。洗礼によって、その次の段階である融和の儀式を受けるまでの間、街から出ることができなくなる。実際はというと物理的には街から出ることは可能だが、なぜかすぐに見つかってしまい、連れ戻されてしまうといわれている。

融和
ゆうわ

ジェノミライ教団の教祖であるジリリウム大司教と心を繋げて、教団の一員になる儀式。融和を行うことで、大司教と信者の心は物理的に繋がることになり、信者は大司教から常に、高い周波数の波動(魂のレベルアップを促進する、良い想い)を受け取ることができるようになるのである。その実はチェインと同じである。チェインをすることの功罪はチェインの項目にまとめてある故、そちらも参照されたい。

ジェノマップ
Genomap

精神世界の中でも、自分の心でも他人の心でもない、その狭間の空間のこと。集合意識ともいえる。人間は集合意識に壁を作って個を形成しているのだ。

ジェノメトリカ結晶
Genometrica Crystal

精神世界で起こした行動によって心が揺さぶられて、その結果、強い想いが生まれることがある。その強い想いを特殊な結晶に詰め込んだのがジェノメトリカ結晶である。想いを結晶に入れる、などと言うと、何ともイメージがつきにくいと思うが、簡単に言えば帯電したプラスチックのようなもので、精神力を帯びやすい特殊な結晶に、強い想いを浴びせているだけである。この強い想いの乗った結晶を人間の体に押しつけて、少しの想いを手から飛ばしてあげると、中に入っている想いが相手の身体に流れ込み、それが詩魔法強化の力になる。

ジェノメトリクス
Genometrics

人間の精神世界のこと。厳密には一人の人間の心の中全部を指す言葉ではないが、ここでは簡略化のため割愛する。ジェノメトリクスには、その人間の想いや記憶が存在し、様々な事件や対人関係によって常に変化している。バイオス屋によるダイブは、このジェノメトリクスに直接入り込む行為であり、そうすることによってより直接的に心に触れることができるのである。その理由は、強い想いを紡いだり、心の傷を回復させるため。言葉によるカウンセリングよりよほど直接的であり、その効果も著しく違う。こうして強い想いを紡いだりすることで、より強力な詩魔法を謳うことができるようになるのだ。

ダイブ
Dive

他人の精神世界(ジェノメトリクス)に飛び込むこと。人間の精神世界は高度かつ複雑に階層化されており、奥深くへ進むほどその人の核心へと近づくことになる。精神世界の深階層では、ときにその精神世界を持つ人物ですら気づいていない本当の気持ちが表れる。そのため、他人を自分の精神世界に受け入れるには、相応の覚悟と信頼関係が必要不可欠だ。

チェイン
Chain

人間同士の精神世界を連結すること。これによって互いに「想いの力」を利用し合うことができるため、チェインしない状態よりも強力な詩魔法を唱えることができるようになる。また、チェイン相手の想いも使うことができるため、相手の妄想した詩魔法をも使うことが可能になる。そんな良いこと尽くめのチェインだが、もちろんデメリットもある。心を繋ぐため、繋いだ相手に心を読み取られる危険性が出てくるのである。もちろん作為的に読み取ろうとしなければ普段から丸見えというわけではないが、それ故にお互いの信頼関係はチェインをする上で最も重要な判断材料となる。

ファーストハーモニクス
First Harmonics

人間とシャールがパートナーになるかどうかの「告白タイム」みたいなものである。ヒトガタやシャールをはじめとするジェノムが、詩魔法を使うためにパートナーとなる人間と付き合っていくか否かを決定する最初の行為。試しに互いの心を通わせ、惹かれあえば成立し、そうでなければ拒絶する。ファーストハーモニクスの成就は契約が果たされたことを意味し、両者の想いに問題が生じない限り、その関係は続く。

想いの玉
おもいのたま

精神世界において、様々な衝撃的事実を目の当たりにしたり、感動するようなことが発生するとできる、強いエネルギーの感情塊。ジェノメトリカ結晶の源。

同調
どうちょう/

同調とは「心を通わせる」こと。すなわち、人間とジェノムの間で精神世界を共有する行為のことであり、それによってジェノムは人間の、人間はジェノムの力をある程度使えるようになる。同調には「同調」「完全同調」「一心同体」という段階があり、段階が上がるほど引き出せる詩の力は増大する。段階を上げるためには、人とジェノムがお互いをより深く知り、受け入れることが必要となる。そのため、一朝一夕では成し得ることができない。「一心同体」よりもさらに上の同調形態として「唯我」というものが定義されているが、その境地に至ったものは誰もない。

唯我
ゆいが/

ジェノムやシャールと人間との同調において、理論上存在するものとして定義されている同調形態。同調形態には、お互いにテレパシーを交わすだけの普通の「同調」から、身体が合体する「完全同調」など、様々なものが存在するが。唯我はその頂点ともいえる形態である。この「唯我」と呼ばれる形態になった場合、もはやジェノムと人間の精神、肉体を「個」として分離することはできない状態になる。すなわち最初から一人の存在であった、というほどに、完全に一つに交わった状態である。この状態で放つ詩魔法の力は計り知れないといわれているが、未だかつて唯我の境地に至った存在はいない。

8次元人
はちじげんじん/英語表記

ネロが引き連れてきた謎の怪物。まだ未完成と言っているが、その姿は人間に似つつも大変おぞましい。ネロ曰く「七次元(世界全体)を見渡すことができる存在」だそうで、ネロはこの「8次元人」という怪物を使い、自らの世界に帰ろうとしているようだ。 我々は三次元世界に生きている3次元人である。8次元人はその名の通り、8次元世界に生きている存在である。……名前の通りであれば。しかし実際には、そこまですごい存在ではないようである。8次元人は、7次元を俯瞰できる存在という意味でつけられた名前であって、8次元空間の住人ではない。我々3次元人は2次元を俯瞰できる(紙を見下ろして、全体を見ることができる)ように、8次元人は7次元を俯瞰できる。7次元の俯瞰とは、あらゆる時間と可能性、そして人間のドラマをいつでも自由に閲覧できるという意味である。簡単に言えば「アカシックレコード」をいつでも閲覧できる存在と言うことができる。

ジェノム
Genom

想いの力を具現化する能力=魔法の力を持ち、人間よりも優れた(徳の高い)魂を持つといわれている存在。その身体はあらゆる生物(蝶や鳥、犬など)を形どっているが、三重螺旋以上のDNAを持ち、人間と意識を通わすこと──すなわち会話ができる。ジェノムには、人間などの二重螺旋の生命には絶対に真似することができない、詩による超常的な力の行使、詩魔法を使用することができる。しかし、ジェノム自身は詩を謳うための声帯を持っておらず、謳うためのエネルギーも足りない。そのため、人間と契約(同調)して、その声帯とエネルギーを使わせてもらうのである。

シャール
Sharl

突然オレイに現れた、謎の生命体。シャールは一人で詩魔法を謳うことができ、人間より遥かに戦闘能力が高い。そして、なぜか人間を生きたまま攫い、どこかへと連れ去ってしまうのである。シャールは数年前に突然現れて、人々をさらうようになった。その謎の行動から人々は恐怖のどん底に突き落とされ、団結してシャールと戦うようになっていった。しかしそんな最中、入信することでシャールに襲われなくなるというジェノミライ教団が誕生、人々はこぞって入信していまう。残された人たちは次第にフェリオンに集結し、断固シャールと戦う気構えで街を護り続けている。

ヒトガタ
Incarnate

人の形をしたジェノムのこと。ジェノムとは、詩魔法を使える生命のことであるが、通常、声帯が自由に使えない動物の形状をとるため、その力を発動するためには謳い手として人間と協力し合わねばならない。だがヒトガタは人間の姿をしているため、一人で詩を紡ぎ謳い、発動することができてしまう。それ故、声帯を持たない空想型や動物型のジェノムと比べて、一線を画する存在であることは疑いようがない。なにより自らの想いをそのまま詩魔法にできるということは、その力も自分の限界まで引き出すことが可能ということである。かつてのラシェーラにおいても希少であり、稀にしか存在は確認されなかった。

マスターシャール
Master Sharl

シャールを統率するシャールと呼ばれている存在。シャールが規律正しく、組織的に人々を襲うのは、その陰でマスターシャールが統率しているからだといわれている。

神の代理人
ひらがな読み/英語表記

シャール達の惑星再生の祭典である「ヤルフィーネ・ノイア」の主役の一人。神を降臨するための詩を謳う、罪深き人間の子と言われている。大きな贖罪を背負い、その力で神を降臨させるという。

空想型ジェノム
くうそうがたジェノム/Imaginary Type Gemon

ジェノムやシャールは、自らの子孫を残すために、精神世界で自らの分身を作ることがある。そうして生まれたのが、空想から具現化したジェノム「空想型ジェノム」である。シャールは人工的に作られたジェノムであるゆえ、ここではジェノムとシャールは同一のものであるといっても過言ではない。そういう意味において、シェールは全員が人間の心から(強制的に)生み出された存在であるため、全員が空想型ジェノムともいえる。また、デルタとキャスの想いから生まれたプリムも空想型ジェノムである。

古代種
こだいしゅ/Ancient Ones

ソレイル艦内でコールドスリープをしていた人々の総称。長い時間を代替わりして生きてきた現代人からは畏敬の対象として見られている。詩魔法を操る人間の殆どはこの古代種である。

想観
そうかん

8次元人のこと。「想観」と呼ばれることもある。想観とは「全てを見渡す力を持つ存在」の意味。

母胎想観
ぼたいそうかん

カノンがヤルフィーネ・ノイアによって作り出した「惑星の母胎」を、8次元人(=想観)が無理矢理合体し、できあがってしまった究極の生命体。八次元人(想観)は7次元を見渡せる力を持ってはいたものの、個の力が弱すぎてそれを使えなかった。しかし、何万人もの魂が融合した「惑星の母胎」を取り込むことで、強大な生命エネルギーを得ることができ、七次元を見渡す力を行使することができるようになる。母胎想観は、この世界の森羅万象を見ることができる存在なのだ。ただし、俯瞰できるのはあくまで自分の世界だけであり、イオンやネロの世界を俯瞰するためには、彼女らを取り込まなければならない。

菩提命王
ぼだいみょうおう/英語表記

カノンの別称。その昔、まだ惑星「ラシェーラ」が存在していた頃に、イオンによって名付けられたものであるらしい。

惑星の母胎
わくせいのぼたい/英語表記

ジルが言っている謎の言葉。物言いからして、ジルの理想のためにデルタ達が犠牲になるようなものであることに間違いはないが、現時点では何のことかは全く分からない。 ヤルフィーネ・ノイアによって、フラスコの海につながれた人間が一つになった自由意思のない魂の集合体。惑星の母胎となった人間たちは、シャラノイアを生み出す力になりつつ、草木の想いや、そこに住む生命のドラマを感じて、平和な世界を作るという行動に繋げることで魂のレベルアップをする。

ジェノミライ教団
ジェノミライきょうだん/Genomirai Church

シャールを崇める人々の集団。入信した者はシャールに襲われなくなるという触れ込みで信者を増やしている。フェリオンの扉が開放されるよりも創立は古く、フェリオンに人々が匿われる前に、既にたくさんの人が入信していた。定期的に審判と称した試験が行われており、その結果によって、人が街から急にいなくなるといった例も確認されている。

ジェノメス
Genomis

対シャール部隊「PLASMA」。その中でも詩魔法を使える「紡ぎ手」と、紡ぎ手を護る「守護者」によるペアで構成された特殊部隊をジェノメスと呼ぶ。

テンプルナイト
Temple Knight

ジェノミライ教団の守衛。元々は地文という学術派から派生した政治組織の騎士の名称だった。教団の教祖であるジルの意向で、今も同名称で呼ばれている。

バイオス屋
バイオスや/Bios Shop

精神世界へのダイブを可能にするダイブポッドを備えるお店。店主は基本的に生命工学の専門家で、精神世界への理解も深い。ポッド利用後に利用者が不快な気持ちにならないよう最善の注意を払い、安全、安心、安価、安定をモットーにオレイ各所で商売をしている。

ラシェーラ
Ra Ciela

かつては緑に溢れ、数多の生命が息づいていた美しい惑星。しかし、その美しい惑星もデルタ達が生まれた時には膨張した太陽からの有害なバーストにより、すでに死の大地と化していた。海は干からび、大地は赤く割れ、マグマが噴き出た所も多数あった。星が死に逝くなか、残された人々は磁北にドームを築き、皇帝を頂点とした帝国を作り上げていた。そして、様々な手法でこの状況を打破しようと試みたが、その結果が今の移民船による果てしない旅なのである。なぜこうなったのか、今ではその真実を知る者はごくわずかである。

鬼界
きかい/英語表記

「鬼の心を持つ存在が住む場所」という意味の鬼界。シャールが使う言葉であり、それはソレイル艦内、すなわちオレイ全域を指す。

皇帝契絆支
こうていけいはんし/英語表記

昔、まだ惑星「ラシェーラ」が存在していた頃、時の皇帝陛下が皇帝付きのジェノムである「コーザル」の承認を得て任命する、特別な人たちのこと。皇帝を近くで支えることができるようになる、名誉ある称号である。しかしどうやら、昔イオンが皇帝に即位した時には、コーザルの承認を得て任命していなかったようである。

七支
ななし/英語表記

イオンが探している人たちのこと。その人たちの名前は、ネイ、カノン、デルタ、キャス、サーリ、白鷹、レナルルだという。 昔、イオンが皇帝だった時代に、イオンが「皇帝契絆支」の称号を授けた7人のこと。皇帝契絆支とは任命する皇帝を支える存在であり、イオンの時はたまたま7人だったので七支と呼んでいるに過ぎない。皇帝契絆支にはコーザルと共に心を繋げて、皆で1つの詩魔法を紡ぐことができる権利を与えられており、世界を動か す事ができる強大な詩魔法を紡ぐことが可能となっている。皇帝が即位する際の伝統行事でもある皇帝契絆支の任命であるが、なぜか現在の皇帝であるネイには存在しない。

紡ぎ手
つむぎて/英語表記

詩魔法を使える人間のこと。主にはフェリオンをシャールから護る組織「PLASMA」内の特殊部隊、ジェノメスに配属されている女性のことを指す。

布教隊
ふきょうたい/

ジェノミライ教団が、未だオレイ全域に存在する、シャールにおびえている人間を探し出して、その愛をもって保護することを目的とした集団。実際、布教隊の成果は大きく、シャールによって常に身の危険を感じている人間は、布教隊の説法によって納得し、入信してしまうことは多い。布教隊は、何人信者を増やしたかによってその徳の高さを認められるため、誰もが一人でも信者を増やそうと、躍起になって艦内を徘徊している。

万寿沙羅
まんじゅさら/Manjusara

惑星「ラシェーラ」に存在していた大都市の一つで、正式には万寿区万寿沙羅。惑星「ラシェーラ」が危機的状況になる前に、その場所にあった国家の帝都だった街である。その名残である、旧艇と関連施設が史跡として多数存在していた。帝都で無くなった後も、惑星崩壊の直前まで地上で一番の繁華街として栄え、特に万寿沙羅駅とその駅ビルは、日夜多くの人々でごった返していた。デルタにとっては生まれ故郷であり、母親のルウレイと過ごした思い出深い土地である。また、右も左も分からないまま皇位継承の儀を迎え、路頭に迷っていたイオンがデルタと初めて出会った場所でもある。

目指せ皇帝・救世イオン応援団
めざせこうてい・きゅうせいイオンおうえんだん/

かつて惑星「ラシェーラ」が存在した頃に行われていた、皇帝を決めるための試練「皇位継承の儀」。その試練の最中に万寿沙羅で出会ったイオンとデルタ、そしてキャスとプラムの四人で構成されたチーム名。もともとは超輝工冒険団という名前だったが、イオンが加入した際にデルタが半ば強引に改名した。プラムの死をきっかけに、一度は解散の危機に直面したこともあるが、キャスとイオンの活躍もあって、より強固な信頼関係が結ばれることになった。その後、サーリ、白鷹、ネロの三人を仲間に加え、団員はイオンの支えとしてだけでなく、仲間の証として多くの絆を紡いできた。それは刻を重ねた現在においても変わっていない。

フェリオン
Felion

正式名称は「天文中央司令塔所属居住区フェリオン」。他の居住区とは異なり、強固な障壁に護られた特別な居住区である。数年前、天統姫が内側より障壁を解放したその日まで、障壁の内側に街があることは誰も知らなかったという。床から天井まで繋がっている、柱のような高層ビル群が特徴的。

クオンターヴ
英語表記

シャールと共存し、自らの魂を高めることを目的とする「ジェノミライ教団」の総本山。元々この場所は、動力区の中枢機関ともいえる、巨大なタービンルームだった。しかし、いつの頃からか全く使われなくなっていたこの大空間は、過密化する人々に注目され、徐々に街としてその姿を変えていったのである。

ほのかの
英語表記

シャール達の住む村。シャラノイアには、このような村が至る所に点在しており、数十人程度のシャールたちがのんびりと暮らしている。ほのかのの名物は温泉。巨大な温泉郷を抱えており、シャールや人間に無料で提供している。

天領沙羅
てんりょうさら/英語表記

神の住まう街と言われる、シャラノイアの実質的な首都。巨大で高層建築が立ち並ぶ街並みは、どこか懐かしく、そしてこの世界ではないような異世界情緒に満ちている。なぜこのような建物を建てたのか当のシャール達に聞いても、誰もその理由を知らないという。実に不思議な街である。

FFTスペクトラム
ひらがな読み/英語表記

FFTスペクトラムとは、有機物無機物問わず、宇宙において存在そのものが持つ固有の波のこと。生命や物体においては物質波スペクトラム、精神や想いには精神波スペクトラムが存在する。スペクトラムは万物において固有のものであり、同様の形状を持つものは存在しない。例えば、一つの機械があったとして、その機械を構成する素材や込められた想いをスペクトラム分析すると、物質波スペクトラムでは同一になっても精神波スペクトラムは異なる結果を示す。それは、その機械が作られる過程が一緒であったとしても関わった人物や実際に使った人の想いが異なるからである。

インストール
ひらがな読み/英語表記

詩魔法、主にソレイルなどの機械や船を制御するために作られた人工の詩を脳内に記憶させること。インストールをすると、その詩をあたかも自分が紡いだかのように、自然な形で記憶に入り込む。それによって謳い手は自分の紡いだ詩と同じように、強い想いを込めて謳えるようになるのである。

インターディメンド

7つの次元を超えた先の世界との通信技術。特に狭義では、その技術を使って無意識に異世界の生命を操ることを言う。インターディメンドには大がかりなシステムが必要になるが、外宇宙から無限のリソースを引っ張れることを考えると、さほど高価なものとも思えない。この技術が開発される前、この世界の科学者たちは、インターディメンドと同等の恩恵を受けるために、生身の人間一人をまるごと外宇宙から攫ってきていたのだから。

ウェーブ
Wave

ここで使われている場合は、主に「エネルギー」という意味を指している。この世界ではエネルギーは全て波でできており、物質も、感情も、大いなる力も、全て波動であり、そしてエネルギーなのである。それ故に、この世界の人たちにとって「ウェーブ」といえば、目に見えないエネルギーの塊というイメージなのだ。

導力
どうりょく/英語表記

「導力」とはエネルギーのこと。もっとわかりやすく言えば「魔法の力」であるが、我々の世界で言うところの電気も、ソレイルやアルシエルでは導力という定義になる。すなわち、目には見えないが確実に力の源になっている力のことである。機械を動かす「動力」のことではない。

エクサピーコ
Exapico

この宇宙そのものの名前であり、宇宙そのものを身体とする七次元生命の名称。簡単に言えば、我々の住む宇宙における「ビッグバン」に近い。デルタたちの住む世界において、万物には意志がある。それは惑星や恒星、石や木に至るまですべてである。それらの意志は、その上位の意志の愛によって護られている。たとえば木々や人間は惑星の意志によって護られ、惑星は恒星の意志に、恒星は銀河系の意志に、そして銀河団は宇宙そのものの良し、すなわちエクサピーコの愛によって護られているのである。この宇宙空間における最上位の存在であり、そこに住む全員がエクサピーコの一員でもあるのだ。

バス

回線、通信用の線のこと。我々の世界における電気通信用の回線やコンピューター用語のアドレスバス、データバスの「バス」と同義である。

外世界
がいせかい/英語

宇宙空間のさらに外側の世界。三次元空間で考えた場合、宇宙は無限の距離を持つが、七次元空間として考えた場合、宇宙とは一つの七次元空間上に固まった「個」である。その個の外側には別の個が存在し、それが外世界である。デルタたちの世界からすれば、我々の住むこの宇宙は外世界ということになる。

俯瞰視点
ふかんしてん/英語表記

俯瞰視点とは、簡単に一例を挙げるなら三次元空間をその外側から見ることができる能力である。例えば、二次元空間に住む人間が迷路をさまよっていても、三次元的存在は簡単に迷路の出口まで案内することができる。すなわち我々三次元人は、二次元空間に対して俯瞰視点を持っている、ということになる。四次元人ならば空間俯瞰ができるため死角がない。五次元人は時間軸を俯瞰できるため過去から未来まで見通せる。

母胎化
ぼたいか/英語表記

人間の魂同士が融合し、個人としての壁が外れて一つの意識を持つ存在になること。母胎化が起こると、人間は意思が薄弱となり、自らの意志による行動などはほとんどできなくなってしまう。できることは、母胎化された全ての魂の総意として、母胎の身体となる存在(ここではソレイル)の繁栄のために、愛を以て尽くすことである。それは、人間の身体を数多の微生物が構成し、それによって人間が生きられていることと似ている。

禊ぎ
みそぎ/英語表記

精神と肉体を清め、波動のキメをそろえることで、外部からの強い想いを受け入れられるようにする行為。この行為のメリットは、自らが持っていない強い感情や生命力を、外から取り入れて、自分の限界を超える力を詩魔法に注ぎ込む事ができることである。我々の世界でいうところの「気功」と近い概念でもある。禊ぎはなるべく肌を外気に、特に想いの伝導効率が上がる純水に近い水にさらして行うのが良い。そうすることで、与えられた想いのほぼ全てを吸収することができると言われている。また、想いを送り込んであげる人が必要なため、信頼できるパートナーが必要となる。

七次元端末
ななじげんたんまつ/

外世界、すなわち我々の住む世界と繋がることができる端末のこと。デルタ達の世界に存在するものであれば、アルノサージュ管がそれにあたる。

アストロサイト・モジュラトリ・ウイルス
Astrocyte Modulatory Virus

人間に対して投与し、その人間に強制的にたくさんのシャールを産ませるようにする薬。エイリアンドラッグ。デルタがプリムを産んだときのようなことを、何度も何度も強制的に繰り返すと言えばわかりやすいだろう。あの時デルタは相当体力を消耗しているが、それを何度も行うことになるため、投与された人間はシャールを5~6体産むと死んでしまう。イオンは詩魔法「シェルノサージュ」によって我々の世界から無限のエネルギーを引き出しつつ、そのエネルギーで数万以上のシャールを生み出していた。プリムがデルタとキャスの子供だというのなら、シャール達はイオンとプレイヤーの子供とも言える。

アバター
Avatar

アーシェスのボディの一般的な呼び名。アーシェスのボディは、ES45イーエスよんごーカソードタイプと呼ばれるガーディアンの一種であるが、特異な機能として、外世界の存在がコントロールすることができるようになっている。このことから、外世界の存在から見たアバター、という意味で開発者たちからはアバターと呼ばれていたという。

アルノサージュ管

外世界、すなわち七次元を超えた我々の世界と、様々なエネルギーや想いを交換し合うことができる管。形状は真空管の未来形とも言える、我々にとってはレトロフューチャーな雰囲気を持つものであるが、未だ見ぬ世界と確実なコンタクトを取ることのできる、宇宙全体で見ても歴史的な発明品である。アルノサージュ管が発明される以前にも大がかりな装置によって、外世界との接続には成功していたという。だが、そのためにはコンタクトを取る度に星一つ分のエネルギーを消費していたというから、実用的な代物とは言えなかった。なお、管本体は上三つの管であり、下の一つはリンク用のダイブコンソールである。

コールドスリープ
Cold Sleep

体組織を極低温状態で保ち、時間経過による老化を防ぐ状態。オレイのポッドには睡眠状態での栄養供給装置等があり、超長期間にも耐えられる。

コロン
Colon

かつて存在していた惑星「ラシェーラ」に多数建造された浮遊都市のこと。コロンは自治都市となっており、ある程度の条例はコロンごとに決めることができた。また、コロンには例外なく、宇宙から押し寄せる有害な波動「バースト」対策が施されており、地上の街のようにバーストに怯える心配はなかった。しかし、全ての人々がコロンに移り住めたわけではない。コロンにはそれぞれ厳しい入居条件が設けられており、移住には莫大な費用も必要とされた。そのため地上に住んでいた貧困層のほとんどは、容易にコロンに移り住むことができなかった。

サージュコンチェルト・ターミナル
Surge Concerto Terminal

頭文字を取ってS.C.T.と略されることもある。移民船ソレイルを制御するコントローラーにして、七次元先の世界からエネルギーを得てくることも可能な実質永久機関。S.C.T.の中には様々な詩魔法ライブラリも存在しており、このシステムを制する者がソレイル全体を制するといっても過言ではない。シャール達が創造していたシャラノイアも、コーザルの解放も、全てはS.C.T.の機能あってことであり、ソレイルに住んでいる以上、このシステムを切り離して生存することは不可能なのだ。

シェルノトロン
Cielno Tron

遥か昔、まだ惑星「ラシェーラ」が存在していた頃に、一世を風靡していた端末。我々の世界の携帯電話のようなものであり、所持していれば詩魔法の行使、知人友人間の連絡、市民認証など、様々なことに使えていた。当時、シェルノトロンを管理していた天文と呼ばれる組織は、この管の爆発的普及により人々を掌握し、政権を握ることに成功した。しかし、その便利な端末の裏側には、一人の異世界から連れてこられた少女の犠牲があった。ネロと呼ばれる少女は拘束され、眠らされながらその特殊な能力を使われ、人々は彼女の持つ能力によって、自由に詩魔法を使うことができていたのである。

スペースバス
/

目的地設定型の小型自動航宇宙船。自由航行はできないが、ボタン一つで誰でも簡単に目的地まで行けるという乗り物。

セカイパック
日本語/英語

ネロによって破壊されてしまったイオンの記憶を、七次元先の存在(=プレイヤー)の力を借りつつ修復していくプログラム。サーリによって設計された。一つのセカイパックの影響範囲は限られているため、イオンの記憶を完全に取り戻すために、結果的には12個のセカイパックが必要となった。サーリがイオンにセカイパックを送り込んだ理由は、記憶を取り戻させることで自らの意志による起床を促し、イオンを眠らせたままシャールを無限に生み出し続けるプログラムである「シェルノサージュ」を停止させるためである。

トロン
Tron

人々が機械的に「魔法の力」を扱えるようにする機械の総称。通常、人間は単独で魔法(詩魔法)を行使することはできないが、トロンを所持することでそれを可能にする。その形状は、真空管のような形をしていることが多い。現在は完全に廃れてしまったテクノロジーだが、過去には「シェルノトロン」や「G2トロン」など、様々なトロンが存在し、誰でも魔法が使えるようになるアイテムとして、一世を風靡していた。

マイクロクエーサー
ひらがな読み/英語表記

宇宙に存在する「クエーサー(強力なエネルギーの渦で、ブラックホールの一歩手前の状態)」のミニ版である。ブラックホールがそうであるように、クエーサーもまた超高密度なエネルギー体であるため、非常に小さな筐体の中に、恐ろしいエネルギー量を蓄えることができるものである。なお、現在プラセンタにあるマイクロクエーサーは、この中に惑星一個分のエネルギーを蓄えることができるようになっている。事実、惑星ラシェーラは時空間移動のエネルギーとするために、詩により圧縮され、このマイクロクエーサーに閉じ込められてしまったのだから。

中空三角フレーム
ちゅうくうさんかくフレーム/

ソレイルの外郭を形成する、トラス構造のネット。この三角フレームの中には、ウェーブによる膜が常に張られており、テラフォーミングされた地表の空気を宇宙空間に逃さないような仕組みになっている。中空三角フレームは、それいる全体を包み込むように覆っており、それによってシャラノイアは緑豊かな大地を維持できているのである。

キノコの地獄風煮込み
ひらがな読み/英語表記

アンラッキノコを使用した真っ赤な色のスープ。スープの赤はスパイスによるものではなく、野菜の色素が湯に溶け出したもの。見た目通り辛味も強い。また、ネイが調理したこの料理は、味が本来よりも極めて薄く、ただただ辛味だけが延々と続く。そのため、ネィアフランセの常連からはおネイの絶望風煮込みと呼ばれている。

こってりINバーグ
こってりいんばーぐ/英語表記

辛口のカレーを中に閉じ込めたハンバーグ。肉汁たっぷりのやわらかいハンバーグを切ると、その中から熱々のカレーが溢れてきてハンバーグと絡む。カレーのスパイスがハンバーグの肉の風味と甘みをより一層引き立て、食べても食べても食欲がそそられる一品となっている。また、添えられたポテトや野菜がさっぱりとした甘さに仕上げられており、味に飽きがこないようにも工夫されている。ただし、カロリーはかなり高い。いくらでも食べられそうだからといっても、ほどほどに抑えないと後日泣きを見ることだけは間違いない。

サラサラダ
英語表記

さらさらのサラダ。水洗いした生野菜の水を切って切って切りまくった結果生まれた究極の一品。パサパサではない。

シタビラ麺

ダシ、具、麺、すべてにシタビラメを使ったネイの創作料理。器の底まで見える透き通ったスープが特徴で、実際かなり薄味なのだが、ヘルシーで健康に気を遣う若い世代の女性に人気がある。ちなみに、この料理に使われているシタビラメをネイがどこから調達してきたのかは不明。

チェルノトロン
英語表記

天領沙羅の名物となっている飲み物。トロン(真空管)を模した容器に甘いジュースと飾りの果物を入れ、観光客にアピールする。ちなみに、店舗によっては変わった味のチェルノトrンを販売している所もあり、その種類は数十にも上るという。

テロルケーキ
ひらがな読み/英語表記

テロルの実をふんだんに使ったケーキ。分厚いスポンジを三段に切ってから、そのスポンジでカットしたテロルの実を挟んでいく。そしてスポンジごとクリームで包み最後にカットせずに水洗いしたテロルの実をケーキの上にデコレーションして完成する。甘い。

ブラックターメリック
ひらがな読み/英語表記

"漆黒の風"の異名を持つ香辛料。その香りは身体に熱を運んでくると言われている。食欲不振や血液循環不全などに良いとされるがオレイでは見たことがない。

ポンタカリマンタン
ひらがな読み/英語表記

大衆向け清涼飲料水「ポンタ」シリーズの一つ。季節の果物をモチーフにした期間限定商品。熱帯の南国っぽいパステルかつフルーティでトロピカルな味わい。

ポンタブルーホワイ
ひらがな読み/英語表記

大衆向け清涼飲料水「ポンタ」シリーズの一つ。一見飲料には見えないドスの効いた水色が特徴。シリーズ内ではグレイブ、オランジュに次ぐ三番人気の味。

疾風のオススメセット
ひらがな読み/英語表記

ネイのオススメメニューと言えば聞こえはいいが、実際はその場にある材料を付け焼き刃に調理したもので、提供される料理は人によって異なる。とりあえず、メインディッシュとドリンクが一杯、というのがネイのお約束になっているらしく、その定型だけはなんとか守られている。

絶対過激チャイルド麺
ぜったいかげきちゃいるどめん/英語表記

大人も子供も楽しめる料理としてネイが考案した。七色に輝くその面は風船ガムでできており、食べながら風船を膨らまして遊べるのがウリ。ただし、膨らました風船が割れると汁が辺りに飛び散る。

天震
てんしん/英語表記

この世界に古くから存在する日付の呼び方。我々の世界でいうところの月曜日、などと同じ意味合いである。天震の1文字目と2文字目、すなわち「天」と「震」はそれぞれ別の意味を持つ。1文字目は我々の世界でいうところの週を意味し、2文字目は日を意味するのである。1文字目には「坤」「天」「命」「喪」の4種があり、2文字目には「震」「艮」「龍」「兌」など8種がある。これらをつなぐことで、32日サイクルの暦ができあがるのである。

表題
ひらがな読み/英語表記

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